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karenbossanova
Seventeen's Summer 17歳の最終楽章Ⅱ 第20話
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夕方になると晴れてきたので2人で海に降りた。海岸に着くと波だけでなく風も鳴り響いていた。空と海が怒りの矛先を自分たちに向けているようだ。
「すごい荒れてるな」
海と風の荒さに身を引き締められる。
「昨日の空が嘘みたいだな、真っ暗だし」
黒く厚い雲の塊がすぐそこまで降りてきているようだった。
「明日は晴れるかな」
ユウキがお願いをするようにつぶやいた。
「晴れるよ、きっと」
ケンシが答える。こんな感じで自分たちはお互いを支えあいながら生きていくのかもしれない、暗闇に差し込んだビルの窓の灯りを見ながらユウキはそんなことを考えていた。
3日目の空はどこまでも青くすきとおっていた。6月末の陽ざしは思ったより肌を刺した。ユウキとケンシは海に行ってビーチバレーや昼寝をした。優里もヒメナもいなかったが2人で楽しむことができた。ビーチに横になっていると穏やかな波の音と鳥の鳴く声だけが響いている。
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