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ポッドキャスト収録のおすすめ機材:ポッドキャスト入門

デジタルエンゲージの手法の一つとしても捉えられているポッドキャスト。連載企画「ポッドキャスト入門」では、そんなポッドキャストの特徴や始め方を解説します。

今回紹介するのは、ポッドキャストの収録に使う機材です。

音声コンテンツであるポッドキャストにとって、音質はとても重要なもの。気軽にスマートフォン一つで収録、配信することもできますが、映像がなく耳だけで聞く音声コンテンツは、ノイズなどで聴き取りにくいと聴いてくれる人に不快感を与えてしまう可能性もあります。より良いエンゲージをリスナーと作るためにも、良い音質で収録、配信しましょう。

この記事では、ポッドキャストを始めるための高音質で汎用性の高い機材を紹介します。


編集部おすすめは、オーディオインターフェイス×マイク

ポッドキャストの機材は、気軽に使えるスマートフォンからプロが使う高級製品まで非常に多くの種類があり、機能や価格もさまざまです。今回は「企業の担当者が使う」という条件で、以下のシチュエーションで利用する機材を考えることにします。

  • 業務中に収録するため、オフィスの会議室などを利用する

  • チームメンバーと同じ場所で収録できる

  • ゲストやリモートワークなどによるオンライン収録にも対応

これらの条件を満たし、コストを抑えつつも良い音で収録できる機材として、みんデジがおすすめするのが、「オーディオインターフェイス」と呼ばれる機材とマイクの組み合わせです。

オーディオインターフェイスという言葉は聞き慣れない人が多いかもしれませんが、カラオケで使うようなマイクやギターなどの楽器をパソコンにつなぐための機器です。その中でもポッドキャスト入門機としておすすめなのが、日本の電子機器メーカーであるZOOMの「PodTrak P4」(以下P4)です。

PodTrak P4/ZOOM STORE販売価格1万9000円(税込)

ポッドキャストは、ヘッドフォンにマイクがついたヘッドセットやマイク付きイヤフォンをパソコンにつなぐだけでも収録できますが、今回紹介するP4はポッドキャストに特化した製品という特徴があります。具体的には、マイクとパソコンをつなぐオーディオインターフェイスとして使えるだけでなく、音声を録音するレコーダーとしても使うことができるのです。

主な機能を紹介します。

最大4つまでのマイクを個別に収録できる
複数人で収録したいとき、最大で4つのマイクに対応できます。声が小さめの人のマイクを大きく、逆に大きい声の人のマイクを小さくなど、マイクごとに音量調整が可能。録音したあとから音量を調整したいときにも便利です。

リモート収録できる
パソコンに接続するオーディオインターフェイスとして利用できるため、ビデオ会議のような環境でマイクを使ったリモート収録ができます。

対面とリモートを混在した収録も可能
やや上級的な使い方になりますが、P4は会議室に集まって対面で収録するメンバーの音声と、パソコンを介してリモート収録するゲストの音声をまとめて録音することもできます。前述の通り、マイクごとに収録することが可能なため、リモートワークで参加するゲストの音量を調整することも可能です。

P4は他にもBGMや効果音、事前に収録した録音を番組中で使うなど、細かいながらも便利な機能を多数備えています。電源はUSB(Type-C)給電か単3形電池を利用し、本体は片手で持てる程度のサイズなので持ち運びにも便利です。

価格も2万円程度で、オーディオインターフェイスとしては低価格の部類に入ります。音質は最高レベルではないものの、CDと同じ程度の音質(44.1kHz/16bit)で収録できるため、品質と機能、価格のバランスが取れた、入門に最適な1台です。

マイクは価格と音質のバランスで選ぶ

オーディオインターフェイスだけではポッドキャストは収録できません。音声をオーディオインターフェイスへ送るためにはマイクが必要で、「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の2種類があります。

ダイナミックマイクは、カラオケなどで使われるようなマイクで、マイクが向いている方向の音を拾うのが特徴です。一方、コンデンサーマイクはダイナミックマイクよりも感度が高く、繊細な音を拾えるため、騒音がない防音性に優れた場所で収録するのに適しています。

しかしコンデンサーマイクは湿気や振動などに弱いため管理が難しく、複数人の収録では他の人の音声や雑音を拾いやすいため、今回は複数人の収録でもそれぞれの声を録音しやすく、湿気や衝撃に強くて管理のしやすいダイナミックマイクをおすすめします。

低価格ながら音質は十分、ベリンガー「XM8500」「XM1800S」
マイクを複数本買う人におすすめなのが、ベリンガー「XM8500」「XM1800S」。XM8500は1本3780円、XM1800Sは3本セットで6980円と低価格ながら、十分な音質で収録できます。音質と価格のバランスが良いのがXM8500、価格の安さで優れるのがXM1800Sです。

XM8500/SOUND HOUSE販売価格3950円(税込)
XM1800S/SOUND HOUSE販売価格3本セット6980円(税込)

ミュージシャンの収録やライブにも使われる本格派、より音質にこだわるならShure「SM58」
より良い音質を求める人におすすめなのは、Shureの「SM58」です。「ゴッパー」の愛称で親しまれていて、ミュージシャンの楽曲制作やライブなどでも使われているマイクです。

SM58/SHURE公式ストア【楽天市場】販売価格1万5400円(税込)

1人で収録するなら、手軽なUSBマイクも選択肢

なお「1人で収録、または他の人との収録はオンラインでしか行わない」「できるだけコストを下げて収録したい」場合は、オーディオインターフェイスを使わずにUSBマイクのみで収録をする方法もあります。

価格を抑えつつ収録を行うことができるので、状況に応じて検討してみてください。

オーディオテクニカ「ATR2100x-USB」
USBでパソコンとつないだり、オーディオインターフェイスにつないだりと、様々な端子に対応しているダイナミックマイク。オーディオインターフェイスを使わず、パソコンにUSBで接続するだけで1人での収録やリモート収録が可能です。


ATR2100x-USB/audio-technicaオンラインストア販売価格1万1880円(税込)/画像出典:audio-technica

Blue「Yeti」
USBでパソコンと接続できるマイク。これまで紹介したマイクと異なりコンデンサーマイクですが、複数の収録モードに対応しており、1人や1対1での対面、360度全体の音を収録するモードも利用できるため、複数人での収録にも利用できます。


Yeti/logicool販売価格2万1780円(税別)/画像出典:logicool

ケーブル、スタンドなどは利用環境に応じて選ぶ

ポッドキャストの収録では、機器同士を接続するためのケーブルやスタンドなどの備品も必要です。マイクホルダーやUSB Type-Cケーブルはマイクやオーディオインターフェースに付属されている場合もあるので、購入する前に確認してください。

別途購入する人には、この記事で紹介したP4とマイクを使う前提で以下を紹介します。ケーブルの長さやスタンドの大きさなどは利用する環境に合わせて選んでください。

  • マイクホルダー *今回紹介したダイナミックマイクには付属しています。マイクによって別途購入を検討してください

    • SHURE「A25D」/SOUND HOUSE販売価格1320円(税込)

  • SDカード(P4録音用)

  • USB Type-Cケーブル(オーディオインターフェイス用)

  • 有線イヤフォン・ヘッドフォン(音の確認用。「3.5mm」「ステレオミニプラグ」などの形状のもの)

次回は、オンライン・リモート収録における設定など、機材の利用方法を紹介します。

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