見出し画像

【卒業生に贈る絵本】20年後のみんなは何してるのかなぁ「ともだち」

3月、卒業シーズンですね。今年も6年生の読み聞かせにぴったりの絵本を紹介します。
太田大八さんの「ともだち」です。谷川俊太郎さんの「ともだち」も有名ですが、卒業生に読むなら個人的にはこちらがオススメ。
表紙がちょっと暗そうな雰囲気ですが、全然暗い話ではありません。

前半は小学生の「ぼく」から見た友だち一人一人の特徴が描かれています。

いちばんのっぽは、かなもりくん。
でも、めは、とってもちっこい。

けんかがつよいのは、いしまるくん。
かなもりくんもかなわない。

みうらけいこちゃんは算数の天才。
このくらいの計算は、あんざんで、あっというまだ。

「ともだち」太田大八 より

この作品、2004年に新装版として出版されていますが、元々は1985年(昭和60年)の作品なので、学校の様子や子どもの服装とかに昔っぽさを感じます。ちなみに、私のように昭和の記憶がある大人には懐かしい世界観です。
ただ、一人一人が生き生きと描かれているので、読者の年代に関係なく「こんな子うちのクラスにもいる(いたなぁ)!」と、出てくる子どもたちに親近感がわくと思います。

そして、絵本の後半は、なんと20年後(現在)にタイムスリップします。
前半の部分は20年前(ってことは昭和40年くらいのイメージ)だったんですね!
”かなもりくん”、”いしまるくん”、”みうらけいこちゃん”はじめ、クラスのともだちは一体どうなっているのか。そして「ぼく」は…?

1クラス30人前後の子どもたちがいたら、背が高い子、勉強が得意な子、足が速い子、リーダーシップがある子、絵が上手な子、おしゃべりな子、おとなしい子、字が綺麗な子、やさしい子、明るく人気がある子…などなど、いろんな子がいます。改めて考えると、個性がない子なんていないですよね。
大人になったとき、その個性をもっと伸ばして、それを生かしているかもしれないし、全く別の才能が開花しているかもしれません。

子どもたちが将来について思いを馳せたり、自分の個性や友だちの個性を見つめたりするきっかけになる絵本だと思います。是非、6年生に。
大人も小中学校のときのクラスの友だちのことを思い出したり、今何やっているのかなぁと考えたりと、心がじんわりします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?