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noteでみつけたたからもの

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そっとのぞいてみてほしい。わたしのスキのライブラリー。いつかの、だれかの、珠玉のことばたち。
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固定された記事

【そのことを忘れそうになった夜には】

記憶の糸は、自身が意図しない形であちらこちらにつながっている。良い記憶も、悪い記憶も、な…

碧月はる
1年前
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【今の私にできる、最大限の】

「お母さんのことすきな人ー?」 ちびが、青空に向かって声を張る。自分が出した質問に、自ら…

碧月はる
1年前
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【あなたがいたから】

碧月はる
1年前
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水のように 光のように

わたしはあなたに 感謝を申し上げたい わたしの言葉に 出逢ってくれて ありがとう わたしの…

kitoma
2年前
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ハニー、君をジャマしたい

結婚生活も九年目となると夫婦の関係性は多少なりとも変化してくる。 それこそ新婚当初や、ま…

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孫のチカラってすごい

「ほら見て、この写真。あの子も一人暮らしに慣れてきたってことかねぇ」 お義母さんが嬉しそ…

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【連なる記憶に守られ、悪夢はやがて彼方へと消え去る】

穏やかな年明けを迎えた2022年。しかし、その直後に大きな修羅場が待ち構えていた。思わず書き連ねた切実な祈り。それは多くの人の支えと応援のもと、無事に聞き届けられた。

嫁と姑、わたしたちの「お煮しめ」

「今年でもう最後かもしれないねぇ」 築40年をとうに過ぎた木造の家。板張りの台所は、ヒータ…

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私のミソジニー

頭上より遠く先に、光がぼんやりと揺れている。 酸素が薄く、視界の悪いここに、いつからいた…

斉藤千陽
2年前
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花屋

書くために、書かない時間

最近、僕は文章を書かない。いや、書いてるんだけど書かない。また、なんかおかしなこと言って…

【岸辺で温かい珈琲を淹れて、静かに待っているから】

江國香織の短編小説に、こんな一節がある。 It's not safe or suitable to swim. ふいに、い…

碧月はる
2年前
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あの日の海のきらめきは希望だった

毎年この季節になると、思い出すことがある。10年前、わたしは受験した大学から立て続けに不合…

伊藤チタ
3年前
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私という輪郭を明確にしてくれる小説/吉本ばなな「キッチン」

揚げ物をしている時の、次々に浮かんでは消えていく小さな泡と、カラカラという小気味いい規則的な音。微塵切りの爽快感。洗い終わった後に並べられている皿達の秩序。そういうものを五感を駆使して体内に摂取すると、気持ちが落ち着いてくる。ピカピカに磨きあげたコンロやシンクを見ると、私自身の存在を許されたような安心感を感じる。 私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。 そういうわけなので、みかげが台所が一番好きな場所だと語るこの一文から始まる物語が私の心を一瞬で掴んだのは、必然だ