miyander

踊る阿呆です。

miyander

踊る阿呆です。

最近の記事

  • 固定された記事

真ん中のさんてん

小学生のころ、どうして地球が人類を生かしているのかわからなかった。環境を破壊し続けていることに悪い悪いと言うだけで、世界の中心は譲らない。社会は矛盾だらけ。こどもの頭に浮かぶなんでは、多数決に埋もれていつもはぐらかされる。嘘ばっかりだし、自分のことばかりで、なんだっていうのだろう、理解できない。人類なんてわたしもろとも滅びればいいのに。 そうおもっていた。それでも腹は空くし、眠くなるから腹が立ったものだ。見逃さなければ生きづらさは増してゆく。だから大抵はどこかに仕舞い込んだ

    • 太古からいきもののつくった風をすべて集めている図書館が地球をとりまく大気だ。風がすっぽり体をつつむ時、それは古い物語が吹いてきたのだと思えばいい。風こそは信じがたいほどやわらかい、真の化石なのだ。 谷川 雁

      • あらゆるものへの気づきは、概念の火を吹き消してゆく。息をしていることに常に気づいていれば、今に在ることができる。

        • 行商回顧録vol.1

          以前、どこかに記録したはずが なくなってしまったから記憶を辿って書きます。 最近なぜか、ある家族のことをよく思い出す。 あれはいつだったろう。 あざみ野のあたりの住宅街 ひとりでお家をまわっていた時 アルファードかな、とにかく大きな黒い車。 洗車をしているお兄さんに声をかけた。 細身で小柄。よく日に焼けた、優しそうな人だった。 ちょっと待ってて、と入っていった 玄関からばたばたと出てきたふたりのお子さん。 女の子と男の子。 それから遅れて、部屋着の奥さんと末っ子らしき男

        • 固定された記事

        真ん中のさんてん

        • 太古からいきもののつくった風をすべて集めている図書館が地球をとりまく大気だ。風がすっぽり体をつつむ時、それは古い物語が吹いてきたのだと思えばいい。風こそは信じがたいほどやわらかい、真の化石なのだ。 谷川 雁

        • あらゆるものへの気づきは、概念の火を吹き消してゆく。息をしていることに常に気づいていれば、今に在ることができる。

        • 行商回顧録vol.1

          なみだ、なみだ! 満ちた線は点をむすんで どこから どこまで 昨晩ゆめにみた きっと今日は あめ  かえるよ まだ今は なみだから

          なみだ、なみだ! 満ちた線は点をむすんで どこから どこまで 昨晩ゆめにみた きっと今日は あめ  かえるよ まだ今は なみだから

          namida

          とめどなく瞳から こぼれ落ちる、からだの海水。 訳もなく、気づいたら泣いてる。 たまにあるんだ。 放っておくと ほんとに動けなくなるんだなあ。 布団から出るので精一杯。 そんな日だった。 遅刻さえできなかったのは 今までではじめて。 悔しい気持ちをおさえ、 渋々おやすみ。 思い返してみたけれど それまでも かなりだましだまし だったかも。 前より、 からだにうそつけなくなった ように感じる。 人の為になにかしたい! そういう自分がいる。 悪いことではないはずなんだ

          蝶々もらった

          そうだ、アゲハの蛹いる? ふたつ返事で なんとなくもらってきた。 あの商店街でだけ会える彼女。 そう言えば前にも 蛹がどうやと聞いた気がする。 猫に食べさせちゃってもいいよ。 え。。や、家で孵そうかな。 優しいね。でも、ちゃんと毒もたないと。 食べられちゃうよ。 そう残して、彼女は去っていった。 りんごと引き換えにサナギをもらう なんてこと、あるんだなあ。 手もとには 白いプラスチック籠に懸命に 糸を吐き出すあお虫。 このひと、蛹じゃないよねまだ。 りんご

          蝶々もらった

          来夏

          かおる、風と土の通るみち。生えた緑がゆれて、ささやくのを聴こうとする。 みんな、うそつきなんじゃないかって、感じる時みたい。五月病だっけ、ちょっと憂鬱になるやつ。耳心地のよい言の葉っぱは、まるで、わたがし。底抜けたら、どこまでも落っこちてゆくのでは、とおもうとぞっとする。あの笑顔の裏は、きっと排水溝の中みたいにまっ黒で、暗くて、じめじめしてるんじないかって。なにか隠してるんじゃないの、なんて。 優しくされれば、されるほど、突き放してしまいたくなる。とってもうれしいはずなの

          さようなら。 ぽつり、 ぽつりと まぶたの浦から あふれる あたたかい海よ

          さようなら。 ぽつり、 ぽつりと まぶたの浦から あふれる あたたかい海よ

          今日が亡くなると、今日のわたしも無くなる。あらたに向かえる朝。布団から生まれるのは、また別のわたし。

          今日が亡くなると、今日のわたしも無くなる。あらたに向かえる朝。布団から生まれるのは、また別のわたし。

          在りかた

          ひとの数だけ、世界がある。 生き物の数だけ、世界がある。 無限だとも言える。 実際にそれぞれ、起こっている事実はひとつだけ。 なんとも不思議なお話。 とらえ方で、いかようにも変わる。 その色味や風味、明暗のバランスも。 あるからこそ、触れられる? ただ、こころまで触れるには とても足りない、肌の感覚だけでは。 と思えば知らぬ間に、 触れていたなんてこともある。 ひとのこころは、癖があるんだって いまいちまだ、よくわからない。 四角がみんな違うから、補い合うんだって

          在りかた

          ふきげんと愛

          まんまるのお月さまのように、満たされてるなあ。そう感じられるのは心地がよい。そうでないときは、なにかをうまく受け入れられていない。 それはどうやら、ふきげんの素みたいだ。 常に明るく、笑顔の絶えないひと。太陽みたいな人間。なりたかった。黒いものがあるのを無視して。痛くもなんともないやい、へっちゃらだい。さみしいなんてうそだい。なにを言われても、されても、平気なふりをした。負けたみたいでいやだった。 でもそんなのは、ほんとうに危ない。大事な感情をまもるために、怒りたいとき

          ふきげんと愛

          あかるい夏

          きのう配達を頼んでくれた方が小説家なんだと言ってたのを思い出して、お名前を調べてみたら夏目漱石のお孫さんだった。 “今日は家にもってきてくださる、前はねビン2本も抱えて帰ったら、もうー気が狂いそうだった。”  ふたりの女性と話していて、ふらっとあらわれたその人。放ったひと言で、すん。そして、弾けたみたいに一瞬で場をワッと、沸かしてしまったのだった。あんなひとになりたい。 配達に来ると、花のある庭と出迎えてくれた。客間が家の隣に建ててあって、旦那さんの写真がいたるとことに

          あかるい夏

          だからなんだというのだろう。

          肉じゃがをつくって、たべた。 それだけ。 てづくりすると味がやさしいのは ほんとうにふしぎ。 こころとお腹が しあわせでみたされる。 見える場所、見えない場所を いま、きれいにしているところ。 食器を洗いながら 水のしたたる腕が手がひやひやで ここちがよいのね。

          だからなんだというのだろう。

          やなかんじ、の正体

          やなかんじ! 2時間もある絵の前にいた女性は そう言い残し去っていった。 それを又聞いて、岡本太郎は さぞよろこんだそうだ。 岡本太郎美術館は、 自転車でほんの20分ほどだった。 まず生田緑地に入る。 近くにこんなすてきな公園が あったのかと驚く。 すすんで歩いてゆくと 水しぶきの音とともに現れる階段。 美術館の入口だった。 だんだんと見えてくるのは どこか奥まった、緑の茂る建物。 美術館なるものには 興味が生まれたばかりで とりあえずは 気の向くままに 足を伸ばすこ

          やなかんじ、の正体

          Eureka !

          行商をやめた。 りんごいりませんか、って 毎日、声をかけていた。 夢だった気もするけれど たしかに、 生業だった。 自分史で最も いのちを注いだもの。 きっかけは 生きてる! 気がしていれば なんでもよかったはずで 1年つづけばいいや、 なんておもってたのに。 車を走らせ ふらりと降りた先 目が合った人と、別れるまでの間 その手には、たしかに お店の袋が 握られていた。 頭をつかわないで ぱっとみえた おもってもない景色 相手を感じよう とすらする 必要すらも