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みらいの名前

 自分に名前を付けるのは、この3年間で3度目だ。

 『あつまれどうぶつの森』のアバターの名前を「みらい」と名付けたのが1度目。
 ブログをやるにあたってその名前から「みらっち」にしたのが2度目。
 そして今回、執筆者としてのペンネームをつけたのが、3度目になる。

 書籍を出版するにあたり、新たなペンネームにするかどうか、悩んだ。

 少なくとも私には今「みらっち」という名前がある。これはまあ、ペンネームである。そのほかにさらにペンネームをもうひとつつける、というのはいかがなものか、と思った。

 kindle出版というのは、出版社は通さないが、Amazonという巨大企業の力を借りて、個人で出版するということだ。出版して販売するということは、私のした仕事に対し、ひとさまからお金をいただくということに他ならない。

 なにがしかの「けじめ」はつけたかった。

 万万が一、ということもある。

 これ1冊ではなく、今後、他にも本を出すかもしれない。そしたらもしかしたら誰かにサインを望まれるかもしれない。本を開き、最後のページに「みらっち」と書いてあるのはいかがなものだろう。

 一昨年、私は『往復書簡 限界から始まる』の感想文で、上野千鶴子さんと鈴木涼美さんのサイン本をいただいている。

 思い立って、本をめくってみた。おふたりのサインがそこにある。

 やっぱりさすがの貫禄だ。

 こういう感じをイメージしてみると、やはり「みらっち」は弱い。うん、弱い。なんかこう、奥付の後、表紙の裏などに、「みらっち」というのはなんか、違う。

 いろいろなアイディアを紙に書きだしてみた。

 やっぱり名前のほうは、「みらい」がいいかな。本名ではないけれど、馴染んだ名前だからね。

 とすると「みらい」にあう苗字を考える、ということになる。

 苗字一覧などを検索して、片っ端から当ててみたり、姓名判断サイトに入力してみたりと試行錯誤したが、どうにもよい感じにならない。

 もちろん、全部大吉や吉にならなくてもいいのだが、大体においてこういうサイトでは「大凶」などが青くて太い文字で恐ろしげに書いてある。そういうのを見ていると、やっぱり大凶は避けたくなる。

 夫や息子にも相談してみたが、反応は希薄で、本気で考えてくれそうにもない。唯一、息子が「五十嵐」はどうだと言った。「五十過ぎてからのチャレンジが嵐のようだから」だという。なるほど。それもいいかなと思ったが、姓名判断はみらいとの組み合わせが大変よろしくなかった。

 いちいち姓名判断をみるのは性に合わないのだが、要するに直感的に「違う」感じがしたのだと思う。

 何日もあれこれ試して考えたが、しっくりこない。
 あるときふと、既存の苗字である必要は果たしてあるのだろうか、と思うに至った。

 創作苗字というのはどうだろう。
 実名からかけはなれた「みらっち」のそのまたペンネームなのだ。創作でもいいだろうし、おそらく誰かと被ることがないのもいい。

 そこから必死に考えて、愛犬の名前と自分の名前が入っている「よしほ」という苗字が浮かんだ。

 よしほ。
 創作だから聞いたことはない。
 どちらかというと名前だ。
 でも、なんだか感じがいい。

 姓名判断にあてはめてみても、なかなか良かった。

 吉穂よしほみらい。

 うん、いい感じだ。
 裏表紙に書いてあっても、まあ、いいような気がする。

 いや、というか・・・
 そもそも・・・

 誰が望むというのだ、そのサイン。笑

 この記事も、プロフィールとしては3度目になる。

 最初の散文詩的なプロフィールは、やっぱり思い入れがある。

 二度目の「到達点からの再出発」の決意表明も、それがあったから今がある、と思える。

 三度目のこのプロフィールも、新しい門出。
 おあつらえむきに、春だ。 




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