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最初の一歩を踏み出そう!絵本「かしこいさかなはかんがえた」

むかしむかし、きみがうまれるずっとまえのこと。
ぼくだってうまれてなかったし、
にんげんなんかだあれもいなかったころのこと。
うみには、かわったさかながたくさんいた。

「かしこいさかなはかんがえた」クリス・ウォーメル 作・絵 / 吉上恭太 訳

うみには、でーっかいさかな、きみのわるいさかな、きれいなさかなもいました。そのなかには、見た目はふつうだけど、ものすごくかしこいさかながいました。このかしこいさかなは、すなはまをながめ、思っていた。
「ああ、りくのうえをたんけんしたいなあ。」

低学年~の読み聞かせにぴったりの絵本です。
絵がとても色彩豊かで、海の中を覗いているかのよう。魚たちの質感も丁寧に描写されています。大きい魚が出てくるページは迫力があり、読み聞かせをすると、子どもたちから、わぁ!と声が上がります。
リアルだけど生き物に表情があり、絵を見るだけでもなんだかワクワクしてくると思います。

かしこいさかなが、どのようにして陸の上に出ていくのか、そしてその後の魚たちが、どのように進化を遂げるのか。科学絵本、というわけではありませんが、魚類から人類まで進化を学ぶ入口としてもオススメの絵本です。
地味にみえる魚が、勇気をだして新しいことに挑戦する…という感じや、美しい海の絵はなんとなくレオ・レオニの「スイミー」を思い出しました。レオ・レオニさんの作品は動物が出てくることが多いですが、この絵本の作家であるクリス・ウォーメルさんも動物が出てくる絵本を多く描いています。
ストーリーも難しくなく、低学年から理解できるのもレオ・レオニ作品と似ている気がします。
シンプルだけど、高学年や大人が読んでも、何か考えさせてくれるので、一度読んだ後、間を空けてもう一回読んでみるのもいいと思います。

半年ぶりくらいの投稿ですが、まだまだ続けますので、よろしくお願いします。

 


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