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これから起業する方に知って欲しい会計の話⑥ 〜なぜ資金重視の会計を勧めるのか〜

皆さんこんにちは、株式会社HIFASです。
前回までのブログでは、特に起業当初は資金繰り管理を重視する会計をお勧めしてきました。
なぜそこまで資金繰り管理、つまり「資金」を重視した会計を勧めるのかを改めて整理してお伝えしたいと思います。

利益と資金はイコールではない

PL(損益計算書)の利益には、未だ入金がなく又は支払いがないものも含まれている情報です。また、過去に多額の借り入れをして返済がある場合には、その返済によるキャッシュアウトは利益に反映されません
事業を遂行していく中では、事前に大量に商品を仕入れるなど、先行的に資金が出ていくこともあるため、たとえ利益が出ていたとしても手元に資金が少なくなることがあります。
その結果、資金難による「黒字倒産」をしてしまう可能性も大いに潜んでいます。
正確な利益情報は簿記の会計処理を行わなければ得ることができません。したがって、起業したばかりの経営者すべてが簿記や会計に精通しているわけではない中、最初に意識すべきは資金の管理なのです。
資金の管理は難しい知識は必要ありません。少しの意識少しのマメさがあれば誰にでも適切に管理することは可能です。

起業当初は投資の連続

年間や月次のPL(損益計算書)・BS(貸借対照表)の情報は、ある程度成熟した企業には利用価値が高いですが、起業当初〜成長過程の企業にとっては、それらの情報よりもキャッシュ・フロー(資金)の情報の方が重要となります。
なぜなら、起業当初は売上の確保や事業の成長のためにどんどん投資をしていくためにお金を使うフェーズであり、先行的な人件費や設備の投資などにより売上高よりも経費が増えることも多く、短い期間の利益情報はほぼ意味を持たないといっても過言ではありません。
また、BS(貸借対照表)についても、あくまでも一時点の資産と負債の残高である上、その情報だけではそれらの資産負債がいつ決済されるか(キャッシュイン・キャッシュアウトするか)わからないため、移り変わりの激しい起業当初〜成長過程の企業の経営判断に利用するには難易度の高い情報となります。

そのような状況の中では、いわゆる一般的な決算書と言われるPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)を読み解く努力をするよりも、日々動く資金を管理することに集中する方が、経営判断を行う上ではより重要な要素となってきます。

まとめ

簿記で処理された決算情報が必要ないというわけではなく、企業のステータス・成長フェーズに合わせて活用すべき会計情報が違うということを認識していただき、経営において適切な会計の活用をすることが、結果として効率的効果的な経営管理につながるのではないでしょうか。

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