時よ止まれ、おまえはいかにも美しいから!(『ジャニーズ伝説2019』感想)

黄色いウランガラスの指輪が光を含んで反射している。朝から降りつづいた雨はすっかりやんで、見る影もない。歌舞伎町のあやしげなビルで整えてもらった髪で推しに会いにいった。ABC座『ジャニーズ伝説2019』。今回ばかりはきちんと目が合った。推しはやっぱりきれいだった。例えようもなくよかった。

新しく好きになったMADEの健翔くんのことは、確実に好きだとわかった。あーすき。フォルムが最高に好き。彼の指さきの捌きかたといったらこたえられない。彼のターンの、ロンダートバク転の、軌跡ときたら!

健翔くんはあまり感情をおもてにだす踊りをしない。印象としてはクラシックバレエと共通するところがある。正解の型に、自らを当て嵌めていく感じ。日本舞踊が特技だそうだから、そういうところが出るんだろうか。和装似合いそうだなー。ああほんと、袴姿で扇子持って舞ってほしい。おひねり投げさせてくれ。はじめての欲望。

そして健翔くんが総合的にいちばん好きなのとはべつに、大河(MADE秋山大河)が好きすぎて膝から頽れそうだった。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』のときに確信を持ったけども、秋山大河は抜群に演技がうまい。彼の演技力は、20代のJr.たちの中で確実に5本の指に入るだろう。それも、異常な役柄のほうがハマる。気が触れた人間の役が滑稽にならないのは、たしかな演技力に裏打ちされているからだ。

そして踊らせれば、誰もを惹きつける華がある。凄いんだあの人。わたしみたいな、勝手に推しに目が吸い寄せられてしまう人間の視線すら、強引に奪ってしまうくらい強力なの。

さらに凄いのは、大河からは「おれを見ろ!」光線が(わかりやすくは)出てないのに、つい目が奪われてしまうところですね。

この「おれを見ろ!」光線、もっと若いジュニアの子で踊りが上手い子(織山尚大くんとか元木湧くんとか)からはバッシバシに出てて、「おーおー、『声』がでかいな」と思って見ちゃうんだけど、大河からは感じない。でも見させられちゃう。これを華と呼ばずになんと呼ぼう。気をつけてないと持ってかれちゃうんだよなー。おそろしい男だ秋山大河。

あと秋山大河、破茶滅茶にウインクする。勘弁してほしい。恋に落ちる。あのウインクでこの公演期間中いったい何人の女が死んだと思う? わたし秋山担じゃないのにあと少しで死ぬとこだったわ。

ウインクするといえばジャニーズJr.(グループ無所属)の横原悠毅くんからもヤバさの片鱗をビシビシ感じました。きみはまだよくわかってないかもしれないが、そのどえらいきれいな顔でウインクを連発するな。死人が出る。

ほんとことしのえび座も最高によかったなあ。2回行ったんですけど、2回とも前から3列目が当たるという僥倖にめぐまれて激烈ハッピーでした。

あとは、どうかどうかDVDにしてくださいポニーキャニオン様。推しが『Zokkon命(シブがき隊)』うたってくれる機会なんか人生で何回もないもん。

それに、大好きなKAT-TUNの『DON'T U EVER STOP』を歌ってるときのバッキバキに気合入った塚田僚一、絶対に絶対に映像化してほしい。メチャクチャ好き。根性入ってんだよなー。

わたしも自分の人生を頑張ろうって思いました。自分の思いどおりにしようって。決意をあらたに。まだまだ思い通りじゃないんだ。生きてやる。何が起ころうと。生きて生きて生き延びて、来年も絶対この舞台を観るんだ。

タイトルに使ったのは、ゲーテの『ファウスト』の有名なせりふです。気分的に合ったのでつかってみた。たとえ時が止まらなくても、わたしたちは美しいものの記憶を頼りに、あしたからも生きるのです。

#日記 #エッセイ #ジャニオタ #おたく #オタク #ジャニーズ #舞台 #観劇 #レポ #感想 #ポエム #推し

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?