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【おうち時間を工夫で楽しく】 都会の部屋を『海辺のカフェ』に変える方法

「家だと仕事が捗らない、勉強が手につかない」
何度この言葉を見聞きしたことだろう。

私も先月までその一人だった。家は集中できない場所だと決め込んで、カフェに行こうとするもカフェ選びに時間を取られ、着いたカフェは満席、やっと座れたと思ったら隣がうるさくて集中できず、なんか疲れたなあを繰り返す。

コワーキングスペースを使えばいいじゃないかって?いやいや、周りがみんな仕事モードだと私の天邪鬼さまが集中させてくれないのよ…。嗚呼、なんてワガママなのかしら。

なんとか居心地の良いカフェを見つけたとして、暴風雨の日はどうしたらいいのだろう。12月は寒い。晴れていたところで私の本能は家から出るなと警告してくる。

ということで、家で何とかやってみようとするのだが、気づいたときには脳内にホタルの光が流れている。太陽さん、営業時間短くないですか?

四分の一世紀以上、毎日太陽にお世話になっているのに、いまだにこんな文句をつけるなんて面倒な客だ。

しかし、そんなクレーマーにも転機が訪れた。太陽が閉店したあと、思い立って模様替えを始めたクレーマー。元々、集中したいという目的で、寝室の隅っこ、窓に沿って壁に向かう形で配置されていた机。それを部屋の入口のすぐ横へ移動した。あくまで気分転換。何か考えがあってのことではなかった。

しかし、これが大きな転機となる。
これまでの「部屋の隅っこ机」は、辿り着きさえすればこっちのもんだが、そこまでにはいくつもの困難があった。

まず、寝室に入る手前にはふかふかのソファーがある。強烈なバリアが張られているようなものだ。なんとかソファーの誘惑に打ち勝って寝室に入れたとする。しかしだ。毎日布団が畳まれているとは限らない。いつもは温かく包んでくれる布団たちも、忙しい朝は暴れている。それはまるで荒れた地中海だ。布団の波が行く手を阻む。なぜ私は勉強机を、波濤の先の孤島にしてしまったのだろう。

なんとか机行きの船に乗れたとして、窓の外に目をやると柔らかな雲がたなびいて、鳥の綺麗なさえずりが聞こえる。途中にはスマホの充電ポイントまである。セイレーンに惑わされるオデュッセウスのようになった私に、机におとなしく座って勉強する力は残っていない。

こうして、危険な航海に明け暮れていた私だったが、模様替えで机を部屋の入口に持ってきたことで、私は短時間で安全に机に座ることができるようになった。作業を始めるのがこんなに簡単なことだったなんて。これは革命と言ってもよい。机の先に海があろうと、セイレーンが歌っていようと知ったこっちゃない。海沿いのカフェでカモメを眺めるノマドワーカーのごとき優雅さで私は仕事ができるようになった。

模様替え一つで、家は海沿いのカフェになった。工夫一つで砂漠の中のオアシスになるかもしれないし、レトロな足湯カフェにもなるかもしれない。可能性は無限大だ。家から出るのが億劫な冬にはぜひ試してみてほしい。

私は今日もシチリアの音楽を聴きながら、人生の可能性に胸を高鳴らせている。

サムネイルにはfogrumiさんのイラストを使わせていただきました。うさぎみたいな猫さん?の何とも言えない表情が好き。


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