あいするってどういうこと?絵本「あいしているから」
巣からおちてしまった”ひなどり”を見つけたもぐらのモールくん。おやどりが助けに来ないので、モールくんは家に連れて帰って育てることにしました。
ひなを育てるのは難しいことよ、とママにいわれてしまうのですが、モールくんは友だちとも協力して、えさを探し、ひなを育てます。
やがて、ひなは大きくなっていき、羽ばたこうとします。
モールくんはあいしているからこそ、小鳥を鳥かごに入れて、自分のそばに置いて育てたいと思います。でも、小鳥にとってそれは悲しいことで…。
その後、おじいちゃんがやってきて、モールくんをさんぽに誘います。さんぽに行ったモールくんは、小鳥にとっての幸せや、愛することってどういうことなのかを考えることになります。このあとモールくんはどうするのでしょうか。続きは、是非、絵本を手にとって読んでみてください。
人と接するときには自分の気持ちだけ押し付けるのではなく、相手の気持ちを考えてあげないといけないんだ、ということを感じられる絵本です。
「あいしてるんだもん」というモールくんの気持ちはわかるけれど、愛しているのであればなおさら、小鳥にとって何が幸せなのか、考えてあげないといけない。
このお話では『愛するということはこういうことだ』とか『自分のことばかり考えず、相手のことも考えるべきだ』などと直接的に書かれているわけではありません。おじいちゃんが言葉ではない形でモールくんに大切なことを考えさせてくれるのが、とても素敵なんです。
絵がとてもかわいらしくて優しいタッチなので、幼児さんへの読み聞かせもOKだと思いますが、内容的により深く理解できるのは中学年くらいのお子さんかもしれません。
ちなみに、思春期真っただ中の子どもを育てる大人の私にもかなり響きました。羽ばたこうとしている小鳥と自分の子どもを重ね合わせて、大人のエゴで子どもを鳥かごに閉じ込めていないだろうか、と考えさせられました。
大人にもかなりおすすめです。
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子どもの受験、卒業、入学、春休み、色々ありまして、久しぶりの投稿になりました。今回はどの世代にもきっと気に入ってもらえる、心温まる王道の絵本を紹介しました。
子どもたちが絵本を読む年頃を過ぎてしまったので、このままレビューを続けようか、テーマを変えた投稿にしようか悩んでいますが、まだ紹介したい絵本や、これから読みたい絵本もあるので、もうちょっと続けようと思っています。
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