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「止める、呼ぶ、待つ」の次 (vol 238)

  「止める、呼ぶ、待つ」

異常を見つけた時の基本行動、「設備を止める」を徹底しています。
「不良が出たら設備を止める」は「トヨタ生産方式」の考え方として普及し、今やモノづくり現場では浸透した考え方です。

広く普及している考え方の先の行動は、各社それぞれで、私の周りでよく見かける、やりがちな対応への意見、警鐘が今回のツイートです。

前回のツイートでは、
 「一つ選んだやり方を標準として文字化しよう」を推奨しました。

作業の標準化を始めると「異常が起きた時」の対処方法も決めたい、と思うのは当然の成り行きで、これを考えてくれることはありがたいことです。

ところが、色々な場面を考えすぎて、作業者に負担を掛けてしまうことが少なくありません。
  こんな場合は、これを標準にしよう
  別の異常が起きた時は、こちらで対応しよう
どんな異常が起きるか、机上の議論で想定が膨らみます。それぞれの対応を思い浮かべて、どんな対応をするか考えます。

これだけならいいのですが。。。
  「それ、記録に残さなきゃ」
と考え出したら危険信号。作業者には地獄が待っています。

問題発生を想定して、対策に必要な情報を抽出して、状況を記録に残す
  「これを標準にしよう」
と言い出すと、あれもこれも記録に残すことが標準になってしまう。
必要だから、と、作業者の負荷への気遣いは脇に置かれて、膨大なチェックシート記入を求めてしまうのです。

作業者を困らせよう? なんて少しも考えてはいないし、前向きな気持ちの対処ですが、前向きが故に、無理なお願いを標準にしてしまうんですね。

「チョット待って!」
「標準化の目的は何?」
「異常が起きた時の基本は何?」
「誰が、対応したらいい?」
もう一度立ち止まって考えてみてよ、がメッセージの趣旨です。

I usually request “Standardization”, but today I say differently.
We recommend "Stop, Call, Wait" when we find something abnormal in our daily production activities.
When we find an abnormality, we tend to discuss the rules like record (report), mark the abnormal product. Aren't we discussing the standardization of actions to be taken after finding an anomaly?
Anomalies are called abnormal because they do not occur frequently in daily business. It is difficult to standardize the response.
Instead, why don't we give more appreciation and acknowledgement to individual TMs for "finding the anomaly"?
Go to the process, appreciateTMs, listen to TMs, and think of instructions for dealing with the phenomenon on the spot.
The next action to follow “Stop, Call, Wait” is the role of the managers and supervisors, not the TMs.

社内ツイート

いつもは標準化をお願いしていますが、今日は別の事を言います。
日々の生産活動で、異常を見たら「止める、呼ぶ、待つ」を推奨しています。
異常を見つけた時に、記録(レポート)を出す、異常製品に印をつけるの議論をしがちです。異常発見後の行動の標準化に議論が向かい過ぎていませんか?
異常は、頻繁には起きないから異常と言えます。対応の標準化は難しいです。
それよりも「異常を見つけた」TMをもっと評価し承認してみませんか?
現地に行き、感謝し、話を聞いて、その場で対処の指示を考える。
次に続く行動は、TMに求めるのではなく、管理監督者の役割です。

社内ツイート日本語訳

それ、「本当にいるの?」という質問。
要らないかも? に気づいて欲しいのですが、異常を見つけた時のマネジャー達自身の対応行動なので、いくら質問しても「必要な情報」なんです。
だから、やって欲しくなる。

でも標準化の議論、現場で作業集中してもらう行動の文字化なんです。
自分達の仕事を肩代わりしてもらうためじゃない。
異常が起きたら、すぐに現場に行って行動を起こす。これが管理監督者の役割。対応は、明文化が難しいから、監督者が必要なんです。
それなら、標準化の行動から外しておこうよ。

本来は、「異常を見つけてくれたら、設備を止める」そこまでが標準化
それが100%できたらありがとう。なんじゃないかな?

「あれしろ、これしろ〜!」と指示するのはマネジャー
「ありがとう、ここから先は一緒にやろう」とねぎらう巻き込むのがリーダー
そんなことも考えてみました。

最後までお付き合い、ありがとうございます。



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