「この向こうには本当の自由が待ってるのかもしれない」と、ホームドアに手をかける。※センシティブな内容が含まれます



が、次の瞬間、視界が暗転し、

気づいた時には、地べたに転んでいる。


何が起きたのか?

答えはいつも、そう、「人格交代」である。


身を乗り出そうとしたその瞬間、頭の中で「ダメだよ」と声がして、
次の瞬間には意識が無くなるのだ。



日々、どこかの街で自死の報道がされる。

心のどこかで、自分は「羨ましい」と感じる。

俺は、死のうとしたって、死なせても貰えないんだ。


いつもいつも、記事を書く時には、誰かの気持ちを明るくするような、元気を出させられるような、誰かに笑顔になってほしい、今日を生きたいと思って欲しい、そんな気持ちと願いを込めて執筆する。

だがそんな俺も、普段わりと希死念慮を飼っている。
こいつとは身体の年齢が10歳にならないくらいからの付き合いであるので、普段たくさんよくしてくれる友だちよりもよっぽど付き合いが長い。


なぜ、死にたいと感じてしまうのか?
男性の体に生まれたかったから。
なぜ、今日を生きることを恐れるのか?
いつ人格交代が起きて、誰に自分の体を乗っ取られるかわからないから。

ひとえに希死念慮といえど、あまり共感を得られない気持ちが含まれたものなので、泣きあって共感してくれる人すらいない。

常に孤独で戦っているし、人格たちも内面が破茶滅茶な奴らばかりなので、脳内会議で孤立することも多い。

誰も別に俺のことを芯からわかってくれる人はいないし、わかって欲しい気持ちはあるけれど、共感すればするほどつらいであろうことも目に見えているので、共感できる立場の人もできればいて欲しくない。

様々な種類の両価性の気持ちが生まれては消え、生まれては消えをして、時々過呼吸やパニック症状におそわれたときは精神安定剤を内服するなどしてギリギリ人の形を保っている。

それでも、体のどこかにストレスが現れてしまう時はあるので、手指は常に掻きむしってささくれていて、しかも無意識のうちにそれをしているので結構絶えることがない。


俺は普段どこかのコミュニティに属するだけで色んな意味で結構目立ってしまうんだけど、別人格がその場に現れて、言動や行動に差が出ることもあってそれでまた目立つし、この体で生きていて、人生で数人から数十人規模に長期間をかけていじめを受けたことも5、6度ある。

菌のように扱われたこともあれば、激しい妬みの意識からインターネット上で言われのない文言つきで晒されたこともあった。
思春期には「とにかく顔が気持ち悪い」と真横で暴言を吐かれ続けた。



絶対負けない。
負ける訳にはいかない、
バカにした愚か者共を、群れを成してでしかこちらに攻撃することが出来なかった者たちに仕返しをするべく、誰よりも幸せになってやりたいと思っている。


でも、そんな俺の根底にあるのは、今まさに「負けたくない」「腹が立つ」という気持ちを自身が感じたときの、辛く悲しい気持ちたちだ。


俺はきっと、今生を精一杯自分らしく生きてやらないと、来世イケメンに生まれさせてもらえないので、今生を頑張ったご褒美に来世イケメンに生まれ変わらせてもらえる権利が待っているんだと思いたいので、やっぱり、まだ、死ぬのには早い。

きっと過ぎればあっという間で、
未来の俺は「俺よく頑張ったわ!」って自分に言ってるんだと思いたい。
その時のために、まだ死なない。
まだ、生きるよ。



今日、俺はそんな気持ちになりながら、

目の前を素早く駆けていく地下鉄を見送った。

この街には沢山の人が住んでいて、
その中にまだきっと、俺の助けを求めている人がいるから。




拙い記事、読んでくれてありがとう。

たまに弱音を言いたくなるときもあります。
気分にはどうしても波があって、
時には病みもあって、
それらと戦うすべを、明日も探そうと思うよ。




また会おうね。
ありがとう。






千川 悠里(10)

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