どうすればコンテンツの良し悪しがわかるのか?
以前出した記事のなかで、「メディア経験のないWeb担当者はコンテンツの良し悪しがわからない。だから、意図せず炎上させてしまったり、誰にも響かないものを出してしまう」ということを書いた。
文章の書き方や取材の仕方については、わかりやすくまとめられた本がある。それらを読んでしっかり経験を積めば、一定レベルのコンテンツを出せるようになると思う。
しかし、そのコンテンツは読者にとって面白いものなのか、使われている表現は誰かを傷つけたりしないか、事実と意見を取り間違えていないか、といったことは判断が難しい。だからこそ、僕らのような編プロがあるともいえる。
とはいうものの、お金に困っている企業では、編プロに仕事を依頼するのも、編集者を雇うのも難しい。Web担当者にマーケティングや運用の一環として任せるか、社員全員で交代して記事を書いていくかが関の山だろう。
では、そういった状況にある人たちは、どうすれば良いメディア運用ができるか。どうすればコンテンツの良し悪しを判断できるようになるか。今回はその方法について書いてみようと思う。
コンテンツの良し悪しなんて、完璧にはわからない
元も子もない前提だが、コンテンツの良し悪しなんて、完璧にわかるものではない。実績のあるライター・編集者が出した記事でも、炎上してしまうこともあるし、反応が思わしくないこともある。
ただその中でも、侵してはいけないラインや押さえておくべきポイントは確かにある。僕ら編集者はそれらを蓄積することで、企業やメディアのブランドイメージを下げるリスクを最小限に抑えつつ、ターゲット層のエンゲージメントを最大化していく“努力”をしているのだ。
だから、メディア担当者は常にリスクが何なのか、効果的なアプローチが何かを考えるクセを身に付けていく必要がある。もう少し細かいことを言えば、これは「自分は本当に正しいだろうか?」と疑い続けていくことだ。自分が良いと思っているものが、他の人にとっては良いものとは限らないし、そもそも間違ったものかもしれない。そういう前提に立って、コンテンツを作っていかなければ、「正しさ」とはわからないものである。
そもそも良いコンテンツって?
「良いコンテンツの定義を教えてください」と問われたとき、すぐに答えられるか。これはメディア運営していく上で、かなり重要なことだ。
良いコンテンツの定義は、メディアの目的によって異なる部分があるため、一般化するのは難しい。例えば、検索流入を増やすことが目的のメディアでは、時間と労力をかけて作るインタビュー記事よりも、求められている情報をわかりやすく整理した(SEO対策した)記事の方が「良いコンテンツ」といえる。
そのため自社メディアの目的を明確にし、その目的を果たすために何をすればいいのか(どんなコンテンツがあればいいか)考えることが「良いコンテンツ」づくりには必須となる。
その上で、あえて「良いコンテンツ」たる条件を付け加えるとするなら、そのコンテンツに関わる全ての人が幸せになることだ。たとえアクセスが集まっていても、ライターに極端に安い報酬で書かせていたり、間違った情報が含まれていたり、伝えたいメッセージから遠ざかっていたりすれば、それは「良いコンテンツ」とはいえない。WELQやMERY、Sporlightご多分に漏れず、そういうコンテンツ制作は必ずどこかで反動が生まれ、崩壊してしまうからだ。
悪いコンテンツに学び、良いコンテンツを模倣する
さてこれまで基本的な心構えや姿勢について書いてきたが、少し踏み込んで具体的なところまで紹介しよう。
僕は今年でメディア業界3年目となったが、1年目のときはコンテンツの良し悪しはあまりわかっていなかった。ただ、2年目に入る頃には、なんとなくわかってきた部分もあった。
そのとき僕がしていたのは、編集者の考え方や視点に毎日触れること。業界内で有名なライター・編集者をSNS上でフォローし、彼・彼女らが言っていること、シェアしているコンテンツについて考える習慣を身に付けていた。
例えば、先日やや炎上したNewsPicksのミスリードタイトル。コレに対して、取材対象者であったハヤカワ五味さんをはじめ、業界の有名人からコメントが集まっている。
これがなぜ炎上したのか、なにがいけなかったのか、どうすれば回避できたのか。そういうことを業界の有名人の視点を借りつつ、考えられるようにしておくと、自分が同じようなことをするリスクは圧倒的に下がってくる。悪いコンテンツからは炎上回避の方法を学べるのだ。
加えて、僕は彼・彼女らのコンテンツを真似して、記事を作っていた。実際以前作っていたブログは、鳥井弘文さんのブログ「隠居系男子」を模倣したものだし、初めて出したインタビュー記事もさえりさんの記事やジモコロの記事を参考にした。
上の記事でも書いているが、似たような記事を書いてみようとすると、記事の書き手が何を思ってその表現を使っているのか、なぜその構成が読みやすいのか、といった理解が深まる。つまるところ、良いコンテンツに触れ、それを模倣していくと、良いものへの感度が高まってくるのである。
押さえておくべき業界人やメディアがわからない!
業界内で評価の高い人やメディアは業界外では案外知られていない。そのため、そもそも誰が有名人なのか、どれが良いメディアなのかがよくわからないという声も少なくない。
というわけで後日、まとめた記事を作ろうと思うが、なんとなくこの辺は押さえておくと良いんじゃないかなぁというものを簡単に。
note編集部が運営する、編集・ライターに特化したマガジン。ここに記事が上がっている人は有名人や実力者が多いので、フォローしておくと良いかなと。
平成生まれの比較的フレッシュな編集者をまとめた記事。かなり幅広く紹介されていて、僕自身知らない人が何人かいた。
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