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私の初恋。

私の初恋を知っている友達は片手に収まるくらいの人数しかいない。私が恥ずかしくて誰にも言えなかったのもある。親友すら知らないだろう。

好きになったのは同級生。

小学校4年生くらいから、ずーっとずーっと片想いしていました。彼が今の奥さんと付き合うまで。

彼は小中高校の同級生。

好きな漫画とかアニメの話とか、毎日アホなことばかり話していて、でもその時間がとても大好きでした。

告白なんて考えたことなかった。
漫画の読みすぎなのか、いつか好きになってくれるという幻想を抱いていたのかもしれない。でもきっと、それはいつしか執着になっていたのかもしれない。

幼い私はそんなこと微塵もわからなかった。

ただただ、漫画や映画みたいな展開を期待して、毎日一緒にいれればいいと思っていた。

それでも彼は、学生時代モテていたと思う。
彼の彼女も何人か知っている。

彼女ができるたびに、私の心はぎゅーっとなった。ありきたりな表現だけど、ぎゅーっとなった。

彼女がいても、私としかできない話もあるからそれはそれでよかったのかもしれない。あの頃の私は。

私のながいながーい初恋片想いは、彼が今の奥さんと付き合っていると聞いたとき、「あーもう無理だなぁ」とやっと気づいた。

奥さんになる彼女は、高校の同級生。
付き合ったのは大学生の後半くらいなんじゃないかなぁ。

彼女は高校の時から美人でかわいくて、性格もとてもよくて、私は女子の中の女子だと思っていた。

そんな子と付き合っているんだから、私なんか敵いっこない。

ふたりが結婚するって聞いたとき、おめでとうの気持ちと一緒に切なさはあった。でも、彼と同じくらい、いや、そのときは彼よりも彼女のことが友人として好きだったから、切なさはあったけど悲しさはなかった。

そして、呼ばれたふたりの結婚式の二次会。
サプライズで手紙を読み合うふたり。会場の盛り上りでキスをするふたり。

さすがにそれは見られなかった。


もう、そんなに会うことはないだろう。
私もそのうちまた、好きな人ができるだろう。
もちろん、ふたりの子どもなんて会うことはないだろう。

そう思っていた。



地元で数年働いて、同じ県内だけど、転職で地元を離れて一人暮らしを始めて、その間ちょっと好きな人はいたけど、どれも実らず終わった恋ばかりだった。

一人暮らしを始めて一年経とうとしたころ。

私のインスタの投稿に、彼の奥さんからコメントが来た。私の近所のカフェの近くに引っ越してきたと。

お互いに調べたら、歩いて3分のところに住んでいた。

もう別に彼のことはなんとも思っていなかったので、彼らの家に遊びに行くようになった。
ちょうど1人目のお子さんが産まれたばかりだった。

会うことはないと思っていたふたりの子ども。

腐れ縁てすごいなぁ。

彼に対しての気持ちはないけれど、結婚して子どもが産まれて、家族を作っている友達を見るとやっぱり、胸が少し苦しくなる。

そんな私は、できるだろうと思っていた好きな人もできない。恋愛のスタートラインにすら立てないでいる。

これを書いたことで、私の初恋は成仏するだろうか。

おそらく彼夫婦とのお付き合いはこれからも続くと思う。それはとても嬉しいこと。

あとは私が自分の思う幸せをつかめるかどうか。

ただ、それだけだろう。

#忘れられない恋物語

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