見出し画像

古作こぎん刺しのバッグブランド「kosaku」について②〜なぜ、この形になったか

古作と言われるこぎん刺しの図案を使ったバッグブランド「kosaku」は、持ち手のある「基本のショルダートート」「小さい手さげ」、持ち手のない「クラッチバッグ」「ポーチ」の4つから選ぶセミーダースタイルです。
基本のショルダートートの本体はタテ約370㎜×ヨコ約300㎜、小さい手さげは60%くらいに小さくしたタテ約縦210㎜×ヨコ180㎜。クラッチバッグとポーチは、ショルダートートと小さい手さげをそれぞれクルッと横に倒したサイズ。いずれもマチがほとんどないペタンコバッグです。

kosaku立ち上げにあたり、「古作こぎん刺しの図案を使う」コンセプトと同時に検討したのが、この形とサイズでした。

基本のショルダートート

kosakuをもやもやと模索し始めた頃、モノはフリーオーダー時代に人気の高かった「バッグ」に絞ろうとすぐに心が決まったのですが、ブランドイメージを作るためにはアイテムを絞った方がいいだろうと思いつつ、形やサイズをどうするか迷っていました。
そんな時、通っていた新百合ヶ丘産経学園こぎん刺し講座の山端家昌先生(グラフィックデザイナー/kogin.net主宰)から、「いったんお客様のことやマーケティングを脇に置いて考えるのも一案だよ。素直に自分が作りたいとか好きと思うものは何?」と問われました。
それなら、作りたいのも好きなのもぺたんこバッグ、が私の答えでした。

そう、私はぺたんこバッグが大好き。
他の作家さんが作るボストンバッグやがまぐちを、わあ〜〜〜なんてかわいい!と思うことは多々あるし、自分でもリュックやマチ付きバッグを使っています。ぺたんこバッグが収納力や機能性で劣る面があるのもわかっています。でも、なんだか圧倒的に好き。

考えてみれば、ぺたんこバッグなら、古作図案の美しさを平面でそのまま見せることができるし、古作こぎん刺しを絵のように持ち歩いてもらえる。古作図案と最強の組み合わせなんじゃない!?ともやが晴れていきました。

私が愛用している市販のぺたんこバッグたち。ぺたんこ愛が止まらない

ここまで決まると後は次々と見えてきました。
サイズは、ここでもまずは自分だったら何が欲しいかと考え、「A4サイズの書類が入るもの」と、「ちょっとお出かけの時、スマホと鍵とハンカチのような必要最小限が入るもの」に。これらはフリーオーダーのお客様からも、よく挙がる条件でした。
さらに、縦長の古作こぎんらしさをひきたてるなら、正方形より長方形。持ち手は存在感を抑えて、こぎん刺しを主役にする。
そして、同じサイズでタテヨコを入れ変えれば、クラッチバッグとポーチになる。特にポーチはフリーオーダーのお客様から一定の人気があるから、この二つも加えよう。
……こうして、4つのバッグが決まりました。

人様に何かを買ってもらうにはお客様のニーズや世の中の動きを意識しないわけないはいかないけれど、同時に、自分が本当にいいと思うもの、自分が好きと思うものを作らないと自信を持って作り続けられないし、こちらの気持ちも伝わらない……そんな基本中の基本を今さらながらに改めて考え、kosakuは誕生しました。

ポケットや内布については、またいつか。

基本のショルダートート。ほんのちょっとだけマチあります

Instagramでもkosakuを紹介しています
kosakuの商品概要やオーダーについてはHPをご覧ください


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?