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[地域おこし協力隊 × 図書室]小さな町の繋がりづくりに "図書室" は活用しやすい!

ー小さな町の小さな図書室は、まちづくり・繋がりづくりに最適な交わりの場!さらには図書室整備で移住者増も?!ー

「地域おこし協力隊で図書室???」と町のみんなも思ったと思います。なんせ私もその1人です。

協力隊って観光とか農業とかやる人だと思っていました。

のちに、小さな図書室がどういうものかわかってくると「図書室に協力隊を置こうと思った担当者はなんてやり手なんだ!!!」と感服することとなります。

(こども達が秋の飾りを作ったり拾ったりして来てくれて、図書室はすっかり秋🍁。)

そもそも、地域おこし協力隊って?

ではそもそも"地域おこし協力隊"とは何か。

簡単に言えば、都会に集中する人口を田舎に移し、
地域を盛り上げるための国の政策です。

よくある活動内容としては、町のPRや観光コンテンツをつくっていく観光系、空き家活用や移住促進などの地域創生、新規就農する農業、など様々なジャンルで活躍しています。

私がいる町の協力隊も、新規就農を目指して
夫妻や家族で移住してくる方々がほとんど。

そんな中、私が選んだのが
図書室を管轄している教育委員会に所属し、 
"図書室×町づくり" がミッションという
少し変わった協力隊です。

小さな町の小さな図書室は、大きな街の大きな図書館とはわけが違う

あなたは図書室や図書館を利用しますか?

利用すると答えたあなた、
図書館のカウンターの人たちの中で、
顔を覚えている人はいますか??

私は都会に住んでいたし、図書館を利用していました。
毎月、くらいには利用していたと思います。
でも、図書館でカウンターの人と会話をしたことはなく、
顔を覚えた人も1人もいません。

単純にスタッフの数と私の利用頻度で
同じ人に会わない、ということもありますが
図書室の当たり前の違いが大きいと感じました。

いま私がいる図書室では
人によって違いますが、通常よく話します
1対1で頻繁に会うし、距離が近くなるので、、
貸出処理をしている間無言でいる方が気まずかったりします。

働いてるのがほとんど私一人で、利用人口的にも
利用者の殆どの顔と名前は覚えます。
逆も然りで、小さい町なので町中に図書室の人として知られ、
「あぁーなんとか協力隊の図書室の人だ」と覚えてもらえます。

利用者の方が本を借りなくとも
お喋りしに寄ってくれることもあります。
なんなら野菜だお菓子だお花だと
沢山差し入れをもらってしまったり。
更にはこれあなたに読んで欲しい!!と、
購入された本を貸してくれることも。
図書室に勤務して、本を貸す側なのに
借りることがあるとは。
こんなに常に本にまみれていて、 
積読が減らないというのに大変です!(苦笑)

庭のお花を持ってきてくれる住民が何人かいらっしゃるので飾るお花には困らない。


小さな町の図書室:狭すぎて、コミュニケーションが勝手に生まれる

さらに、町の人同士が出会ったり
情報交換が始まったりします。
図書室が狭過ぎるので、必然的に会話が生まれています。

先日、この町に来たばかりの方に公園の場所を聞かれ、
私も新入りのため答えられず、、、
そんなとき良いタイミングで現れる子育て世代の住民!
すかさず聞いてみると、もちろん知っていて
教えてくれて、そのまま新入り住民と
子育てトークで盛り上がっていました。

たまたま同じ時間に居合わせた人たちが、
共通の話題で盛り上がり始めることは少なくないです。
町の人も慣れているのか、都会の人と比べて
初対面の人とよく話すように感じます。
もちろん急に話しかけることはなく、
間に私を挟んできっかけが生まれるたりしますが
紹介され終わるともう私抜きで話しかけあっています。

お喋りだけでなく、近くのお店の人がチラシを置いていき
それを見てくれる利用者さんがいたり、
飾り付けやお花を持ってきてくれる人がいて
それに感想をくれる人がいたり、
というような間接的な繋がりも生まれています。

勝手にどんどん広がっていく交流は、
見ていてとても暖かくて心地が良いです。



小さな町の図書室:新住民と出会えるワケ、この町には本屋がない

新しくこの町に越してくる若い人は、本を求め、
本屋がないことに気付き、
スーパーやコンビニの本もむなしく、
結果とうとう図書室にたどり着くパターンのようです。

そして、まさかスタッフの私も
同じくこの町に来たばかりとは知らずに、
こう訊ねてくれます。
「この辺にスタバみたいに勉強とか作業できる場所
ありませんよね、、?」
無いよ!!無い無い!!スーパーすら無いのに!!!
ここから仲良くなったりします。
(ちなみにこのニーズは多く、結果、
図書室にそんなスペースを設けることにして
2022年の7月第2図書室オープン)

ちょっとそれてしまいましたが、
「図書室の人」が、引っ越して来て最初に出会う
町の人にもなりうるという話。
たぶん、役場で住民票を出す町民課の人の次かな、、

そして本屋がないということは、
小さな図書室の価値をアップさせています。
本屋がある町に比べたら
図書室のニーズも高くなると考えられます。
図書室はとても小さくても、しっかり管理されていれば
(新しい本が常に入り、整備されている)
町の人を集めるポテンシャルは高いと思います。

小さな町の図書室:町づくりにうってつけ、だが、、

こんな図書室は町づくりにうってつけ、
地域おこし協力隊にはありがたい場所
だなぁと思います。

わざわざ自分から外に出なくても
受動的に町の人に出会うことができ、
しかも何度も会って知り合いになることができる。
町の人同士を繋ぐことができ、
人や情報の新たな出会いを生み出すことができる。
それも、老若男女。(現在は若者への訴求が課題だが。)

ただ一つ難点を挙げるとすれば
本を読まない人は来ない
ということです。(当たり前、、、。)

なので、今は本好きじゃない人向けの施策に
力を入れています。

図書室を町づくりの場とするならば、
本好きな人だけではなく
本を読まない人にも集ってもらわなければならない。

いろんな人と交わる場所でないと
まちづくりの場にはならない。
ココが一番最初にクリアすべき部分だと思っています。

古本市を開催しました。コーヒースタンド大人気。

今現在、本を読まない方へのアピールとしては、
●なるべく老若男女に会える場所に外に顔を出す
(知り合いになれば、きむらさん居るなら
行ってみようと思ってくれるかもしれないので)
●コーヒーを提供するイベント開催
●町の広報誌に町の人とのコラボ記事掲載
(本を読まない人を含むところがミソ)
などを実施中。

関わりを幅広く持てるように心がけて、
町民全員の目に図書室という文字が
頭のどこかに留まってくれるように
動きたいと思っています。

図書室に来る人がすぐに数字として増えなくても
図書室の存在感のアピール
が大切で
後々効いてくると考えています。

[オマケ]図書室という行政サービスの良さは移住者増になりうる

ちなみに、図書室のクオリティアップは
移住者増にもつながる可能性があるみたいです。

いろんな町を経て、移住してきた人たちが
口を揃えて言うのが
図書室/図書館が良い町は良い町だ

私の図書室には隣町から来る方も多い。
自分の家の近所のの図書室は管理の人がいないために、
本は新しいものは入らず全然良くなくて
使う気になれない、ここの図書室は素晴らしい!と。

行政に勤めてる人や移住促進に携わっている方で、
「図書室なんて誰が行くんだ?」と思っている方。
もし、今ドキッとされた方がいたとしたら
図書室は要チェックポイントです。

本に興味がない方、
大人になってから図書室や本屋を全然利用してない方、
普段から書籍と距離が遠い方は、そう思うのも当然です。

しかし本との距離が近い人々にとっては、
日々使う施設で、引っ越し先を決めるときに
子育て世代が必ずチェックする公園や学校のような
プライオリティ高めの行政サービスだと思います。

図書館にメスを入れて
成功している自治体も数多くあります。
もし、小さな町で移住者を増やそうとしていて、
図書室が放置されているような自治体があるとしたら
図書室のリニューアルや
図書室をまちづくりの場所とすること
一つの案としてあっても良いかもしれません。

私のように、期間限定の地域おこし協力隊を入れて 任せてみるのも、とても得策だと思います。
町はお金をかけずに外の若者に委託できるわけなので
(もちろん手間と労力はかなりかかるし、
問題も起こったりするかもしれないし
人を雇うということは簡単ではないと思うので
タダではないですが
やってみる価値はあると思います。)

それでは、最後に
今日の一冊は、本ではなくウェブマガジンを。↓

図書館とまちづくりの本、、、と思ったのですが
この手の本は驚くほど沢山あるので、
今日は北海道の図書の街をご紹介します。
私の小さな町とは規模が違いすぎますが
どの取り組みも素敵で参考になるので、ぜひ。

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