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【導入事例】アーティストのAI活用 - 「AI村治奏一」が切り拓く新しい表現の世界

YouTubeにて、miiboを使ったリアルタイムAI構築ライブを毎週配信している「MIIBO PLAYGROUND」。第4回は、クラシックギタリストの村治奏一さんをお招きしました。
村治さんは、ファンとの関係性作りのためにmiiboで自身のAIを開発し、名刺代わりやコミュニケーションツールの1つとして活用されています。「アーティストやクリエイターもAIを活用すべき」とお考えの村治さんに、AIが切り拓く新しい音楽の世界について、お話を伺いました。今回はその内容を抜粋して掲載します。

⇩本編はこちら

Interviewee:村治奏一さん
クラシックの古典的な作品、映画音楽、ジャズのアレンジ、現代音楽に至るまで、その才能を多岐にわたり発揮するクラシックギタリスト。いち早くmiiboに目をつけ、自らの豊富な知識とプライベートな話を基にファンとのコミュニケーションを深める「AI村治奏一」を開発。

※本記事は、会話型AI構築プラットフォームmiiboを開発する株式会社miiboの提供です。


miibo導入のきっかけと開発の裏側

── miiboとの出会いについて教えてください。

2023年1月にニュースサイト「GIGAZINE(ギガジン)」を見ていたところ、miiboが紹介されており「これは面白いぞ!自分もやった方が良いな」と直感で感じました。それから8ヶ月間、練習の時間以外の全ての時間はmiiboの開発に捧げ(笑)、自分の分身のような「AI村治奏一」を開発。運用をスタートしました。
最近では「AI村治奏一」をGPT-4にアップグレードしたことで、言葉の表現力に磨きがかかった他、未学習の内容に対してしっかり「分からない」と言えるようになるなど、日々進化を続けています。

── 開発した「AI村治奏一」について教えてください。

自身の公式サイトに「AI村治奏一」へのリンクを設置しています。
「AI村治奏一」には、練習法や楽器にまつわることなど、クラシックギタリストとしての私の知識や、趣味、観光大使を務める台東区のおすすめのカフェの情報などをインプットしています。お客様からのありとあらゆる質問に、私に代わって答えられるようにトレーニングしたAIということですね。

開発したAIは、WebブラウザとLINEアプリで会話可能になっています。それぞれのプラットフォームの特徴があるのですが、ブラウザ版では匿名での会話が可能なので、初めて試してみたい方や、名前を出さずに質問したいことがある方におすすめです。LINE版ではトーク履歴が保存されるので、いつでも過去の会話を振り返ることができます。日常的に会話したい方にもおすすめですね。

村治奏一さん公式サイトより

── ブラウザ版とLINE版、両方を開発するのは大変でしたか?

正直、LINE版も開発するのはとても簡単でした。miiboはLINEのアカウントさえあれば、Web版を作った後にアカウントに紐付けるだけなので、公式サイトのガイドに従ってほんの5〜10分程度でできました。

アーティストならではのAI活用方法とは

── 開発した「AI村治奏一」を他にはどのように活用されているのでしょうか?

❶ SNS・Webコンテンツの作成
InstagramやFacebookなどのSNSのコンテンツや、演奏会やイベントのリリース投稿などは一部を「AI村治奏一」が作っています。AIが素早くドラフトを作成してくれるので、私自身が「かたい感じがするから絵文字使って」など、AIと対話しながらカスタマイズするような形で、効率的に高品質なコンテンツを公開することができています。

AIがドラフトを作成したFacebookの投稿

❷ プログラムノート(曲の解説)の作成
演奏会の際、プログラムと一緒に曲の解説や作曲家の背景情報などをまとめたプログラムノートというものを配るのですが、これもあるライブでAIに自動生成してもらいました。私が与えた曲に関する想いや作曲家などのデータに加え、 AIがインターネット上の情報を活用して補完してくれるようなイメージです。

❸ 演奏曲の選定
演奏会のテーマと自身で決めた演奏曲をAIに伝えて、「この流れだったら次の1曲は何を弾くのが良いだろう?」と問いかけると、きちんとバックグラウンドも考えた上で既に学習させた私のレパートリーの中から適切なものを提示してくれます。GPTがもっとたくさんの情報を扱えるようになれば、近い将来プログラム全体の構成を複数提案してくれるようにもなると思います。

❹ インタビュー取材の効率化
先日とあるインタビューを受けたのですが、取材してくださる記者の方が、事前にAI村治奏一と会話をして基本情報を得てくださっていました。今後も更に学習データを増やす事で、多くの基本的な質問に答えられるようになります。その上で、対面での取材の際により専門的な質問をしていただけたり、質の高いコンテンツ作りに繋がる事が期待できま す。

── ファンとのコミュニケーションだけではなく、アーティストとしての様々な活動に「AI村治奏一」を活用されているのですね。


アーティストとAIの未来

── 村治さんが考える、アーティストやクリエイターのAI活用方法を教えてください。

企業がカスタマーサービスの代わりとして導入する事例などが多いと思いますが、AIはアーティストやクリエイターといった個人の表現者と非常に相性が良いと思います。
その理由の一つは、AIは表現者の新しいパートナーとして、名刺代わりやコミュニケーションツールとしての役割を果たせるからです。ファンとの関係を深め、アートの世界を拡張する手助けをしてくれる存在です。
昔TwitterやYouTubeが出た頃も、誰もまさかこんなに浸透するとは思っていませんでしたよね。AIもそのように5年後10年後の可能性を大いに秘めていると感じています。
二つ目の理由は、「ハレーション(事実でない内容の発言)」に対してある程度の許容が期待できること。正しい回答をするようにチューニングするのは大前提ですが、仮に間違った回答をしたとしても企業によるビジネス利用に比べれば致命的なミスになる可能性は低いでしょう。僕自身、ご回答の中でも面白いと思えるものを「珍回答」としてSNSで紹介したりもしています。

── 最後に、今後の展望を教えてください。

まだまだ完璧ではないAIですが、音楽や画像の理解が進化することも期待しています。音源をmiiboの中にストックすることで、ユーザーおすすめのプレイリストを生成したり、クリエイターが作成した画像をストックすることで、ハッシュタグやカテゴリごとに簡単に分類ができたり…クリエイティブな領域での進展もしていくのではないかと思います。

私のような演奏会やグッズ販売をするようなアーティストだと、コンサート後にAIがアンケートを効率的に収集し、次回の演奏やイベントの改善に役立てていけるようにしたり、チケット予約やグッズ販売なども全てAIとのやり取りの中で完結させられるようにしたいです。

AIって、実はアーティストやクリエイターと本当に相性が良いので、ぜひ活用してもらいたいです。

── アーティスト×AIの無限の可能性を感じますね。本日はありがとうございました。


最後に

「AI村治奏一」は、音楽とテクノロジーの融合から生まれた新しいコミュニケーションの形です。アーティストとファン、両者の経験を豊かにし、未来の音楽の世界を切り拓く存在として、その可能性を広げています。

miiboを使えば、誰でも簡単かつスピーディーに会話型AIを開発することができます。未来の自分とコラボレーションし、未知なる可能性を探求する旅に出ませんか?


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