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読書感想文

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読んだ本の感想とか
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§読書録:「まず、ちゃんと聴く」櫻井将

§読書録:「まず、ちゃんと聴く」櫻井将

会社を辞めてから、ビジネス書を読むというよくわからないことをしています。実践しなくても良い!と思うと、するする読めるものです。

今回ご紹介するのは櫻井将さんの「まず、ちゃんと聴く」。ビジネスだけでなく、家族や恋人、友人関係でも勉強になる一冊でした。

全体的に平易で読みやすく、即実践できるポイントがたくさん。
”人の話を聴くときは、まず自分のコンディションを整えることが大切”と全編を通してメッセ

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§読書録:「放っておく力」枡野俊明

§読書録:「放っておく力」枡野俊明

会社を退職し、『マンスリー・人生で大切なことを学ぶ』と決め、色々な本を読んでいます。時間はいくらでもあるので、たくさんの本をゆっくりと。

中でも感銘を受けたのがこの一冊。枡野俊明さん「放っておく力」。
正しくは ”仕事も人間関係もうまくいく「放っておく力」、もっと「ドライ」でいい、99の理由”。 表紙には「いちいち気にしない。反応しない。関わらない。」とあります。執着を捨て去って生きる、素敵じゃ

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§読書録:「素敵な体調の崩し方」月葉月

§読書録:「素敵な体調の崩し方」月葉月

うんと若いころ、一世一代の恋をした。
幸せなお付き合いをしていたはずなのに、「きみが重たいのが嫌だった」と捨てられた。「嫌なところは治すから!」とすがると、「そういうところが重いんだ」と言われた。取りつくしまがないとはこのこと。
会社でもパワハラに遭って、人格否定される日々。
わたしのすべてだった彼にはもう会えない。
生きている意味がわからなくなり、心療内科のお世話になったわたしは実家へ連れ戻され

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§読書録:「変身」フランツ・カフカ

§読書録:「変身」フランツ・カフカ

『変身』をはじめて読んだのは中学生のころ。

「い、意味わからんし 気持ち悪い」が第一印象。不条理系?という印象。

社会人になり手に取ると、家族のために頑張ってきた社畜が役立たずになった瞬間捨てられる。なんともトラジディな物語。

「なりたくて役立たずになったわけでもないのに、リンゴ投げつけられて致命傷になって死ぬのはどうもねぇ…」とザムザ側に立った感想を持っていたのですが。

先日、その印象が

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§読書録:「ジョニー、あなたと知らずに」エドナ・オブライエン

§読書録:「ジョニー、あなたと知らずに」エドナ・オブライエン

山田詠美さんの「無銭優雅」を読んでこの本を探しました。
言葉の運びがたいへんに美しく、魅了されたものです。

息子の親友であるハートと恋に落ちる女・ノーラ。色々あって、わけもわからぬうちにハートを殺してしまいます(殺意はたぶんなかった)。
ネタバレも良いところですが、実際そういう小説です。
あとはひたすら、ハートの美しさに溺れてしまったのノーラの心の描写が続きます。

ピルエットだシルエットだかわ

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§読書録:「溺レる」川上弘美

§読書録:「溺レる」川上弘美

川上弘美さんの、物事を遠くに見ている感じが好きだ。
表題「溺レる」より、わたしの好きな「百年」。

不倫→心中の果てに生き残った男・サカキさん、死んでしまった女。
百年が過ぎたが、何も変わらない女の記憶で物語は進む。

サカキさんは死を、家族やもろもろを捨ててしまうことを、おそれていたのでしょう。対する女は、
「死なないで生きていくことにも、さほど執着はなかった。」「サカキさんが戻ってしまっても、

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§読書録:「おめでとう」川上弘美

§読書録:「おめでとう」川上弘美

好きな作家は誰?と聞かれば、まず浮かぶのが川上弘美さん。
本日は「おめでとう」より、心動かされた「冬一日」。

共に家庭を持つ身の男女が、ままならない恋の道行きをたどっていく姿を女性の目線で描いている。

カワカミさんの描く男女には気負いが無い。どこか浮世ばなれしている。
だからするする読めるのだろう。

寒冷紗と書くみたい。美しい名前です。

互いの抱えているしがらみがなくなったとき、そばにいた

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§読書録:「美徳のよろめき」三島由紀夫

§読書録:「美徳のよろめき」三島由紀夫

中学から高校にかけて、海外国内問わず名作文庫を読み漁った。
たまたま本が豊富にある家に生まれ育ったので本には困らなかった。

「文体は美しいけど、言ってることよくわかんねぇ」と思っていたのが三島。そんなわたしが唯一、大人になってから手に取った本がこの「美徳のよろめき」。

世間知らずのご令嬢・節子は姦通にご執心。そのうえ、丁度良い相手(土屋なる、とにかく顔が良い男)がいるのです。顔大事だよね~。

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§読書録:「ハンチバック」市川沙央

§読書録:「ハンチバック」市川沙央

「怒りだけで書きました。『ハンチバック』で復讐をするつもりでした。私に、怒りを孕ませてくれて、どうもありがとう。」
市川沙央さんが授賞式でスピーチした内容です。

先天性の障害により、湾曲した背中を持ち、グループホームで暮らす40代女性:釈華。自らをせむし=ハンチバック の怪物と呼ぶ彼女はTwitterの個人アカウントで気ままにつぶやく。

ある日、グループホームの30代男性ヘルパー・田中にTwi

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§読書録:「シングルマザーが観たシングルマザーが出てくる映画20本」内藤みか

§読書録:「シングルマザーが観たシングルマザーが出てくる映画20本」内藤みか

Kindleで読んだこちらの本。
著者が観てきたシングルマザーが出てくる映画を紹介されているのですが、「理不尽さを感じた時に」「私は悪くない!と思う夜に」「世間に負けたくない時に」などなど心躍る見出し。わたし、シングルマザーじゃないけど読みたい!

~読了~
まず、「この映画面白そう~。観たい!」となった数々の映画。そして文章は「わかる。わかり過ぎる…」と共感するものばかり。

ひどい話!!わたし

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