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最悪の結果とは?|M&Aアドバイザーのつぶやき

こんにちは。かきもとみさです。私は世の中に少ない女性M&Aアドバイザーとして仕事をしています。

本日も「M&Aアドバイザーのつぶやき」の雑談回です。

アドバイザーにとっての「最悪の結果」とは?

M&A破談・・・

M&Aは成立することが奇跡みたいなものですから、破談することは日常茶飯事です。

「会社を売る」「会社を買う」というのは大変なことですから、なかなかお相手が決まらないのは仕方ないこと。

ですが、M&Aアドバイザーがプロジェクトマネージャ的な立ち位置で案件を進める中で、「最悪の事態」というのは、どういう場面だと思いますか?

基本合意を締結して独占交渉期間に入ったあと、DDを経て、買手が「お見送り」と買収を断念したとき!と、思う人もいるかもしれません。

ですが、私はこれは「最悪の結果」では無いと考えています。

買手は中間報酬なりお金を払って、覚悟を決めて買収監査に入るわけです。この時点では、前向きに真剣に検討する姿勢ですよね。

その上で、買収監査を通じて「買収断念」と判断したとしたら、これはもうその買手企業にとっては賢明な判断だったとしか言いようがありません。

「残念だけど、今回はお見送りだ」と、DD期間を経てから買手社長に言われたとしたら、私は素直に「わかりました。御社にとっては最良な決断だったと思います。」と答えるし、そう答えるのが筋だと思っています。

私のようなアドバイザーは、買手社長よりも買手企業にとって良い経営判断なんてできませんから

間違っても「ここまできて、見送りなんてありえない!断念しないで進めてください!」なんてこと言ったら、めちゃくちゃアドバイザーとしてはカッコ悪いです。カッコ悪いというか、「おまえは成約すればなんでもいいのか。成功報酬狙いの低レベルなアドバイザーだな。」と自己中心的な奴だと思われるでしょう。

最悪なのは・・・

では「最悪の結果」とは?
これは私の個人的な意見ですが、最悪なのはこのケースです。

基本合意などをへて独占交渉に入り、DDなどを経て買手企業が買収に対して「GO」が出ているのに、売主から「お見送り」されること。

本当に、これは目も当てられない最悪のケースです。

買手は覚悟を決めて、お金を払って独占交渉の権利を得て本格検討をし、「よし、買収決定!」という寸前まで来ていたのに、売主にフラれる・・・・・・

OMG

実は私も、このケースは経験したことはあります。
その時は、買手企業にどれだけ申し訳なかったか・・・・・・

これはアドバイザーとしては、最も避けるべき状況です。

最悪のケースを避けるべく、アドバイザーができること

このケースは買手にとってめちゃくちゃ痛手なので、買手を守るためにもアドバイザーは支えなければいけません。

できることは下記3つくらいかなと思います。

①そもそも売却意思が固いことを確認すること
②本当にこの買手企業で良いか売主の気持ちを握っておくこと
③独占交渉期間中の不和を和らげること

ひとつずつ、少しずつ解説してみます。

①そもそも売却意思が固いことを確認すること

これは案件化する際に固めなければいけないことですが、そもそも売主の「売る意思」を固めることは何よりも重要です。

買手候補が現れて、交渉期間に入って、具体的な買収要件がでてきてから、「やっぱり売りたくない・・・」となるのは、買手に迷惑なだけではなく、そもそも時間の無駄です。

ちなみに私がやられてしまったのは、このケースでした・・・(反省)。

②本当にこの買手企業で良いか売主の気持ちを握っておくこと

売却意向が固まっていたとしても、基本合意締結がなされてから1対1の交渉が順調に進んでいったのにも関わらず「やっぱりこいつには売りたくない」という気持ちになってしまうことがあります。

買手は基本合意時点で、基本合意報酬を払っているケースが多く、覚悟が決まっていることが多いのですが、売主はそういったプロセスを後戻りする牽制効果が無いケースが多いので、これは起こりがちです。

DD期間中は、膨大な開示資料要請に対応しなくてはいけなかったり、ネガティブな指摘や質問が発生したりするので精神的にも肉体的にも体力が尽き、心が折れがちになります。

この期間に入る前に、売主とよく話をして「自分がこの買手候補を選んだのだから最後まで気持ちを切らさずに対応しよう」という気持ちにさせることが大切です。

③独占交渉期間中の不和を和らげること

②とも重複するのですが、売主の気持ちが切れないように、独占交渉期間中はアドバイザーがきめ細やかなフォローすることは非常に大切だと考えています。

ネガティブな質問や指摘が発生した際には、その場の空気をやわらげることが必要だし、「そこまでいま聞かなくてよいだろう」と思うような買手からの質問は「いまはそこまではやめておきましょう」と抑えることも必要です。

また、独占交渉期間中に、売主とだけ/買主とだけ の時間もあると思うのですが、そういうときに、第三者目線でフォローをすることも必要です。

「買手社長、〇〇社長(売主)のお話が『勉強になるな~』とよく仰ってますよ」「買手社長、『こんなに良いチャンス無い』と熱意もって臨んでますよ!」など、ちょっとした声かけでも良いし、完全な雑談を楽しんでも良いので、売主の気持ちが前向きになるようなフォローを心がけましょう。

ただでさえ、放っておくとネガティブで緊張感のある空気になりがちなので、そこは敢えてアドバイザーが「笑顔」と「ポジティブな空気」を作ることで、楽しくプロジェクトを進められるような関与の仕方ができると良いのではないかと思います。

本日はここまでです。

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ではまた♪Adiós❤

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