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令和の高校野球を語る。


2024年8月14日(水)

高校野球の話をする。
大会が始まる前にはどこが優勝しそうかなぁとか考えて、組み合わせが決まったら、この試合はこっちが勝って、このブロックはここが勝ち上がって・・・とかシミュレーションする(まぁ高校野球好きならみんなやる)。
で、近畿の大阪桐蔭、智辯和歌山、報徳学園は優勝候補に入るなぁと思っていたら、3校とも早々に負けてしまった。
特に、智辯和歌山と報徳学園は好きな高校なので、初戦でそれぞれ島根の大社と茨城の霞ヶ浦に完敗してかなりショックだった。
大阪桐蔭は初戦の難敵、興南相手には盤石の戦いぶりだったけど、今日、石川の小松大谷に完敗だった。
3校とも競り合ってギリギリ負けたんじゃなくて、押し切られて完敗したから本当に驚いた(智辯だけは2者連続ホームランで追いついて、点数的には接戦になったけど、内容は完敗だった)。

大社は伝統ある公立高校で、エースの馬庭くんを中心にかなり力があってビックリした。
数年に一度ある、地方の公立高校が能力の高いエースを中心に地方大会を勝ち上がり、甲子園でも旋風を起こすパターンに見える。
でも、なんか昭和っぽい泥臭さ、悪く言えば田舎臭さみたいなのは無くて、みんなどこかクールで堂々としている。
監督の石飛さんも、ビジネスマンみたいにスッキリしていて、野球部の監督にはあまりいないタイプ。
そして、特にエースの馬庭くんは冷静でクレバーだ(「クレバー」は多分野球用語。「頭脳的」ぐらいの意味)。
ちょっとこれまでの地方公立とは違う気がしている。

霞ヶ浦と小松大谷は近年かなり力を付けていて、甲子園にも繰り返し出場するようになってきた私立高校。
こういう高校には、甲子園常連の強豪校から声がかからなかった中学生が集まることが多い。
一方で、大阪桐蔭や智辯和歌山みたいな全国有数の強豪校は中学生の憧れの的で、優秀な子たちが集結する(智辯は、前は和歌山の子ばっかりだったけど、最近は関東とかからもちょくちょく来ている)。
でも、この結果から分かるように、子どもの頃から優秀だった子たちを集めても、その子たちが順調に成長するかも分からないし、チームとして強くなるかも分からない。
高校になると、小中学校の時には全然敵わなかったような有名な選手たちが集ったチームに勝てるようになる。
サッカー、バスケ、バレーとかだと、そうはいかない。
高校野球は不思議で面白いスポーツだなと思う。

長くなってきた。
誰も読んでいないと思うが、と言うか、誰も読んでいないのを良いことに、続ける。
ここからが言いたいことやねん、マヂで。

本当に、時代が変わったと思った。
令和の高校野球になった。
桐蔭も智辯もガタイが良くて屈強な選手が揃っていたのに対して、霞ヶ浦も小松大谷もスリムな選手が多かった。
桐蔭も智辯も張り詰めた緊張感が漂っていたのに対して、霞ヶ浦も小松大谷もにこやかで明るかった。
軽やかに野球をするチームが勝つ時代になったと思った。

今までだったら、桐蔭や智辯みたいなチームが、たとえ点数的には負けていたとしても、最後には、猛練習で鍛えた強靭な精神力逆転する・・・って感じだったと思うんだけど(「逆転のPL」とか)、力んでいる桐蔭、智辯が、軽やかにプレーする霞ヶ浦、小松大谷に最後までかわされ続けた感じだった。
特に、オラオラしている智辯を、ニヤニヤしている霞ヶ浦が手玉に取っていたのは、強烈な印象を残した。
本当に、今の高校生っぽい。

去年は、「高校野球を変える」と、「エンジョイ・ベースボール」を掲げた慶応が優勝した。
今年になって、これは本当に変わったなと、実感した。

で、優勝校はどうなるか?
従来型の強豪校が優勝するのか、令和らしい高校が優勝するのか。
今年の優勝校次第で、今後十年の大きな流れが決まるかもしれないと思っている。
だから今は、どこが優勝するかより、どういうタイプの高校が優勝するのかに関心が移っている。
さて、どうなるか。
ここからは駆け足で、一気に大会日程が進んでいく。
楽しみだ。

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