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【保育】保育のクラウドファンディングについて考えてみる

「新しいモノを作りたい」「事業を展開していきたい」と志を持つ人はクラウドファンディングを検討すると思います。調べてみると地方を盛り上げたい事業やこだわりの食品を使ったbarやcafeをしたいものなど多岐に渡ります。

今回は大手クラウドファンディングサービスをしている「キャンプファイヤー」さんのホームページから見た「保育のクラウドファンディング」について考察してみたいと思います。

保育のクラウドファンディング
・園の設備関連
・新設園開業

の以上の二つが多くみられました。順番に解説していきます。

園の設備関連

 園の経費には限りがあり、園舎の増築や遊具の設置は莫大なコストがかかる上に、保育事業そのものは売上の世界ではなく、福祉の世界なので園の運営でお金を作ることが困難です。

 ほとんどの園が補助金をもらって運営しています。「より良い保育のために」と設備を増やせない状況。そういった場合にクラウドファンディングという選択肢ができます。

 さっきも述べたように、遊具の設置などをクラウドファンディングにかけて資金を募ると建てることが実現します。

新設園の開業

 一番多かったのが「新設園の開業」です。事業目的には多くが「保育士の離職」について触れていて、「給与・賞与の改善」「働きやすい環境づくり」を掲げてクラウドファンディングをしています。そうやって長く続けたい職場作りはとても大切だなと感じます。

新設園開業が困難な理由
 

 一方でそうはいっても簡単に開業するわけにもいかないと僕自身は感じています。そう思う点について、

・今ある環境(保育現場)の改善が急務
・来たる少子高齢化の進行による子どもの減少
・開業したとしても保育士は集まるとは限らない
・保育士の処遇改善に努める方が重要

の4点で解説します。

今ある環境(保育現場)の改善が急務


 「人間関係が嫌」「給与が低い上に残業や持ち帰り業務が多い」保育現場ではいまだにこのようなことが起きているのが事実です。人間関係に関しては場所や環境による要因もあると思いますが、結局は個人なのかなと思います。環境を改善すれば人間関係のもつれを起こさないかもしれないと考えます。

 その一つにまず「残業・持ち帰り業務を極力なくす」ことに努めることが大切です。保育は手書き業務が多いので持ち帰り作業できてしまいます。壁面や制作の準備は勤務時間に終わらせるように意識するだけで、家での作業が減っていきいずれは園に勤務している間に完了するように持っていきます。
 勤務時間が終わればさっと帰ることを意識しましょう。残業は美徳の時代はもう遅いです。ヤング世代が率先して雰囲気を作っていきましょう。

 そういった職場作りで人間関係や働き方は改善されていくのではないでしょうか。保育業界全体でその雰囲気を作っていきたいモノです。

来たる少子高齢化の進行による子どもの減少


 保育士の処遇改善をしたとしても避けて通れない関門が「少子高齢化」です。今多くの小規模事業所ができ、少人数の乳児保育が行われているところが増えています。こういった事業所はいずれ定員割れが起きるのではないかと思います。

 また新規園を開設することで、さらに子どもの取り合いになるのではないでしょうか。「ここの園ではこういった保育をしています」と園の方針が重要になったり、家から近い園で探したりと保育園の利用者は満足ですが、園としては多くの子どもを受け入れたいのが本音です。

 少子高齢化によって子どもの利用数が減っていると思いきや、ここ数年は増えてきています。「幼児教育の無償化」による要因が大きいと思いますが、共働き世帯が当たり前になってきているのも一要因です。
ただ今後は子どもの人数が減っていくので利用者も減っていくとみています。

開業したとしても保育士は集まるとは限らない


 「保育士が足りない」どこの園でも謳われているのではないでしょうか。子どもに対する保育士の配置は決められていますが、現状その人数ではしっかりと見る事は難しいです。常に求人で溢れているのが保育現場です。

 これにも原因があって、その一つが「潜在保育士の存在」です。潜在保育士とは保育士・幼稚園教諭の資格を持っているが現場では働いていない人材を指します。結婚して保育をやめることや、処遇に不満があり離職することやそもそもその道に進まない保育学生など様々です。

 今既存している園でも人手不足な中で、新規園開設は困難に思います。保育業界全体にもっと保育士が必要です。潜在保育士の復職や就職を支援していくことが急務です。

保育士の処遇改善に努める方が重要


 「保育士=給与が少ない」はほとんどの方が周知だと思います。岸田総理大臣は処遇改善に努めてくれていますが、微々たるモノです。保育現場は業務が多い、命を預かっている職にも関わらず給与が低いことで有名です。「子どもが好きではないとやっていけない職」とまで言われています。


 保育士をする上で「子どもが好きである」に加えて「業務に見合った給与がもらえる」のであれば働く人も増えるのではないでしょうか。

 業務に見合った給与は人によってまちまちですが、生活費+貯金・投資に回せる資金があれば十分ではないでしょうか。そういったお金に関する発信も他の記事であるので是非ご覧ください。

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おわりに

 今回は保育のクラウドファンディングについて考察しました。「より良い園づくり」をしていく上で何よりも働きやすい、続けやすい環境構築が最優先です。今一度僕自身も働き方や保育現場を見直していきたいと思います。



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