遠い記憶　三十八話

母からの、束縛から逃げる事が出来た。が、
義父や、義兄の借金は止まる事は無かった。
子供達も、高校、大学と何かと、お金が入った。
しかし、いくら大変でも自分と同じ思いはさせたく無かった。
少しづつだが、勤めに出る様になった。
派遣会社からの掃除の仕事、夜はパチンコ屋さんの閉店後の掃除。
土日は、結婚式場の賄いや、配膳など、休む事無く働き始めた。
いくら、働いても、借金は直ぐに作ってくれる。
勿論、私達が保証人になった訳でも無い。
法律上払う必要の無いお金だ、良く友達に言われた。
そんな事は、判ってるが、義理とは言え結婚して、親、兄弟に
なったのである。