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『夜空に浮かぶ星たちよ』
人が通るたびに開く自動ドアのせいで、冬の乾いた風が外から吹き込む。足首が不定期に冷やされるのが鬱陶しくて、片足だけでも助けるために足を組んだ。
“聞いた?“
“大園さん~大学受けるらしいよ“
冬季講習で賑わう塾のフリースペースで菓子パンをかじりながら隣の会話に耳を澄ませる。悪趣味だとか、気持ち悪いとか好きに言えば良い。僕だって普段ならこんなことしない。でも、貴女の話題だから仕方ない。
Aクラ
『制服を脱ぐ』(過去作)
さっきまで騒々しかった教室は、僕と汚れた黒板を残して来年度の準備を始めた。静かな教室の中で、自分の席だった場所に腰を下ろし、配られたアルバムをめくる。
1年から3年まで順番に並んでいる写真。
僕が写っているのはたった数枚だけ。
その全てが『一緒に撮ってもらおう』と無理矢理カメラを呼んだ時のものだった。
アルバム最後の真っさらなページ。
学生生活の充実度が現れるこのページには、数少ない友人の寄せ
『留守番電話』(過去作)
振動するスマホに表示されるのは
"非通知"
君じゃないんだ。
そんなため息を掬い取るようにスマホを手に取った。
誰だろう。
少し恐怖を感じながら、出るか葛藤する。
3コール程すると電話は途切れた。
間違い電話だろうか。
ホッと胸を撫で下ろすと画面が再び光った。
"1件の新着留守番電話があります"
さっき感じた恐怖がより現実的に変わる。
恐る恐る、留守電を聞いてみることにした。
ス
『おもちゃ箱』(過去作)
一方通行の風が止まれなくて窓を叩く。
私はこの安全で快適な場所に閉じこもる。
「風すごいね」
「外、出てみない?」
『やだ。』
一度、拒否の旨を伝えたはずなのに懲りずに何度も誘ってくる。
『ねぇ本当うるさい。』
強めの一蹴にしょんぼりとした君は大人しくコーヒーを啜った。
しばらく経って窓を叩く音に雨音も混ざり始めた。
「ねぇ、やっぱり外行ってみない?」
『無理。』
「頑固だな
『one more chance』
『〇〇!バレーしよ!!』
学校が終わり真っ先に帰る僕の後を追って、ランドセルを背負ったままの君が2階の僕の部屋めがけて叫ぶ声が聞こえる。
「なんで?」
『上手くなるため!』
君のバレーボールの腕が上達したって僕に何のメリットも無いのに、あの頃は言われるがまま練習に付き合った。
そんな僕らも近所の公立中学校に進学した。
楽しそうにボールを追う君につられて僕もバレー部に入部した。同級生達はど
『大人になれる日まで』
火をつけた。
たった2ミリのタールを含んだ煙草を強く吸い込み、吐き出す。
煙の向こうに花火が上がり、遅れた音が打ち上がった事実を知らせる。綺麗な緑色の花火が上がる。こんな幻想的な空も炎色反応で作られていると思うと、ちゃんと勉強しとけば良かったと後悔した。そうすれば、あの日、君と花火を見た時に少しでも話すネタがあったのかもしれない。
煙草が尽きるまでの約4分間。あの蒸し暑かった過去を振り返る時間に
『how you feel?』
『ねぇ、今日、花火大会らしいよ』
「あー、らしいね」
『らしいねって興味なさそう』
「まぁないに等しい」
服を着だした君の姿を私はまだベッドの中から眺める
時計の針が19時を回ろうとしているのに君の頭には寝癖がついていて、可愛いなって思ったけど私にもついてそう。
「コンビニ行くけど、一緒に行く?」
『行く、ちょっと待って』
床に脱ぎ捨てた服を手に取り、下着から順番に身にまとい、去年よ