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美しい経営と余白の必要性

ICCサミット FUKUOKA 2019を終えて、東京に戻ってきました。

本当はもう少し福岡に滞在したかったのですが、とても楽しみにしていたミーティングがあって、昨日の最終便で戻ってきました。

それが昨日のランチミーティング。お相手は英治出版の原田英治社長。本当に素敵な時間だったので、その一部をおすそ分けさせてください。

英治出版の奇跡

英治出版といえば、『ティール組織』『U理論』など、有名なビジネス書も多いですが、私のイメージは"社会起業"や"ソーシャルイノベーション"にまつわる本です。

Teach for America創業者であるウェンディー・コップの『いつか、すべての子供たちに』、アキュメン・ファンド創設者であるジャクリーン・ノヴォグラッツの『ブルー・セーター』をはじめ、何度も読み返してきた名著も英治出版です。

「一体、どんな人たちが作っているんだろう?」

そう思って英治出版のWEBサイトやインタビュー記事を読んでみたのですが、これが色々と衝撃的でした。

まず驚いたのが、操業して20年近く経つのに94.7%の本が絶版にせず稼働しているということ。この時点で50%近くが絶版となる従来の出版会社とは大きく異なり、「ずっと売りたいと思える本だけ作る」という強いこだわりを感じました。

さらに面白いのは「全員OK」がないと、本を作らないという方針。名物編集長といった人はおらず、編集チーム一人一人がワクワクしながらその本を贈るようなイメージを持てるかどうかを大事にしているというから素敵です。

そんな素敵な会社のトップである、原田英治社長にお会いするのは今回が初めて。すごくワクワクしながらランチミーティングを迎えました。

美しい経営と、余白のある生活

時間を忘れるというのは、きっと昨日のようなミーティングを指すのでしょう。2時間近くご一緒させていただいたのですが、本当にあっという間でした。

英治社長の話がどれも面白く、ずっと聞き入ってしまったのですが、その中でも美しい経営の話は目から鱗でした。

不動産のオーナー経営者の友人がいてね、彼の考え方がすごく面白くて。労働集約型なビジネスが多い日本では、どうしても働いた分だけ報酬をもらうのが一般的だけど、彼は「物件が美しいこと自体が価値だ」という考えを持っていた。だから彼はとにかく美しい物件を探すことに注力していて、出版会社もそうであるべきじゃないかなと思う。売れる本をつくるんじゃなくて、美しい本をつくる。美しい経営をする。すごく大事だよね。

現在、東京を離れて島根県の海士町に「親子島留学」をしている英治社長。当然、本社に出社する時間は大幅に減り、コミュニケーションの時間も減ったはずが、焦りのようなものを感じませんでした。

余裕や余白がある、と言い換えることができるかもしれません。ICCでお会いした尊敬する経営者の方々もそうだったのですが、言葉を選ばずにいえば、少し暇そうな印象すら受けました。

これは大きな衝撃でした。NGOやNPOで働いていると、少しでも問題を早く解決したくて自分自身が率先して現場で走り回ることが多いのですが、動かないからこそ会社は成長していくというのは、真逆に近い発想です。

もっと掘り下げれば、美しい価値ある事業の種を見つけて、それを持続発展させるための計画を考え、無理なく実現するための仕組みやチームを作る、といった部分は、私も一人の経営者としてもっと見直さなければと思いました。

最後に

私はこれまで経営に「美しさ」を追求したことはなく、余裕や余白についても持てたらいいな、くらいにしか思っていませんでした。

ただ、ICCのセッションや英治社長とのランチミーティングを通じて、経営者の働き方や考え方を0ベースで一度見直してみようと思いました。

NGOやNPOの経営において美しさはあるのか?どうやったら今よりもっと余裕や余白をモテるのか?これから探していきます。

よかったら、ぜひご一緒に。

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