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“地域おこし協力隊“という名前が嫌いだった。


ー協力隊を最大限に活かすには?ー
地方移住に興味があるけど協力隊ってなぁ…と思っている方、協力隊を受け入れたいけど色々と心配事がある自治体の方、に届くと嬉しいなと思って書きました。🖊


こんにちは。
地域おこし協力隊として
小さな町の教育委員会、社会教育係に所属し、
主に図書室の運営をしています、きむらです。 

(私がココに辿り着くまでについては、
こちらご参照ください💁‍♀️↓)

(図書室でどんな活動をしているのかはこちらをぜひ↓)

今回は「地域おこし協力隊」について
● 地域おこし協力隊って名前が嫌だった話
● 地域おこし協力隊のメリット
●   地域おこし協力隊を最大限に活かすために
  受け入れ側、町や町民ができること

といった内容で、私が実際に活動してみて
見えてきたことをシェアしたいと思います。

長くなってしまったので、
時間ない方はぜひ最後のまとめ部分
「協力隊のメリットを最大限引き出すには?」
だけご覧ください🙏

一部、既出の記事(note、インスタ、広報など)と
内容が被っているところもありますが、ご了承ください!

“地域おこし協力隊“って名前がおこがましくない?

元々、「地域おこし協力隊」というものを
あまりよく知りませんでした。
名前は聞いたことあるけど、
観光PRやまちづくり活動をして
若者が過疎地を盛り上げる!みたいなもの?
くらいな認識でした。
(いや、あながち間違いでもないと思いますが…。)

で、過疎地を盛り上げることも
観光PRもあまり興味がなかったので
全くアンテナを張っていなかったという感じです。

なので地域おこし協力隊になるなんて
本当に一ミリも想像していませんでしたが…
ご縁あって就任しました。

いざ協力隊になってみてもなお、
「外から来たのに、急にその町をおこそうなんて、
 烏滸がましい感じがするな〜。」

なんて思っていました。

高校・大学と国際協力をかじってきた私にとって、
“外からの手助け“ というものは
ちょっと複雑なものであり、
あまり良いイメージを持っていません。

外から差し伸べられる手、その介助が
内で本当に必要とされているものなのか。
内の世界にとって本当に良いことか、
価値観の押し付けじゃないかどうか。 

つまり簡単に言うと
「お節介じゃないの?」
ここがポイントだと思っています。

というわけで、この思考を
地域おこし協力隊に重ねると
内にいる人間=町民  の気持ちを想像した時に、

外からフラっとやってきた人間が
町おこしするぞ!って燃えていても
とんだ迷惑じゃないかなぁ…
と想像してしまっていたわけです。

町おこしったって、別に不便もしてないし
この町に嫌なとこもないよ、
って思ってるんじゃないだろうかと。

そういうわけで、
「地域おこし協力隊」に就任してからも
自分の肩書きに触れるたびに
微妙〜な気持ちになっていました。


「地域おこし協力隊なんだって、町を良くしてくれる人だよ!」


そんな、協力隊のことを
全く理解していなかった着任当初のこと。

挨拶回りをしていた時に奥様とお話ししていたら、
後から来た旦那さんに対して、
私のことをこう紹介してくれたのです。

「お父さん、この子、地域おこし協力隊で来たんだって!
 町を良くしてくれる人だよ。」


……ハッとさせられました。
この一言で、意識が変わったと思います。
そんなふうに思ってくれている地域住民がいるんだな〜。
驚きと喜びと。

この言葉を聞いて浮かんだのは
先代の地域おこし協力隊の皆さんのことでした。
私の町には、協力隊OB・OGが
沢山存在しているということは知っていました。
きっと、今までの協力隊の活動が良かったんだなぁと、
あったかい気持ちになりました。

地域おこし協力隊が町の人とうまくやれていなかったり、
良く思われていなかったり、なんなら知られていない、 なんて話も良く聞きます。(悲しい。)

私もせっかくご縁あってこの町に来て、
協力隊として活動するからには
そこに必ずプラスで名を加えられるように頑張りたい、
素直にそう思いました。

その後、活動を開始してみると
周りのサポートのおかげでスムーズに活動できたり
活動していく中で協力隊としてのメリットも見えてきて、
「地域おこし協力隊」という名前に
複雑な思いを抱くことは無くなりました。

〜ここで協力隊のメリット一例〜
・ 「地域おこし協力隊が〜〜」と言えば
  メディアで取り上げてもらいやすい。
・ OB・OGや他地域の現協力隊との繋がりがある。
 色んな分野の仲間がいるって何でもできて心強いです。
 ・"協力隊として“という名目で、
  本業以外にも別業務が来るので
  他部署と関わりができることがある。
・ 半公務員(自治体に所属し公務員の仕事を経験するが、
     契約社員のようなもので、副業も可。)
などなど。

(※ もちろん、世の中、
  良いことがあれば悪いことがあります。
  国の税金を使った事業であることもあり
  厳しい目をもった人々もいますし、
  以前の私と同じように、地域おこし協力隊がなんだ!
  と思っている方もいるでしょう。)

協力隊の繋がりで、町をまたいで開催できたイベントの様子。

この人たちのために何かしたい。


着任し、図書室の常連さん達と
初めましての日々が始まってみると、
町の皆さんにはただの図書室かもしれませんが
都会からやってきた私には
毎日おどろきと面白さの連続でした。 

小さな町の小さな図書室は、
都会の大きな図書館とはわけが違います。

常連の方々にとっては、
図書室がスタッフや利用者と顔を合わせ、
お喋りする場にもなっています。
図書室に行く=本を借りる、だけでなく
図書室に行く=図書室の人に会いに行く

でもあるようです。

常連さん達は、新人に驚きながらも
私を気にかけて優しい言葉をかけ、応援してくれて、
さらにお裾分けや差し入れをいただくことも多々でした。

この日は小説をオススメされ、差し入れにはアボカド(?)。
最近は差し入れがバラエティに富んでいて面白いので、
差し入れアルバムを作り始めました。笑

さらに図書室だけではありませんでした。
町のどこで出会うどんな人だってみんな、
来てすぐの見ず知らずの私をウェルカムし、
暖かい気持ちをたくさんくれました。


そりゃーもう、
この人たちに喜んでもらいたい、
この町の為にできることをしていきたい。
そう思うに決まっています。

この町の人たち、わかっているんじゃなかろうか!
うまいなぁ!そう思いました。笑

図書室の外でも声をかけてくれたり、お裾分けをもらったり、
BBQに呼んでくれたり……移住前は狭いコミュニティの
田舎暮らしを恐れていましたが、暖かい。ホッ。

先ほども少し触れましたが
全国の地域おこし協力隊の研修やSNSを通じて
他地域の協力隊の様子を見ていると、
うまくいっていないところも沢山あるようです。

様々な事例を知り、比較できたことで
私はとても恵まれていて、ありがたい環境に
来たんだということに改めて気付かされました。

受け入れ先の自治体担当者によって、
大きな差が生まれることは明らかです。

私は長年OB・OGと町が積んできた経験値と、
受け入れ担当者の手厚い事前準備・環境整備・サポートに
本当に感謝して、日々活動に励んでいます。

そこにプラスして、
地域住民の暖かい"ウェルカム"を感じられたことで
町にとって良い循環が生まれることに気がつきました。

気持ちよくスタートが切れると、
私もこの町のため・良くしてくれるみなさんのために、
何かしたいという気持ちが強くなる。

着任して半年に満たない頃に
町の人に向けたイベントを開くことができたのは、
この気持ちが大きかったです。
(詳しくは「半年レポート」古本市をご覧ください。☺️)

町の人に楽しんでもらうため最優先している活動は図書室再整備。
子ども達により図書室に親しんでもらえるように日々試行錯誤。


ここに来てからあと2ヶ月で1年!
今も変わらず、ずっと暖かい気持ちを貰い続けています。
新しく来た人を快く受け入れ、歓迎できる風土は、
移住者を受け入れるポテンシャルが高いと思います。

協力隊のメリットを最大限に引き出すには

さぁ、長くなりましたがここまで読んでいただけたら
(ありがとうございます。)
どういう状態が協力隊と町にとってwin-winか
既に見えたと思いますが、改めてまとめてみます。

【協力隊】になる側が大切にすべきことは
 「外からのお節介ではなく、内の視点で
  本当に必要とされていることを考え続けること。」
  町の皆さんのこと・町のことを 
  皆さんと同じイチ町民視点から考えながら
 「自分が暮らす町」
 「お世話になっている皆さんが暮らす町」を
  ちょっとでもより良くしたいな!と思って
  活動ができたら、"町おこし"せねばと
  躍起にならなくても、良い活動ができるはず。
  (とはいえ過疎地で若い人を呼ぶための施策だと
  町をおこす!と躍起になる必要がありそうですが…!)


【受け入れ側】ができる、
 協力隊のパワーを最大限に引き出す方法は

自治体
 ●「協力隊が目指すべきゴールを、
   地域住民が本当にやってほしい事に設定する。」
   ▶︎他地域の失敗例を第三者として見ていると、
    多くの問題点はここにある気がしています。
    地域住民が必要としていることと
    行政が希望するゴールが違う方向にあって、
    協力隊が道に迷っているイメージ。
 ●「想定できる具体的な業務内容や
   希望イメージを、募集段階で提示すること。」
 ●「面接の段階でお互いのイメージに相違が無いよう
   しっかりと質問しあうこと。」
   ▶︎都会から来る協力隊は、田舎具合や生活が
    イメージと違ったと離れていく人も多いようす。

地域住民
     ●「懐深くウェルカムすること。」
   ▶
慣れ親しんだコミュニティに
    知らない人が入ってくることは
    心地よくはないと思いますが、
    協力隊って名前なんだから
    困った時には何かしら助けてくれるはずだし
    外からの視点で改善することもるし、、、、
    と、理由はなんでも良いので
    とにかく何か良いことがあると信じて!
    ウェルカムしてあげてほしいです。

  ●「困っていることを赤裸々に話せる関係に
   (早めに)なること。」
    
▶︎外から来た人になんて気持ちがわかるまい!
     とも思うこともあるかもしれませんが、
     逆に全然違う視点を持った外の人だから
     解決できることもあるかもしれません。
     任期は最大3年なので、
     話してみるなら早ければ早いほうが良いです。
     お金が必要な活動なら特に、
     予算は1年前から組みます。活動の計画に
     費やせる時間は意外と少ないと思います。

以上、小さな町の小さな図書室から、
「協力隊を最大限活かすには?」でした。

これがまた来年、再来年に
どう思うのか全く想像がつきませんが……
1年目でだいぶ答えが出た気がしたので、
見解を記してみました。

1年目の頃に言ってたことは全部ウソっぱちだった!
あの時の私はなんもわかっちゃいなかった!
なんてことになる可能性もゼロではないので、
ご了承ください。
今後もちらちらとレポートしていきますので、
ぜひ引き続きよろしくお願いします。

今日の一冊は
地方移住、田舎に移住する側に。
特に都会でしか生活したことがない人には
一度読んでみてほしい小説です。
映画 WOOD JOB! の原作です。



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