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MIND

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日々、感じていること、思っていること、これからのことを徒然と。
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2020年1月の記事一覧

【夜明け前】

【夜明け前】

妹が精神科病院に入院した。
病名は、「双極性障害」。

双極性障害は、以前は躁鬱病と呼ばれていた精神疾患で、鬱状態と、その対極の躁状態を繰り返す病だ。
患者の自殺率は一般人口の25倍以上、鬱病の2倍と高い。完治することはなく、一生付き合っていかなければならない病気だ。

妹が高校生の時、母が蒸発し、両親は離婚した。

その後、父と一緒に暮らした妹は、高校を卒業し、専門学校に入学したが、程なくして鬱

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自己紹介 「神経質な子ども」だった私がなったもの

自己紹介 「神経質な子ども」だった私がなったもの

食べ物の好き嫌いが多い子どもだった。苦手なものは口の中が痛くなった。
匂いに敏感で、車の排気ガスやタバコでよく具合が悪くなった。
人混みが苦手て、帰宅後はどっと疲れた。

そんな私が好きだったもの。

それは早朝。
窓を開けて、吸い込む空気は1日で一番澄んでいる。
朝の匂いは、季節や天気によって違い、頭のてっぺんから足の先まで満たされる。

それは、雪がしんしんと降り積もったいつもの町。
しんと静

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「普通」という凶器。

「普通」という凶器。

ここはとある保育園。
3歳クラス。子どもは10人いる。

雨が降っている日。
今日はみんなで何をしようか?

9人がブロックで遊びたいと言った。
1人が公園に行きたいと言った。

9人は多数決で、ブロックに決まりだと思った。何しろ外は雨だ。
でも、1人は、どうしても公園に行きたいと言った。

あなたはこのクラスの保育士です。
こんな時、どうしますか?

「風邪ひいちゃうよ。」
「危ないよ。

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東京路上ポートレート

東京路上ポートレート

ある、蒸し暑い真夏の日。
大都会、東京。

ジリジリと暑いアスファルト。
はしゃぐ笑い声。
足早に歩いていく人。

そんな中、高架下や日陰には、
ところどころに道の傍らに寝転がる人たちがいる。

彼らと、行き交う人々は、
お互い目を合わせることもなく、
ただの風景のように通り過ぎる。

見ないように、
考えないように、
しているように見える。

その日、私は、
彼らを景色に見ることはできなか

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