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彼は誰時

答えが欲しくて、本屋を歩き回る
何かに依存していないと不安で、不安で
この心の中にある気持ち悪さはきっと、
今私が手に取った自己啓発本にも、哲学書にも治せない
誰かに教えてほしかった、自分で考えることはせずに
自分で見つけなければ納得もできないくせに

私の部屋の中にあるかな
もしかしたら枕の下にあるかな
靴下と一緒に安心を履けたならどれだけ春が幸せなんだろう
傘をさして雨と一緒に不安の雨宿りができるなら
私は葉に乗った朝露のようだと、人生を優しく見られるだろうね

溶けかけの雪道に足を取られて
目の前を歩く小さな兄弟に
私の足が追いつく頃
わざと足跡を付けて蛇行して
泥道に落ちていた枝を振りながら
雪に触れて手が真っ赤になる君たちが
少しだけ鬱陶しくて、愛おしくて、羨ましかった
誰かが踏み固めた道だけを歩いている私が
また少し嫌いになった

雪に反射した湿度の高い眼は
これから先の人生で何を見つめていくんだろうね
その背中を無責任に見つめていたいけど
すぐに目を瞑るし眩しいのは本当は嫌

結局何を言いたいのか分からないなあ
表面的でつまらない私は
どうやらまた歩くのを止めていたみたい
ただでさえ歩く速度は遅いのに

ちょっとだけ噓を吐いて、罪悪感を覚えて
後先考えない馬鹿に憧れて、また踏み出すことを始めた話を
これから紡いでいこうと思います





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