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初詣 道を挟んだ お堂見て 地蔵観音 静かに安置

「ねえ、あれなに?」今年の初もうでの帰り、ちょうど神社の鳥居をくぐったところで、今年の春から小学生になる娘が指をさした。指のほうを見て驚く。なぜならば毎年のように初もうでに来ている神社なのに、今まで気づかなかっからだ。そこには道を挟んだところに小さなお堂のようなものが見える。「なんだろうね。行って見よう」そう言って小走りな娘とともに、道路を渡った。

「これはけっこう年季がありそうな建物だ」お堂前に来て建物を眺めてみる。神社にいたほかの初もうで客はだれもお堂のことを気にせず帰って行く。
「観音堂か、観音様が中にいるのかな?」お堂の扉は閉じられていて、中を見ることはできない。だから頭の中で想像するしかないのだ。だから頭の中で思い浮かんでみた。ほほ笑んだ表情をした観音菩薩像を。

「あ、あれ、見たことある」また娘が何か見つけたようだ。再び娘の小さな指の方向を見る。お堂の隣にはさらに小さな建物があるが、そこには数多くの地蔵が立っていたのだ。

「へえ、気づかなかった。毎年来ていたのに」観音堂も地蔵堂も今まで知らなかった。多数の地蔵に手を合わせる。娘も真似をするように小さな手を合わせた。今まで毎年当たり前のように神社に初詣でにきて、当たり前のように帰ることの繰り返しを繰り返している。そんなことだからだろう。神社を出ると視線が帰るほうにしか向かないから全く存在に気づいていないとは。ピュアな心を持ち、まだまだ好奇心が旺盛な幼い娘だから気づいたのだろう。
「教えてくれてありがとう」そう言って娘の頭をなでると、娘は満面の笑みを返してくれた。

「知らないことがまだまだ多い。またこの街が好きになった。そうだ、短歌でもつぶやくか」その時、今年からたしなみのひとつとして始めると決めていた短歌をさっそく実践してみる。

初詣 道を挟んだ お堂見て 地蔵観音 静かに安置
(はつもうで みちをはさんだ おどうみて じぞうかんのん しずかにあんち)

今日の記事「河内長野の西代にある観音堂と地蔵堂」を参考にしました。

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