初めて転職して1年経ってわかった転職する前の心得
去年の4月に転職してもうすぐで1年が経ちます。
僕にとっては初めての転職でした。そしてほぼ1年ぶりの投稿です。
ちなみに前職では広告代理店で広告コミュニケーションのプランニングなどをやっていました。そして1年前に転職し、デジマの戦略立案だったりサービスや体験のデザインなどの仕事をしています。
マーケティング業界での経験ではありますが、それに限った話ではないかと思いますので、転職してから今までの約1年間を振り返りつつ、少ないですが心得としてしたためておこうかと思います。
【心得1】「信頼貯金」がゼロになります
僕が新卒で入った会社では、ひよっこの頃から何かと可愛がられることが多かったです。比較的コミュ障なタイプな僕でも、気づけば気の知れた同期や先輩もでき、信頼関係は意識しなくてもできあがっていました。
よっぽど人と関わることが苦手でなければ、多くの方はそんな感じだと思います。
一方で、中途で入社するということは、極端な言い方をすれば「嫁ぐ」ようなもので、それは「外」からやってくるということであり、生まれた瞬間から「家族の一員」だった新卒の時と比べて状況は異なります。
ですので、これまでの自分独自の仕事のスタイルがそのまま適用されにくくなるという点には注意しておいたほうがよかったかなと思います。
たとえ自分のスタイルが正しい(例えば生産性が高いなど)と思っていても(思い込んでいるかも?)、急にそのスタイルで仕事ができると思わないほうがよいです。
「よーし、バリバリ自分の実力発揮するぞー」と意気込むかと思いますが、新しい職場で仕事を共にする人たちのスタイルというものがあるので、そのスタイルには深く注意しておき、まずはそれに合わせてみることが大切だと思っています。
急に持ち込まれる側としては実はあまりいい気持ちはしないものです。その家族の流儀というものがやはりあったりするわけですね。いままでそのスタイルでやってきていた側からすると、実利的には「そのほうがいいかもしれない」と思ってもらえるかもしれませんが、感覚的には「あれ、この人、もしかしたら自分とはあわないかも」と無意識に感じられるリスクもあるわけです。
今まで家族で培ってきたそのやり方や流儀をいきなり変えるというのが、頭ではわかっていたとしても、感覚的にすぐには受けつけられないからです。
守破離(しゅはり)という日本での武道、芸術等における師弟関係のあり方があります。
日本において芸事の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想で、プロセスを3段階で表わされる。もとは千利休の訓をまとめた「利休道歌」の一つにある、
「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用したものとされている。まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
(Wikipedia)
簡単に言うと、「まずは同じことをやる。それをやっていくうちにより自在なやり方にたどり着く」という関係のあり方なわけですが、
新しい職場の「内の人(師匠)」にとっても、「外から来る人(弟子)」にとっても、どちらにおいても、信頼関係を構築してしていく上でも、理にかなった考え方ではないでしょうか。
転職活動をして、内定をもらって、退職して… この時は案外意識が「自分」に向いている時だと思います。
この勢いのまま入社したときにそのまま「じぶん!じぶん!!」となってしまわないように、周りに注意を向けられるように、自分のためにも、相手のためにも、この精神を頭の片隅にインストールしておくべきだと僕は思っています。
ただし、「破」って「離」れるために「守」ることが大事です。
なじんで、守りっぱなしでは、自分らしさがだせていないことになります。
【心得2】その職場でのポジショニングが問われます
僕はこの1年かけてやっとこの「守」ることができてきました。
信頼貯金の残高もそれなりに貯まってきた気がします。
そんな中でも、自分の中でこの問いに対する答えをどこかで出さなければと思っています。
自分はその職場の中では何者なのか?
選考時の履歴書に書いていることは誰も細かいことは覚えていません。
その職場で成果を出す上で、その職場の中で稀有な存在になることが一番手っ取り早いわけですが、僕にはこの視点が意外と盲点だったのです。
転職活動の際は、「自分がやりたいこと」という視点で会社を選ぶことが多いかと思いますが、実際に採用されてみると自分がやりたい分野のスキルや経験を持った人はゴロゴロといました。
そりゃそうですよね。そのスキルを身に着けたいからその会社に入ったわけですから。そして、「会社>部門>部署>課」と単位が小さくなればなるほど、スキルセットが似ている人が集まります。
ですが、その環境下でどう成果を上げるかということを考えたときに、
即戦力を求められているにもかかわらず、「同質的な人が集まるその最小単位の職場の中で、稀有な存在としての自分なりの価値」を出していかなければならない
わけです。
つまり、「自分はその職場の中では何者なのか?」という問いに対して答えなければならないわけです。
この状況下において問われるこの問いが、今回の転職において非常にチャレンジングな部分でした。
もちろんスキルが圧倒的な人は問題ないかもしれませんが…
「周囲のレベルが高いところに転職する」ということは、「自分は(最小単位の)職場の中では何者なのか?」というこの問いに対して答える必要があるということは案外盲点かもしれないので、ぜひ問うてみてください。
というお話でした!
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