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【読書記録】ラピスラズリ

2021年7月4日の読書記録

ーこれは落ち葉枯れ葉のものがたり。

わたし好きそうと思いつつ初めて読んだ山尾悠子さん。
冬の館に暮らす冬眠者、そこに現れる亡霊、人形狂いの奥方…
酔いしれるほどに美しい文体は小説というより詩を読んでいるよう。

この物語、難解と有名で物語のつながりや登場人物、時系列を掴むのが非常に難しく頭に入ってこないこともしばしば。
途中から理解することをあきらめ美しい文章を「読む」というより「眺めていた」。
だからどんな物語か、うまく言葉にできないしラストだって正直なところよくわからない。
それでも読み通すことができたのはこの物語の世界や幻想的な美しさに強く惹かれたから。

物語がつながらず掴めない途切れ途切れの美しい記憶の断片は不思議で美しく、でも目が覚めたらなんだったのかわからない夢のよう。
ラピスラズリの読後は夢を見た後の感覚に近く
どんな物語だったか思い出せず、うまく言葉にもできないけど、ただ強烈に美しいものを見た気がするということだけ鮮明に覚えていた。

頭で理解したり知識を得たりミステリーのようにオチを楽しむではなく絵画や芸術作品のように眺め、
ただただ美しさに浸る小説もあるのかなと山尾悠子さんに出会いはじめて思いました。
山尾悠子さん好きな方はどのように読んでいるのか気になります。

2021年7月4日の読書記録


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