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2 カサでの珍事件



長旅を終えて、無事にカサに到着。
家の人たちが暖かく迎え入れてくれて、私たちも安心しました。

しかーし! この宿ではある珍事件が起こりました。



積極的なカサの息子


カサを営むのは、夫婦とその息子(おそらく40代)。
夫婦は穏やか〜な感じ。そして、息子はすごく積極的で明るい。

積極的に会話をしてくる息子。どうやら日本人の彼女がいるらしい。
へ~そりゃあ日本人に親しみがあるし、話したいわけだ! と思っていたのですが、なんだか様子がおかしい…。

私たちが部屋で荷物を出したり、翌日の準備などをしていると、息子がドアをノックし声をかけてきました。

ドアを開けると普通に部屋に入ってきて、話しながら中の様子を見ています。

その後用が済み、彼は戻って行きました。

友人も私も「なんだったんだろう・・・?」と彼の行動に少し疑問を感じました。


しばらくして私がトイレに入っていると、また息子がやってきました。

「みさ~?」と、私を声が聞こえる。

一体私に何の用だろうか…。

私がトイレから出ると友人が私に「はい、これ。みさちゃんに渡してだって」といって一冊の文庫本をくれました。
それはヘミングウェイの本。
例の日本人の彼女からもらったのかな?
彼は日本語が読めないので私にくれたらしい。

なぜ、私に?

ん~…、と、なんだかいや〜な感じを覚えながらも、とりあえず貰っておくことにしました。


今思えば、いわゆるセクハラ


翌日のこと。

私たちは、楽しみにしていた旅行初日に詐欺にあってしまいました。
十分注意していたつもりだったのですが、旅先だったからか注意力が散漫になってしまったよう。

楽しいこともありました。でも、詐欺にあって嫌な思いもした。

そんなビミョ〜な気持ちで家に着くと、例の息子が

「今日はどうだった?楽しめた?」

と聞いてきました。

ふたりとも言葉を濁すように

「いや~それが…」

と言うと、


ものすごく甘ったるい、子どもに話しかけるような口ぶりで

“Qué te pachoooo?”(どうしたの?)

と聞いてきたのです!

スペイン語がわかる方は、私の伝えたいイメージが伝わっているかと思いますが、
本来、スペイン語で「どうしたの?」「何があったの?」と尋ねるときは、”¿ Qué pasó ?”と聞きます。

彼は、PASÓではなくPACHOと言って

日本語で言うと「どうちたんでちゅか〜?」と聞いてきた感じ。

まさに、赤ちゃんことば。
その態度に、こちら側はドン引き。

こいつはやばい。
そう思った瞬間でした。


そこには3泊ほどしましたが、毎日彼に「今日は何をしたの?」と聞かれました。

いや、それ自体は問題ないんです。
カサの人と会話が出来るのは、こちらも嬉しいし楽しい時間です。

でも、彼の場合はちょっと例外。

私たちが帰宅すると、

わっ!と現れ、質問責め。

「何したの?」「どこに行ったの?」「君たちと話したいんだ!」


話すだけではなく、話すときは常に触ってくる。

挙げ句の果てに、

「君たちが大好きだ!」と連呼し始める。


おお(笑) どうしたどうした?(笑)


こういった人に出会ったのは、1年滞在して彼が最初で最後です(笑)

両親はすごく優しくていい人だったのですが、なんとも息子が…

あれじゃあお客が減るぞ!


楽しみにしていたサンティアゴ旅行。

初っ端から中々の歓迎を受けたのでした。


これはまだ、波乱万丈の旅の始まりに過ぎないことを

その時の私は知る由もなかった…

なんつって(笑)


つづく


写真:キューバの聖母、La Virgen de la Caridad del Cobre(コブレの聖母)と呼ばれる褐色の聖母像(サンテリアではOshun)が安置されている聖堂。

Oshunのカラーは黄色。そのため、ここを参拝する人は、黄色い服を着て行ったり、ひまわりの花や黄色のろうそくを持っていきます。

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