香原 優|教師×公認心理師

ぎりぎり平成生まれの教師|公認心理師|大学院生(学校臨床心理)| 平成に生まれ、ゆとり…

香原 優|教師×公認心理師

ぎりぎり平成生まれの教師|公認心理師|大学院生(学校臨床心理)| 平成に生まれ、ゆとりを生き抜き、就職氷河期を乗り越え、気付けば中堅に片足突っ込みながら、青い春を生きる小さな大人へ学級通信を書き続けている。あなたが自分らしく生き抜くことのできる未来を、いつもずっと願ってます。

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陸を目指した魚は、水に還った。

 平成に生まれ、ゆとりを生き抜き、就職氷河期を乗り越えて、気が付けば中堅に片足突っ込んでる今。そんな私の話。  バブル崩壊とともに、雪の降り始める北の大地で爆誕したのが私である。世間では、18年後に自らも受けることになる大学センター試験第1回に向け、若人たちは勉学に勤しんでいたであろう、そんなときに母を42時間も苦しめた挙句生まれた。記念すべき私の誕生の地は、今やコンビニの駐車場になった。怪しい病院だったので、最もなことだ。  最寄りのスーパーまで車で2時間、生協の共同購

    • 毎日を大切に生きること

       列島がオリンピックに沸いています。テレビ中継を前に、柔道では審判かのように「いっぽーん!」と叫び、体操では着地の瞬間に震え、繊細すぎる卓球のラリーに思わず息を止め、陸上や競泳のスタート直前に静まり返るリビング…。 胸躍り、感動に震え、惜敗に涙し、限界を超える戦いに歓喜する。まさに4年に1度の祭典です。  はー、オリンピックが4年に1度でよかった!毎年行われていたのでは、心と身体がついていけません。戦う者も、応援する者も、この4年に1度という絶妙な巡りだからこそ、心血注げるの

      • 誰かを攻撃したいという気持ち

         「卒業文集最後の二行」といういじめを主題にした道徳教材があります。主人公の私は人を見た目で判断し、集団であることを盾に罪悪感すら覚えることなく、こともあろうかカンニングという自分の罪さえなすりつける。そんな私の心に「大いなる悔い」を与えてくれたのは、彼女が卒業文集に書いた最後の二行だった。 「私が今一番ほしいものは、母でもなく、本当のお友達です。そして、きれいなお洋服です」  私の抱いた「大いなる悔い」とはいったい何だったのでしょうか。果たしてそれが何であれ、生涯にわたって

        • 現役教師が愛する便利アイテム

           新入先生のみなさん!これ、持ってたら便利です。実は、たいていの文房具は事務室で調達できるのですが、世の中には私のような面倒くさがりが、たぶん結構いて(もしくはスーパーアイディアマン)「あー、こんなのあったら便利なのになー」的な、かなりコアな需要に応えてくれるアイテムがあるんですよね、意外と。"Mendokusai" changes the world.  私は初任者の頃に、初期投資!と思って思い切って入手したものや、仕事をする中で「痒いところに手が届いてるぅ~!」と思って重

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          ふるさとを失いたくない―2つの新聞

           地球上のどこにいても、昼と夜の長さが同じ日。世界中で春を迎える喜びの日。自然をたたえ、生ける物を慈しむ日。冬の厳しい寒さに別れを告げる日。今日は、春分の日。  きっと、別れを惜しみ、出逢いに期待し、不安と希望を胸に抱く季節だったはずが、いつしか、3月は先の見えないトンネルの入り口に立たされている気分だ。東日本大震災、コロナによる緊急事態宣言、新学習指導要領の施行、ICTの導入、そして寒さと爆撃音に震えながら地下の防空壕で身を寄せ合う人々。春を告げる風に、心安らぐ日は来るのだ

          ふるさとを失いたくない―2つの新聞

          「ハイブリッド授業」は贈り物か、爆弾か

          学校が学校じゃなくなっていく。 我が自治体では、オンラインか登校か生徒自身が選択できるという「ハイブリッド式」の授業が導入されることになった。 何と何の「ハイブリッド」なのか。オンラインがデジタルなら、対面授業はアナログだったのか。 ICTを使えと言われた。みんな必死になって、使い方を覚えた。生徒への指導方法も考えた。タブレットやソフトを使った授業で、子どもたちの学びが豊かになるように、一生懸命考えた。ICTがただの道具にならないように。教材になるように。学校だからこそでき

          「ハイブリッド授業」は贈り物か、爆弾か

          「才能」か「努力」か論争にケリをつけようじゃないか

           7月は文月と言いますが、文披月(ふみひろげづき)とも呼ばれます。こんな暑さの中、文を広げる気になるかい。和歌でも詠む気になるかい。暑さで寝苦しい不眠月だよ(現在北の国在住なのでエアコンという文明の利器がない)。  前置きはさておき、新聞を開けば、初防衛を掲げた藤井二冠を抑え、一面を飾るは大谷翔平。先発でありながら、見事な抑えぶりだ。今やメジャーといえば大谷選手だが、幼き私の中の伝説は、やはりイチローだ。まったくもって野球の俄かファンですらないのだが、彼の言葉には心動くものが

          「才能」か「努力」か論争にケリをつけようじゃないか

          才能があるから生きていくんじゃない。そんなものあったって、なくたって生きていくんだ。

           初夏の陽気と空から滴る雫が肌にじっとりと纏わりつく梅雨。辞書を手にとってみると、小雨、時雨、五月雨、日本語には雨を表す言葉だけで400語以上もあると言われています。  言語を学ぶ者として、多くの言語に触れてきましたが、日本語ほど言葉の豊かな言語はないと思います。続く雨は憂鬱にもなりますが、時には雨音に耳を傾けながら、心静かに本を読み、言葉に触れ、自分の世界を広げるのも良いかもしれません。  先日、以前本屋大賞を受賞したことで話題となった、「羊と鋼の森」という本を読みました。

          才能があるから生きていくんじゃない。そんなものあったって、なくたって生きていくんだ。

          手のひらの上のつながりは「救い」かあるいは「虚しさ」か

           2019年の師走、記憶を辿ってください。世間を大きく騒がせたニュースを覚えているでしょうか?覚えてませんよね。大丈夫です。私も忘れてました。  先日、そのころに書いた駄文を見つけて思い出しました。そう、連日報道されていた女子中学生の誘拐事件。誘拐された中学生はSNS上で知り合った男とやり取りをする中で、事件に巻き込まれたそうですが、多くの報道番組の論調は「SNSの使い方をもっと教育するべきだ」「SNSの危険性を子どもたちに理解させよう」というものでした。(教師としては、すご

          手のひらの上のつながりは「救い」かあるいは「虚しさ」か

          挑戦し続ける三日坊主は強い

           三日坊主。誰もが一度は(あるいは何度も)体験したことがあるのではないだろうか。ちなみに私は、高校生になったとき「毎日お弁当を自分で作る」と得意顔で家族に宣言したものの、1日で力尽きた。一日坊主どころか、丸坊主にして反省すべきである。  「三日坊主」という言葉には、ネガティブな印象があるが、この言葉を「七転び八起き」と掛け合わせると、実は三日坊主というのはなかなかにポジティブなのかもしれないのであることに気が付いた。とりあえず、聞いてほしい。 報われないかもしれぬところで、

          挑戦し続ける三日坊主は強い

          1じゃ、だめなんだ

          1+1=2、1×1=1。誰にでもわかる簡単な答え。だけど、この2つの式は、時にあなたに大切なことを教えてくれます。 あなたがすべきこと、 あなたにしかできないことが、きっとある。  今日はいよいよ体育祭です。この2週間、朝や昼休み、学年練習や予行を通して、少しずつ成長し、どのクラスも大繩の記録が日に日にぐんぐんと伸びましたね。ここぞというときの集中力や、楽しい雰囲気を大切にできるところが、このクラスの素敵なところだなぁと思います。    さて、ある日の授業中に、友達と仲間の

          さよならとようこそ、桜満開

          旅立つこと、新しい場所に来たこと、晴れやかな気持ちで迎えてほしいから。 こんな旅立ちと出逢いの場所、(使いまわしてますが!)そういう瞬間を大事にしてあげたい。

          さよならとようこそ、桜満開

          うまく生きていくための、習慣ひとつ

           「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、どうでしょう?先日、高速道路の上空を横切っていく白鳥たちの姿を見ながら、はためく白い翼に自分を省みるきっかけをもらいました。  私の家族は、みんなで一緒に出掛けたり、同じものを共有したりするのが好きな帰来で、小さい頃から旅行にいったり、ドライブにいったりすることが多く、貴重な体験をたくさんさせてもらいました。さすがにカヌーを自作したときには驚きましたが。  私の母親は、ホテルや旅館の滞在を終えてチェックアウトする前に、必ずベッドメイキン

          うまく生きていくための、習慣ひとつ

          花残月に贈る、小さな種を

          4月、花残月(はなのこりづき)。桜が散り始め、残りわずかな淡い色をまとった花と新緑の小さな芽が宿り始める季節。枝に残る花たちは、私たちの新しい日々への不安から、過去を名残惜しむ気持ちの表れなのかもしれません。  それでも、人は美しい景色を心の中に焼き付けながら、前に進むものです。ニュースを見ていると、慣れない余所行きの服を着こみ、麗らかな春の陽射しを反射させたランドセルを背負って、嬉しそうに入学を迎える子どもたちの姿がありました。  中学校も高校も大学も、そして社会人(は一

          花残月に贈る、小さな種を

          このマークに優しさを感じる!

          こないだ、道の駅で見つけたマーク。 よく目にする身障者用の車椅子マークだと なんとなーく車椅子の人だけしか 停めてはいけない気がして。 でも、きっとほんとは 妊婦さんも傷病者も ペースメーカーの人も 足の不自由なお年寄りも 末期癌と闘ってる人も 使っていいんだよっていう 思いやりのスペースだよね。 このマークだったら、 使う人も、それを支える人も まわりの人も なんだかもっと 優しくて、あったかくなれる そんな気がして嬉しかった。

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          花と子どもはおんなじ

          「花と子どもはおんなじ」。子どもが花のように愛おしい存在である、ということではないのです(いや、愛おしいのだけれど)。ちょっとだけ、私の話を聴いてください。 「花と子どもはおんなじ」 教師として働き始めた年に、「子どもと花は手をかけないと枯れるけれども、手をかけすぎると腐る」という言葉を、あるベテランの先生から教えて頂きました。  その当時は右も左もわからず(印刷機すらまともに使えませんでした)、自分の仕事や授業の準備をすることでいっぱいになっており、その言葉について考える

          花と子どもはおんなじ