私が一人京都を歩く理由【休日にカフェ難民になっているあなたへ】
あんなに大好きだった京都も
大好きな人が近くにいないとただ寒いだけ
不必要に早足で歩き、東に帰ってしまおうかと思ったけれど
吸い寄せられるように一軒の古民家カフェに入った
「前にも来はりました?」
私がよく聞かれる言葉。初対面なはずなのに、そう言う人は皆、どこかで私と会ったことがある気がするらしい。前世でお友だちだったことにしよう。
カフェの本棚には、私のお気に入りの絵本が置いてある。
もう間違いなくよい店である。
ホットゆずを飲んでいたはずが、途中から店主さんおすすめの日本酒が出てきて、宴会が始まる。近所のお客さんとお喋り。一期一会のゆるく温かな時間。ぬるくなった日本酒を舌の上で転がしながら、ああ京都があってよかったと思う。
孤独なときにしかたどり着けない場所がある
孤独と温かさは対になり、人生を編む撚糸のよう
複数の糸が重なれば
眼裏に浮かぶ古都の面影
東に帰る列車のなか。
好きだった京都は霞んでも、新しい京都が私のなかに描かれる。
離れがたい、私の青春が帰る場所。
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