私はどちらかというとネコより犬派なのですが、絵本だと犬よりもネコがでてくる作品を多く読んでいるなと、ふと思いました。 ちょっと思い浮かべるだけでも、「100万回生きたねこ」、「ねこのシジミ」、「なまえのないねこ」などの名作や、「11ぴきのねこ」シリーズ、「のらねこぐんだん」シリーズ、少し前にnoteで紹介した「ねこガム」、最近読んだ「ねこはるすばん」などなど。 絵本の中だと、犬は健気だったり、賢かったり、ちょっといたずら好きだったり、かわいくてとってもいい子として描かれるこ
前回紹介した「わたしはあかねこ」を読んで、昔読んだ絵本に似ている!と思ったのですが、なかなかタイトルが思い出せず、やっと記憶の奥底から出てきたのがこの絵本「おかえりなさいスポッティ」です。こちらはウサギのお話です。 「わたしはあかねこ」では、主人公のあかねこは赤い色をしていることで、家族みんなからかわいそうに思われていました。 「おかえりなさいスポッティ」も主人公のスポッティは一匹だけ茶色の水玉模様があることで、おかあさんからかわいそうに思われていました。 スポッティの場
小学校1年生くらいから楽しめる言葉遊びの絵本を紹介します。イラストもかわいくて、1分半くらいで読める短いお話なので幼児さんでもOKだと思います。 このように、いろいろな「とっています」がでてきます。「バランスをとっています」くらいは大人であれば予想できますが、このあとは一体なにを「とっている」と思いますか? 「とっている」は、普段からよく使う言葉ですが、この本のおすもうさんは思いもよらないものを「とっています」よ。奇を狙っているわけではないですが、そうきたか!と思いました。
今回紹介するのはアメリカで2020年に「Our Subway Baby」として発行、日本では今年の4月に発行されたばかりの絵本です。私が好きなノンフィクションのお話です。 とある男性が、地下鉄の駅で生まれたばかりの赤ちゃんを見つけたところからお話は始まります。たった数分しか会っていないのにもかかわらず、この男性と、一緒に住むパートナーの二人は、この赤ちゃんのことが気になってしょうがなくなっていました。 すると、家庭裁判所の裁判官から、赤ちゃんを養子にしないかと提案されます。
先日、5年生の読み聞かせがあり、「今日はノーベル平和賞を受賞したケニア人女性のワンガリ・マータイさんという方のお話を読みます。」と話したら、「知ってる~。」と何人かから声が上がりました。 どうやら、5年生の道徳でマータイさんのことが掲載されているようです。 ワンガリ・マータイさんといえば、日本語の「もったいない」(MOTTAINAI)という言葉を世界に広めた方ということで話題にもなりましたが、彼女がノーベル平和賞を受賞したのは2004年なので、今の小学生はきっと知らないだろ
「ホテルローヤル」で直木賞を受賞された桜木紫乃さんの初絵本「いつかあなたをわすれても」。絵本っぽくない表紙なので、いったいどんな絵本なんだろう…と興味津々で手に取ってみました。 最初、恋愛要素のある絵本なのかな?と思ったりしたのですが、全然違いました。認知症になったおばあちゃんが色々なことを忘れていく様子と、そのことに対して冷静に向き合う母親の姿が、孫である女の子の視点で書かれています。 10代の女の子が主人公であり、文章も難しくはないので、お子さんが読んでもいいとは思いま
久しぶりに幼児や低学年への読み聞かせにおすすめの絵本を紹介します。 「ちゃんとたべなさい」というタイトルから、好き嫌いをしているお子さんに読んであげるとよさそうですよね? 確かに、嫌いなものがあるお子さんには特におすすめしたい絵本なのですが、読んでみると予想に反して、「好き嫌いをなくそう」的な本ではなく、これを読んでも好き嫌いが治りそうもない?感じのお話でした…(笑) でも、このお話とても楽しいんです。嫌いなおまめを全く食べようとしない女の子と、何としても食べさせたいお
高学年の読み聞かせにいいなと思った絵本です。 今年はロシア・ウクライナの戦争のニュースをずっと目にしているので、戦争や平和について触れた絵本を読む機会がなんとなく増えています。 赤と国と青の国は長い間戦争をしていて、もうどうしたこの戦争が始まったのかだれも覚えていない、というところからこのお話は始まります。 『え、じゃあ戦争やめればいいじゃん』 第三者目線でみると普通にそう思うのですが、男たちは当たり前のように毎朝戦場に向かい、夜には死人やけが人とともに帰ってきます。 現実
昨年放送されていた、NHKの朝ドラ「おかえりモネ」見ていましたか? 私は、気づいたら出産後くらいから15年くらい?朝ドラを見るのが習慣になっています。夫や子どもたちはリアルタイムでは見られないため、元々見ていませんでしたが、最近は録画したりNHKプラスを利用して家族みんなで見るようになっていて、「おかえりモネ」ももちろん見ていました。 先日、6年生の娘が「図書室で、モネちゃんが勉強に使っていた天気の絵本に似ているのを見つけたよ」と学校で借りてきた絵本を見せてくれました。
5月になると少しずつ学校に慣れてくる頃かと思いますが、まだちょっと緊張感もある…そんな時期におすすめの絵本です。 作者の蒔田晋治さんは中学校教諭だった方で、クラスの子に元気がないと感じた際、この詩を書いてみんなに読んでもらえるように学級新聞につづったそうです。その後、全国の教諭に広まり、長谷川知子さんが絵を描いて絵本になりました。 間違うことは悪いことじゃない、間違うことを恐れちゃいけない、みんなで意見を出し合って答えを見つけていくことで、みんなが伸びていくんだよ!というこ
絵本界のゴールデンコンビ、谷川俊太郎さん×和田誠さんによる詩の絵本です。このお二人の作品はたくさんありますが、なかでも新一年生にオススメの1冊です。1988発行のロングセラー絵本。 私は自分の子どもが新一年生になったときには、詩の絵本はほとんど読んであげていませんでした。 理由その1:起承転結がある物語や、知識を得られる科学絵本などを読み始めた子どもにとっては、詩はおもしろくないのではないか、と勝手に思ってしまった。 理由その2:学生時代の俳句や短歌の勉強のイメージで、詩を
今回、初めて赤ちゃん向けの絵本を紹介します。 ご存じ「だるまさんシリーズ」です。「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」の3冊が発行されていますが、私が初めて手にしたのはシリーズ第二弾の「だるまさんの」でした。 2009年、まだ「だるまさんシリーズ」がベストセラーになる前ですが、1歳の息子の絵本を買いたいなと、本屋さんに立ち寄った時にだるまさんのかわいい表紙を発見。だるまさんのユニークな動きや、「手(て)」「目(め)」「歯(は)」などの簡単な言葉を覚えることもできそ
今週紹介するのは「りんごのおじさん」。 NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出ていた、りんご農家の木村秋則さんのお話で、木村さんが9年もの歳月をかけて不可能と言われた無農薬・無肥料でのりんご栽培を成功させるまでの道のりが描かれています。 このお話は「奇跡のリンゴ」という書籍にもなっていて、「りんごのおじさん」はその絵本版なのですが、絵本とはいえ、32ページの中に木村さんのりんご栽培への情熱、努力、苦労、苦悩、そして喜び…がギュッと詰まっています。文からも絵からもおじさ
昨夜、東北地方で大きな地震がありました。我が家は関東なので物が落ちてくるようなこともありませんでしたが、停電になったのでテレビが見られなくなりました。そこで、まず行ったのがスマホでの情報収集。ネットニュースを見たり、アプリでラジオを聞いたり。ただ、震源地近くの震度や津波の予想といった情報を主に伝えているので、自分の住んでいる地区の状況は全く分かりませんでした。そうすると、次に見たくなるのはSNSの情報。 すぐに「A町では電気は通っています。」「B町の交差点は停電で信号機が消え
明日は3.11を迎えます。先日、5年生の読み聞かせがあったので、1冊はこの本にしました。「ふくしまからきた子」。 ちなみに作者の松本猛さん、松本春野さんは、絵本作家のいわさきちひろさんの息子さんとお孫さんです。絵のタッチがとても優しく、温かいです。 この時期の読み聞かせは「春」や「卒業」をテーマにした本を選ぶことが多いのですが、今回はじめて震災についての絵本を選びました。3.11のことを描いた絵本はたくさんあり、避難の様子が描かれたお話、ご家族が亡くなった子のお話、原発事
気付いたら、もう卒業シーズン。 この時期に6年生に読んであげたい絵本を紹介します。「卒業 絵本」などで調べると、たくさんのおすすめ絵本が出てくるとは思いますが、もし今年、これから卒業生に読むのであれば「ぼくとがっこう」はいかがでしょうか。2021年5月発行で、今がまさにこの本が発行されてから初めての卒業シーズンなので、まだ検索しても「読み聞かせしました~」みたいな口コミはないかもしれませんが、今後、卒業シーズンの定番になりそうな絵本です。 自分にとって小学校ってどんな場所だ