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『蜜柑』

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ある女子大生の初恋の話 不定期更新 / 一次創作百合小説
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#小説

チャイティーって混ぜるの?【『蜜柑』4. 初デート②】

チャイティーって混ぜるの?【『蜜柑』4. 初デート②】

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 百貨店を出ると、空はもう真っ暗になっていた。客引きは無視だよ、と繰り返しいうカナちゃんに手を引っ張られつつ、私は疲れもあったからか、夢見心地に幸せを味わっていた。カナちゃんの案内でオシャレなレストランに入ると、カナちゃんはステーキプレートとチャイティー、私はとりあえず落ち着くからという理由で南瓜の冷製スープを頼まされた。店員さんがメニューを回収してからしばらくの間、カナちゃんは何も言わな

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彼氏募集中【『蜜柑』4. 初デート】

彼氏募集中【『蜜柑』4. 初デート】

 (四)初デート

 平日の昼間なのに、新宿は人で溢れていた。私がその混雑に驚いていると、カナちゃんがいつもこんなだよと額の汗を拭った。前髪は額に引っ付かず、サラリと定位置に戻る。

「デートなんて久しぶりだなぁ」

「私もだよ」

 電車で移動中、カナちゃんは沢山の人の視線を集めていた。女子高生の憧れの視線から、OLの妬みの視線、サラリーマンの下品な視線まで総なめだった。そんな彼女に今、彼氏はい

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遊ぼっか【『蜜柑』3. カナです。②】

遊ぼっか【『蜜柑』3. カナです。②】

 カナちゃんは浪人生で、私の一個歳上だった。やけに身長が高いと思ったら、中学高校とバレーボールをやっていたらしい。しかもミドルブロッカーで、チームで一番スタイルが良かったんだよ! と、彼女自ら教えてくれた。

 私が先生と電話をしていた時、カナちゃんはホームのベンチに座って、みかんを食べていたらしい。これは受験生の頃から続けている毎朝のルーティンらしく、そこはさすがスポーツマンだなと感じた。そして

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こんな子がいたら絶対見逃すはずがないのに【『蜜柑』3. カナです。】

こんな子がいたら絶対見逃すはずがないのに【『蜜柑』3. カナです。】

(三)カナです。

 目を覚ますと、そこは駅員室のようだった。ゆっくり身体を起こすと、じわじわとした痛みが膝と肘、側頭部に蘇ってきた。

「おはよう」

高く澄んだ声が、正面から聞こえた。その短い挨拶を、私はいまいち聞き取れなくて、思わず、え、と聞き返してしまった。

「おはよう。熱中症と脱水症状だって」

今日暑いもんねぇ、と、細い手でパタパタ私を扇ぎながら、その女の子は笑っていた。簡素なショー

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