見出し画像

【覚書】願いを込めて

私の母は米津玄師が好きだ。
夜な夜な米津玄師を聴きながら寝ているらしい。

父が亡くなり、数ヶ月。
毎日、母にテレビ電話していたのも、ここ最近は
数日に一回になっている。
日常が戻ってきたのだ。
母も以前から続けているボランティアを再開したので、
電話しても出ないことが増えた。
それでいい、と思う。
父が死んだ直後、母に電話するたびに
母がコール2回もならないうちに電話に出るのがなんだか
逆に寂しかった。
母が何もせずに、電話を抱えているのかと思うと
なんだか切なくなってしまった。
私たちが自宅に戻った後、一人になったリビングで
携帯を前にして、昼間を過ごしているのではないかと思うと
やりきれなくなった。
そんな時は、茶化して
「携帯の前で待ってんの?」なんて言っていたが、
なんだか、やはり心配だった。

元々、父と母は寝室が別だったので、
夜の一人寝は慣れたものだとは思うが、
亡くなってすぐの頃はなんだか心配で、
隣で寝ていた。

で、初めの話に戻るが、
母は夜な夜な音楽を聴きながら寝るのが好きらしい。
米津玄師が特にお気に入りで、CDをかけながら寝るらしいのだが、
妹(私からすれば叔母)には「お姉ちゃん、米津玄師聴きながらよく寝られるなあ」と感心されるらしい。
確かに、そりゃそうだ。逆に目が覚めるんじゃないかと思うような曲もある。

そんな米津玄師のコンサートが、今年、行われる。

いつもはダウンロード派で、嵐以外のCDはここ数年買わなかった私が、
久しぶりに手にしたCD。
それが米津玄師の「M八七」である。

これの初回限定版に封入されているシリアルナンバーで
コンサートに応募できる。
母を連れて行ってあげたい。
そう思い、購入し、早速、母と私と子どもたちの名前で応募した。
こんな大所帯で当たる気がしないのだが、
子どもたちも米津玄師は大好きなので、
応募しないと怒られる。
もちろん私も好きだ。
当たるといいな。

https://live.kenshiyonezu.jp/mp/tour2022

ちなみに、父を亡くしてから、私は「Lemon」を聴くと、毎度泣いてしまう。
不意に流れてきた時など、要注意である。
運転しながら流れてくると、グイッと心を掴まれて持っていかれそうになる。
残念ながら、思い出の曲というわけではないのだけれど。
音楽の力はすごいなと思う。
自分の心情にピッタリと寄り添ってくれる。
「同じ気持ちである」という共感はこんなにも
人を癒し、力になってくれる。

音楽やテレビや、映画などに、こうして救われている人が、
きっとたくさん、たくさんいるんだろうなと改めて思う。

https://www.youtube.com/watch?v=SX_ViT4Ra7k



この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします!サポートいただいたお金は、新刊購入に当てたいと思います。それでまたこちらに感想を書きたいです。よろしくお願いします。