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地方物件を選ぶ時のポイント


 さて、今日は物件選びのポイントのお話です。都会と地方ではどうちがうのか?物件によって最適な営業方法は?ここを間違えると後できつくなるのは目に見えていますので重要なポイントだと思います。


 すでにどのような業態で営業し、どのような時間帯で営業していくのか明確に決めている人はそれに見合う物件を選ばなくてはいけません。しかし、それに見合った物件が簡単には見つからない。きっと好条件を目指していますので、そんな好条件の物件はすでに借りられているかそもそも存在しないかです。
 そこまで求める人は土地を借りて店舗を建てるか、土地から買って店舗を建てるかしましょう。あまり得策とは思えませんが・・・
 店舗は賃貸か?購入か?は別記事で書いていますのでそちらをご覧ください。


地方で成功する優良物件とは

 借りるか購入するか判断する前にどんな物件が良いか見てみましょう。業態や営業時間で左右されますが都会とは違った視点で見る必要があります。絶対条件として駐車場の完備です。都会なら必要ないのですが地方はなんといっても車社会。商店街で開業する場合や駅から徒歩5分以内ならなくても良い場合もありますが基本的には必要です。

地方では

・車社会の為、歩くことに慣れていない
・公共機関で食事や飲みに出たりしない
・一人一台で移動し、飲食店で待ち合わせる

 都会の人には信じられないかもしれませんが当たり前の常識です。駅まで電車やタクシーで飲みに出たりしません。電車も数十分に一本ぐらいしかとおりませんし、終電も早い。タクシーだって駅に数台止まっていたらいいほうです。
 だから皆、車で移動し、飲んだら運転代行(知らない方はGoogle先生で)を使って帰ります。居酒屋だから駐車場はいらないだろうと考えるのは都会の発想です。ましてや従業員を雇う場合も駐車場がなければ出勤も出来ません。
 そして、一番厄介なのが、一人一台で移動する場合です。例えばランチ時間に4人で来店したとします。一人一台なので駐車場に4台の車が停まります。総席数は20程あっても駐車場が4台しかなかったら他の人は来店できません。近くのパーキングなんてありませんし、パーキングに停めてまで来店しません。

 なので居抜き等で良い物件が見つかっても駐車場がなかったり、少なかったりする場合は営業の仕方を考えるか、諦めましょう。そもそもそれが原因で前店舗が廃業している確率が高いです。特に昼間の時間は一人一台が基本と考えてください。ちなみに都会と違って駐車場付きの物件でもそんなに金額が変わるわけではありません。近隣に借りられるのであれば借りた方が得策でしょう。


 それと、もう一つ。居抜きや賃貸の場合、前店舗や前々店舗がどんなお店だったかも影響してきます。
 地方は都会程店舗の入れ替わりが激しくありません。なのですぐに入れ変わる物件は住民の記憶に残ってしまっています。「あそこは何が入ってもダメだ」って言われるんです。そんな負のイメージが引き継がれてしまっているんです。
 どんなお店が入っていて、どれくらいの期間営業して、なぜ辞めたのかは不動産屋さんや大家さんに問い合わせる場合に聞いてみるといいでしょう。単純に1年ほどで儲からずに辞めていた場合は要注意です。
 地方での口コミは顔見知りが多い分、都会以上に怖いので注意です。

駐車場


業態によって立地・規模を判断する

 先に業態は決めがちです。悪いことではないですがそれに見合った物件に出会えるかが問題です。物件は一期一会。あなたの運次第です。
 郊外でのんびりした空間でランチ営業を考えているなら駐車場も広めが必要です。地方でランチが流行っているお店は必ず大きな駐車場を完備しています。回転率の高いラーメン屋さんなどでもある程度の駐車場は必要でしょう。
 気に入った物件があるならそこで多少なり業務転換する柔らかさが必要になってきます。
 なので、先にバッチリ業態を決めてしまうと物件によって左右されるので転換が難しくなってしまいます。ざっくりとこんなカフェしたいなぁ。こんな居酒屋がいいなぁ。ぐらいでちょうどいいです。


立地によって、業態を判断する

 少し難しいですが、こちらのほうが逆にすんなり開業できるかもしれません。普段から空き物件(実店舗でも大丈夫)を見たとき、ここで開業した場合、何をどう売ったら繁盛するか考える癖をつけてください。
 同じカフェでも、少しの立地の違いで売り方が全く異なります。近くにどんな施設があるのか。人の通りが多いのか。車の通りが多いのか。周辺施設の休みは?営業時間は?
 駅から徒歩5分の駐車場無しの物件と駅から徒歩20分の駐車場付きの物件。都会なら駅近が繁盛する確率が高いかもしれませんが地方ではそうはいきません。(商店街内やビル内は別)
 実際に現場に行って目視するだけでも全然違います。色々な営業パターンを用意しといて損はないでしょう。


ネット情報だけではわからない

 物件を探す場合に都会とまた大きく違う部分でもあるのがネット情報です。地方の場合、物件を所有している人が、空き店舗情報をあまり告知しません。というかネット広告をしたことがない大家が多い。ネットに出ているのはごく一部です。空き店舗になっているのに、募集のチラシがない店舗なんて腐るほどあります。なので不動産屋さんに直接行ったり、商工会議所、商店街組合などに直接赴くと色々教えてくれます。

地方開業の強い味方

 今、感染症の拡大で様々な業種が苦戦を強いられています。そこもチャンスかもしれません。実際に僕自身にも、お店を買ってくれないかとか物件を購入しないかなどの話が沢山きます。
 そして、地方に目を向けている方も多くいます。そして、行政や商工会議所も地方で起業する方に向けた様々な取り組みをしています。

 絶対利用するべきは補助金ですね。もちろん制限がありますし、手続きは必要ですが、うまく利用すれば開業資金の半分は国や県が出してくれたり(返済不要)、人件費の補助を受ける事も可能でしょう。
 下記サイトで調べることもできますがこれでも一部のみです。社労士等に直接聞いて資料作成をお願いするのも手ですが費用がかかりますので、開業予定地の行政や会議所に問い合わせると無料で教えてくれます。
 ちなみに他のサイトもありますので、「補助金」や「助成金」で調べてください。

 余談かもしれませんが、もう一つの手段があります。それがM&Aですね。つまり企業の買収です。個人でも可能です。安い物なら100万程で買えますし、現状営業している店舗も多いので開店資金をかなり抑えることも可能でしょう。下記サイトにて地域ごとに調べることも可能です。ただし、現時点で経営難の企業も多いので立ち直せることが可能かどうかを見極める必要はあります。


簡単な判断基準

 さぁいよいよ物件を探す最終段階です。まずは自分のお店がどの立ち位置に存在しそうかグラフで判断しましょう。

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 3業態を記載していますがあくまでも一般的な店舗です。ここで自分のお店はどこぐらいに分類されるか考えてみてください。

 価格帯が安く、滞在時間も長いのが予想されるのであればある程度大きな店舗が必要でしょう。
 価格帯が高いのであれば席数は少なくし、少ないお客様でも満足度を上げる工夫が必要でしょう。
 滞在時間等は椅子の材質や間隔。店舗の雰囲気である程度コントロールも可能ですがあくまでも自分が目指す姿です。その姿と店の雰囲気とお客様のニーズがマッチして繁盛店となるのです。


まとめ

 最後に重要なのは1人でするのか従業員やアルバイトを雇うのかどうかで規模が変わると言うことです。10席ほどのカフェに従業員が2人も必要ないですよね。
 けれど将来、多店舗展開等考えているなら従業員も育てなくてはいけません。その時、小さいお店だった場合は多少人件費で経営が圧迫されることも考えなくてはなりません。
 従業員やアルバイトを雇って中型の店舗の場合、従業員が辞めたら店が回らなくなることも視野に入れとかないといけません。

 ここまでの判断基準と将来の展望である程度見えてくる部分があると思います。内装はそこまでこだわらなくてもやり方次第でどうにでもなると思います。もちろん資金に余裕があれば内装も変えたいですが。
 そこよりも厨房の広さや席の間隔などに目をやるとまた違った視点で判断できると思います。


 良い物件に出会えることをお祈りしております。

  

1人で開業して、ずっと独身生活を送ってきたので全て1人でできると思っていました。しかし、従業員、嫁に支えられ、今では子供にも支えられている気がします。1人の力には限りがある。1人でも応援してくれる人がいればずっと頑張れるんだと自覚しました。よかったらサポートしてもらえませんか。