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記憶が薄れてしまう前に

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#エッセイ

記憶が薄れてしまう前に 5

記憶が薄れてしまう前に 5

退院する時は弟が迎えに来てくれました。5日ぶりに着るシャツはやはり腕に触れる部分が痛く、いちいち声を漏らしてしまいました。それなら一層のこと腕全体にキツめのサポーターをしてみたらどうかと考え、帰り道ドラッグストアで買って付けてみたのです。正直痛くないわけじゃなかったのですが、直接服が擦れるよりはかなりマシでした。

家に着いてすぐに風呂に入って気付いたのですがお湯に浸かる分には痛くないのです。それ

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記憶が薄れてしまう前に 4

記憶が薄れてしまう前に 4

とにかく退院するにはどうするか考え、まずは管を外してもらい自分でトイレに行けるようにしなくてはと思いました。先生に話しをすると車椅子を看護師さんに押してもらってトイレに行くというのが第一段階でした。自分は「人の手を借りずに行きたいです。」と言いましたが最大でも1日1回だけテストをしてこなせれば順を追って解禁していくとのことで、とりあえず出来る範囲の中で無理をせず自分なりのリハビリをしようと考えまし

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記憶が薄れてしまう前に 3

記憶が薄れてしまう前に 3

まず点滴を足に、そして起き上がることは許されずトイレに行けないので管を通されました。これがなかなか痛いのと、残尿感がずっとありなんとも言えない気持ち悪さです。そのせいか眠ることは全くできませんでした。起き上がるどころか、腕を動かすことも出来ないのでやれることは、考えることか、腕に響き痛みますが手をグーパーグーパーと繰り返す学生時代バスケ部だった時の握力トレーニングだけでした。実は救急車の中でもやっ

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記憶が薄れてしまう前に 2

記憶が薄れてしまう前に 2

*前の話しを読んでない方でしたら是非前の話しから読んで下さい。何の話しをしているか分からないと思うので。お手数お掛けします。

段々と両腕が重くなってタバコを口に持っていくことが難しくなり、ついにその手が口元に届かなくなりました。とりあえず実家に帰ってシャワーを浴びてどうするか考えようと思い、父親が荷物を持ってくれたので手ぶらで歩き始めたのです。帰り道父親に「いい歳して迷惑と心配かけてごめん。」と

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記憶が薄れてしまう前に

記憶が薄れてしまう前に

文を書くのはあまり得意ではないですし、お恥ずかしい話しなうえに大した話しではないかもしれませんが自分の体験を綴ってここに残してみようかと思います。誤字脱字はご容赦下さい。

数年程前の夏のことです。その日は台風の翌日、波は肩から頭くらいのサイズで正直「大したサイズじゃないから問題ない」と思い波乗りをする為海に入りました。ただいつもと違うのは波のサイズより前の日の台風によって土砂が混じっているせいか

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