Seventeen's Summer 17歳の最終楽章Ⅱ 第17話
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ユウキの手を握った優里の手に力が入った。
「でも語り掛けてるだけじゃないんじゃない、私たちのことも見てくれているよね」
4人で空を見上げながらヒメナの声を聞いた。それぞれが何かを思っていた。ユウキもきらめく星を見ながら、大学をあきらても何かがあるよな、と自分を励ましていた。いいことという意味ではなくて、自分の人生にきっと意味がある。大学だけがすべてなはずがあるわけない。それは自分との戦いかもしれないが。
「見て見て、流れ星」
「ほんとだ、良く見つけたな優里」
「しっ」
優里が目を閉じてケンシを制した。
「願い事」
しばらくの間、波の音が暗闇を支配していた。
「来年もここにこようか」
ケンシが小さくささやく。
「いいね、たまにはケンシもいいこと言うね」
優里が茶化すように続けた。
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