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Eureka !

行商をやめた。

りんごいりませんか、って
毎日、声をかけていた。
夢だった気もするけれど
たしかに、
生業だった。

自分史で最も
いのちを注いだもの。

きっかけは

生きてる!

気がしていれば
なんでもよかったはずで
1年つづけばいいや、
なんておもってたのに。

車を走らせ
ふらりと降りた先
目が合った人と、別れるまでの間
その手には、たしかに
お店の袋が
握られていた。

頭をつかわないで
ぱっとみえた
おもってもない景色

相手を感じよう
とすらする
必要すらもなく
あの瞬間だけが全体で
成り立っていて
でも永遠みたいで
それが
おもしろくて、、
こころがわってなった
のを憶えている。

明日はもう来ない
かもしれんからって、
それから、
なんだっけ?

足踏みしてるうち、
目を開けたら
ほんとになくなっていた。

そして、
いつのまにやら
自分という存在とわたしの間には
水がせせらぎ
流れていた。

今に至る。

これはどこかで望んでいた現実
他人や行商に縋りついていた事実

さすがに受けいれよう。

そこはあきらめよう、まじで。

感じたくない感情と
認めたくない考え、暴れたい野性を
抑圧していたわけだ、長い間。

まわりに求めることで
誤魔化そうとしていただけなの。

無理してんのよ、端から
そら疲れるわ。

そんなこたわかっとる
はずでした、ええ。
えっらい間違い探しだった。
 
普段から、
あるをないにしたり
ないをあるにしたり
自分の中だけで
現実を捻じ曲げてたのが
原因とその発端。

行商も
次第にずれて
楽にできなくなっていた。
有難みも
感じづらくなって
それも認めたくないゆえに
ほめてほしかった
リトルなわたしが癇癪を起こして
不機嫌になる。
対人関係で
軋轢が生まれる。
さらに居心地悪くて
注目すらしないわたしに
愛想尽かせて
かわりに、まわりにかけよる。
みてみて!って。

え?
しんと
静まり返る

呆れられ、
勝手に孤立して
そして
終わった。

違う場所で
何度もやってきたのか。
 
人間としてどうなの?
感謝、敬意はないの?
信念はないの?

ないというより、
なく、してきた、のは自分。
わたしと自分は
おなじなんだけど
ちがうんだってこと。
しらなかった?

いつも追い込まれている。
自分で追い込んでいるからでした。

思い込み①世界の中心はわたし
ではない。
だからこその感謝と
人への理解する姿勢や
思いやりが必要だってこと。
中心はわたしでない
だからこそ
わたしを傷つけるのも
癒すのもわたしのお役目
ということ。

思い込み②いい人であるのがよい
みんなが大事だからは
建て前だった。
ハイハイ言うこと
きいてたら
感謝されるばかりか
なったのは都合のいい人間。
ここぞというときに
違うとおもうなら
首を縦に振らないこと。
嫌なことは
笑ってごまかさない。
ちゃんとその場で伝えること。

思い込み③人はこわい
みんな自分を大切にして
生きていている。
大事にしている点もちがう。
不躾になんでも触ってしまうから
牙を向かれるだけだ。
基本は。
一声かけたり、
そっとやわらかく触れる
自分もそうして
もらえたら嬉しいのに
見返りだけ求める
行為ばかりになっていって
視野が狭くなって
気づかなかったのね。

深く息をする。

もっともっと
おおきく捉えてみると
とるにたらない
ことばかり。


沼地の底に
ねむる蓮の花
陽の光を
待ちわびて
いまか、いまかと



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