mishida135 |こぎん刺し雑貨の企画と制作

日本の伝統的な刺繍、津軽こぎん刺しのバッグや生活雑貨の企画と制作をしています。 現在は…

mishida135 |こぎん刺し雑貨の企画と制作

日本の伝統的な刺繍、津軽こぎん刺しのバッグや生活雑貨の企画と制作をしています。 現在は、古作こぎん刺しバッグのセミオーダーブランド「kosaku」を中心に活動中です。 ご注文やお問い合わせはこちらより https://www.mishida135.com

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古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑩〜コンセプトブックで何を表現するか

「kosaku」は古作こぎん刺しをバッグに仕立てるセミオーダースタイルのブランドです。 今年3月の発表にあたり、サンプル商品とともにコンセプトブックを作りました。 バッグの形は4つに絞ったものの、図案や布・糸の色はオーダー次第で固定されたものではないため、商品選びをする「カタログ」ではなく、kosakuの考え方を伝えるものである「コンセプトブック」です。 方針として2つのことを大事にしました。 一つ目は、「外に出かける」を意識することです。 こぎん刺しを含めハンドメイド作品

    • 古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑨〜価格設定のこと

      「kosaku」は古作こぎん刺しをバッグに仕立てるセミオーダースタイルのブランドです。 これまで企画やデザインのことなどを書いてきましたが、今回の話題は価格設定について。自分が作ったものをいくらで買ってもらうか、ハンドメイド品を販売する方の多くが迷ったことがあるのではないでしょうか。 それまでは完全オーダーメイドでやっていたので、都度、価格を決める工程があり、ある程度、自分なりのルールはありました。 基本になっているのは、【新百合ケ丘産経学園】こぎん刺し教室でkogin.n

      • 古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑧〜持った人がステキに見えること

        「kosaku」は古作こぎん刺しの図案をバッグに仕立てるブランドです。 こぎん刺しの良さや古作の魅力を表現したいと作ったブランドですが、人が持ち歩き使う「バッグ」なので、何よりも気になるのは人が持ったときにどう見えるか、持った人がステキに見えるか、です。 kosakuではセミオーダースタイルをとっていて、可能な限りオーダー主様と対面で打ち合わせをしています。 ご自身が使われるもののオーダーなら最初に、サンプル品を持って姿見の前に立ってもらいます。身長や体型、その方の全身の

        • 古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑦〜好きな図案と飽きない図案

          2022年3月に立ち上げたこぎん刺しのブランド「kosaku」は、「古作」と呼ばれる、江戸時代から明治中期ごろに作られた着物に由来する図案をバッグにします。 古作は主に農家の女性たちが刺したものです。いま、私たちが目にできる古作の着物は、彼女たちが伝統の模様を受け継ぎながらも、自分の技術や好みやチャレンジ精神を注ぎ込んでバージョンアップされていったものだと思います。 ですから、古作図案は一点一点、違う個性があります。 kosakuは比較的広い面積を刺すので、一つの作品を仕

        古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑩〜コンセプトブックで何を表現するか

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑥〜図案の選び方 つづき

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」では、江戸時代から明治中期にかけて作られた「古作」と呼ばれる着物などから図案をとっています。 kosakuはセミオーダースタイルをとっているので、基本的にはお客様が気に入った図案を使いたいと思ってます。でも、ショルダートートと小さい手さげは内布をつけないため、裏側に渡る糸が長くような図案は避けています、ということは前回書きました。 一方、持ち手のないクラッチバッグとポーチはしっかりした内布をつけるため、裏側の糸をさほど気にせず選

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑥〜図案の選び方 つづき

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑤〜図案の選び方とアレンジのこと

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」では、江戸時代から明治中期にかけて作られた「古作」と呼ばれる着物などから図案をとっています。 お世話になっているのは、私の師匠である山端家昌氏(デザイナー、kogin.net主宰)の著作『青森市所蔵古作こぎん刺し着物 写真集 コギン』シリーズです。主にはここから図案を選び、バッグにしていきます。 選ぶ基準は何かというと、まずは直感的に好きかどうか。kosakuはセミオーダースタイルなので、オーダー主様がパッと見て好きだなあと思う

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について⑤〜図案の選び方とアレンジのこと

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について④〜オーダーにこだわる理由

          小作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」は、セミオーダースタイルで受注制作しています。 形・サイズを、持ち手のある「基本のショルダートート」「小さい手さげ」と、持ち手のない「クラッチバッグ」「ポーチ」の4つに限定しているためセミオーダーと言っています。「図案」は古作に限定、「布」と「糸」はある程度メーカーなどを限定させてもらっていますが、その範囲内であれば色々ある中から選べます。 自分で全部選ぶのは大変、忙しくて相談する時間が取れない、お任せしたい、という方には、バッ

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について④〜オーダーにこだわる理由

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について③〜裏地はつけない、という選択

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」の立ち上げにあたり、 1)古作こぎん刺しの図案を刺す 2)形は、古作の良さが活きるぺたんこ系4パターンに絞る を基本としたことは前回、前々回で書いた通りです。 そして、3つ目にこだわったのは「”裏”を大事にする」。 こぎん刺しは裏側が美しい刺繍です。布の横糸に沿って、刺繍糸を表、裏と行き来させて一段一段刺していくため、裏側には表側を反転させた模様が浮かび上がります。 裏側もきれいな模様が出るように刺すにはちょっとしたコツと、一

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について③〜裏地はつけない、という選択

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について②〜なぜ、この形になったか

          古作と言われるこぎん刺しの図案を使ったバッグブランド「kosaku」は、持ち手のある「基本のショルダートート」「小さい手さげ」、持ち手のない「クラッチバッグ」「ポーチ」の4つから選ぶセミーダースタイルです。 基本のショルダートートの本体はタテ約370㎜×ヨコ約300㎜、小さい手さげは60%くらいに小さくしたタテ約縦210㎜×ヨコ180㎜。クラッチバッグとポーチは、ショルダートートと小さい手さげをそれぞれクルッと横に倒したサイズ。いずれもマチがほとんどないペタンコバッグです。

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について②〜なぜ、この形になったか

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について①〜古作があるじゃん!と誕生した経緯

          津軽地方に伝わる伝統的な日本の刺繍、津軽こぎん刺しの作家活動をしているmishida135(ミシダ・イチサンゴと読みます)です。 2022年3月、セミオーダーでつくるバッグブランド「kosaku」を立ち上げました。こぎん刺しの中でも江戸時代から明治中期にかけて作られたものが「古作」と呼ばれており、とことん古作の図案にこだわったものです。 このnoteでは、kosakuに込めた思いや制作の裏話などを書いていこうと思っています。こぎん刺しやkosakuに興味を持ってくださった方は

          古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について①〜古作があるじゃん!と誕生した経緯