くりこ

2児の母。出産を機に自分のために自分の子どものために図書館で絵本を探すのが習慣に。子ど…

くりこ

2児の母。出産を機に自分のために自分の子どものために図書館で絵本を探すのが習慣に。子どもが大きくなった今では絵本の面白さを知り、子どもだけでなく自分も楽しむための絵本を探すのが趣味となっています。下の子が通う小学校で絵本の読み聞かせボランティアをしています。

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【多様性を考える絵本】ぼくらのサブウェイ・ベイビー

今回紹介するのはアメリカで2020年に「Our Subway Baby」として発行、日本では今年の4月に発行されたばかりの絵本です。私が好きなノンフィクションのお話です。 とある男性が、地下鉄の駅で生まれたばかりの赤ちゃんを見つけたところからお話は始まります。たった数分しか会っていないのにもかかわらず、この男性と、一緒に住むパートナーの二人は、この赤ちゃんのことが気になってしょうがなくなっていました。 すると、家庭裁判所の裁判官から、赤ちゃんを養子にしないかと提案されます。

    • 【バレンタイン前に】どうやってできるの?チョコレート

      カカオ豆の収穫からチョコレートができるまでの過程を教えてくれる、科学絵本の紹介です。 チョコレートがカカオから作られるのは知っているし、なんとなく作り方も知っているつもりになっていましたが、私自身、チョコレートについてあまりわかっていませんでした。バレンタイン制度?がすっかり定着して、毎年、チョコレートを使ったスイーツを作っているので、理解している気になっていましたが、それって出来上がった板チョコを溶かして、固めているだけなんですよね。そもそもの、板チョコってどうやって作っ

      • 【クリスマス絵本?】みみかきめいじん

        だるまさんシリーズのかがくいひろしさん作の絵本「みみかきめいじん」を紹介します。かがくいさんの絵本、どのキャラクターも魅力的で子どもたちは大好きですよね。 ユーモアを感じる絵やセリフ、おもしろい擬音語がちりばめられていて、普通に読んでも、子どもたちが笑ってくれるので、私は読み聞かせのつかみに読んだりしています。 このおはなしには、みみかきめいじんの『ひょ・うーたんせんせい』と弟子の『ひょうすけ』が出てきます。 ふたりのもとにはいろいろなお客さんがやってきます。どんなお客さん

        • 【写真絵本】ぼくの見た戦争

          著者は報道写真家として、フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーなどの多くの賞も受賞しているフォトグラファーの高橋邦典さん。2003年にアメリカがイラクを攻撃した際、著者がアメリカ軍と行動を共にして撮影した写真が掲載されています。 文にはふりがなもふってあるので小学生であれば読めますが、かなり残酷な写真も多いので、高学年以上のお子さん~大人向けの絵本かなと思います。 ショックを受けるお子さんもいるかと思うので、読み聞かせにも向かないの感じの絵本なのですが、大人である私自身がこの

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        【多様性を考える絵本】ぼくらのサブウェイ・ベイビー

          【戦争って必要?】絵本「せかいでいちばんつよいくに」

          この絵本には大きな国と小さな国が出てきます。 大きな国の兵隊はたいへん強くて、大砲も持っています。いろんな国と戦って征服していきました。 大きな国の大統領の言葉です。大きな国の人びとも、自分たちのくらしほどすてきなものはないと、信じていました。 ほかの国の人びとは、命がけで戦うのですが、最後には大きな国にまけてしまいます。そして、最後に残ったのは小さい国。大統領はこの国も征服しようと、兵隊とともに出発します。 しかし、小さな国の方はというと… そう、小さな国には兵隊が

          【戦争って必要?】絵本「せかいでいちばんつよいくに」

          最初の一歩を踏み出そう!絵本「かしこいさかなはかんがえた」

          うみには、でーっかいさかな、きみのわるいさかな、きれいなさかなもいました。そのなかには、見た目はふつうだけど、ものすごくかしこいさかながいました。このかしこいさかなは、すなはまをながめ、思っていた。 「ああ、りくのうえをたんけんしたいなあ。」 低学年~の読み聞かせにぴったりの絵本です。 絵がとても色彩豊かで、海の中を覗いているかのよう。魚たちの質感も丁寧に描写されています。大きい魚が出てくるページは迫力があり、読み聞かせをすると、子どもたちから、わぁ!と声が上がります。 リ

          最初の一歩を踏み出そう!絵本「かしこいさかなはかんがえた」

          あいするってどういうこと?絵本「あいしているから」

          巣からおちてしまった”ひなどり”を見つけたもぐらのモールくん。おやどりが助けに来ないので、モールくんは家に連れて帰って育てることにしました。 ひなを育てるのは難しいことよ、とママにいわれてしまうのですが、モールくんは友だちとも協力して、えさを探し、ひなを育てます。 やがて、ひなは大きくなっていき、羽ばたこうとします。 モールくんはあいしているからこそ、小鳥を鳥かごに入れて、自分のそばに置いて育てたいと思います。でも、小鳥にとってそれは悲しいことで…。 その後、おじいちゃん

          あいするってどういうこと?絵本「あいしているから」

          【卒業生に贈る絵本】20年後のみんなは何してるのかなぁ「ともだち」

          3月、卒業シーズンですね。今年も6年生の読み聞かせにぴったりの絵本を紹介します。 太田大八さんの「ともだち」です。谷川俊太郎さんの「ともだち」も有名ですが、卒業生に読むなら個人的にはこちらがオススメ。 表紙がちょっと暗そうな雰囲気ですが、全然暗い話ではありません。 前半は小学生の「ぼく」から見た友だち一人一人の特徴が描かれています。 この作品、2004年に新装版として出版されていますが、元々は1985年(昭和60年)の作品なので、学校の様子や子どもの服装とかに昔っぽさを感

          【卒業生に贈る絵本】20年後のみんなは何してるのかなぁ「ともだち」

          平和について考える絵本「ぼくがラーメンたべてるとき」

          今日でロシアによるウクライナ侵攻から1年。戦争が起こることも信じられないことでしたが、それがこんなに長い間続いてしまうとは思ってもみませんでした。 そんな思ってもみないことが世の中では起こっているんだ、ということを考えさせられる絵本です。 ぼくがラーメンたべてるシーンからはじまり、「となりのみっちゃん」、「そのとなりの町のおとこのこ」、「となりの国の、その国のとなりのおんなのこ」など様々なところに住むこどもたちが、同じときに何をしているのか、ということが書かれています。

          平和について考える絵本「ぼくがラーメンたべてるとき」

          絵本レビュー「いのちをいただく」

          読みながら泣いてしまいました。タイトルそのままですが「いのちをいただく」ことについて考えさせれらる絵本です。涙なしで読み切れるか自信がないので、小学校の読み聞かせに選んだことはまだないのですが、いつか高学年のクラスで読んでみたい絵本です。 大人も子どもも一度は、動物園や牧場で牛や豚や鶏を見る機会はあると思います。そうするとやっぱり「牧場で働く人たちは、大事に育てている動物を出荷してしまうとき、辛くないのかな」、「人間が食べるために育てられる動物はかわいそうだな」など考えます

          絵本レビュー「いのちをいただく」

          「ぼくたちは なぜ、学校へ行くのか。」

          学校に行きたくても行くことができない子どもたちが世界にはたくさんいるということは、知ってはいても、学校にいけないってどういうことなのか、なかなか想像がつきません。 「ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。~マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える~」は前半はマララさんの言葉、後半はノンフィクション作家の石井光太さんが国の情勢や大人たちの都合で学校に通えない子どもたちの実情を紹介する写真絵本です。 様々な国の風景や子どもたちの写真を見ると、子どもたちの置かれた状況が現実世界のこと

          「ぼくたちは なぜ、学校へ行くのか。」

          【あなたのそばにもいるかも…?】絵本「たべてあげる」

          新年最初は、おせちとか七草がゆなどの季節の食べ物を紹介する絵本を…と考えていたのですが、あっという間にそんな時期は過ぎてしまいました。 なので、とりあえず食べ物に関する絵本を選んでみました。(季節感は特になし) この絵本、私は少し前(といっても1年以上前だと思います)にテレビで麒麟の川島さんがテレビでも紹介していたのを見て知りました。 ちょっとシュールなおはなしです。 食べ物の好き嫌いが多いりょうたくんは、ピーマンを食べたくありません。だれかかわりにたべてくれないかな~と思

          【あなたのそばにもいるかも…?】絵本「たべてあげる」

          【最高のコンビ】ふたりはいつも~クリスマス・イブ~

          先日、M1グランプリがありましたね。7000組以上のコンビがエントリーしていたそうですね。 なぜ突然、こんなことを書いたかというと。絵本の世界にも、ぐりとぐら、だるまちゃんとてんぐちゃんなど、たくさんのコンビがいるんです。(強引につなげてみました)その中で私が一番好きなコンビは「がまくんとかえるくん」です。 このお二人です。 この二人がでてくる「ふたりはともだち」、「ふたりはいっしょ」、「ふたりはいつも」、「ふたりはきょうも」(アーノルド・ローベル作)は、色々なところでおす

          【最高のコンビ】ふたりはいつも~クリスマス・イブ~

          【クリスマス絵本】戦争をやめた人たち~1914年のクリスマス休戦~

          12月に入ったのでクリスマスの絵本を紹介します。約100年前、第一次世界大戦中に本当にあった「クリスマス休戦」のことが描かれています。 (興味がある方は「クリスマス休戦」について調べてみてくださいね。『SEKAI NO OWARI』の『 Dragon Night 』のモチーフになっていたりもします) 1914年7月から始まった第一次世界大戦。この戦争が始まった5か月後、ドイツ軍とイギリス軍との最前線で、12月24日の夜におこったことです。 イギリス軍の兵士たちが一日中続いた

          【クリスマス絵本】戦争をやめた人たち~1914年のクリスマス休戦~

          【ほっこり不思議ワールド】くうたん

          という解説がありますが、私的には「家族のあたたかさを描いていたのね…!(驚)」という感じでした。 この作品、不思議な世界観で、なんとも説明し難い”ふわふわした”読後感なんです。あたたかさも感じるのですが、それ以上に、え?どういうこと?と狐につままれたような感覚になります。きっとそれは大人になってしまったから。 幼児さんや低学年のお子さんなら、素直に絵本の世界に入り込んで、あったかーい気持ちになると思います。色んな年齢の子どもの反応を見てみたい絵本です。 あらすじを簡単に書く

          【ほっこり不思議ワールド】くうたん

          【愛情は連鎖する】絵本「だいじょうぶだいじょうぶ」

          いとうひろしさんのベストセラー絵本。いつも一緒にいてくれた「おじいちゃん」と「ぼく」との日々が描かれた心温まる物語です。 前半は「ぼく」の回想になっています。小さい頃の「ぼく」にとって、おじいちゃんとの散歩は、冒険のようにワクワクするものでした。 新しい発見や楽しい出会いがあって。でも、その分だけ困ったことや怖いことにも出会いました。 おむかいのけんちゃんは、わけもなく「ぼく」をぶってきます。犬はうなって、歯をむきだします。 怖いことはそれだけではありません。 「ぼく」は

          【愛情は連鎖する】絵本「だいじょうぶだいじょうぶ」