【黒歴史】(妄想)もし西島秀俊が旦那で、緋村剣心が元彼で、羽生君が・・物語 第2話
*こちらは、2015年3月にブログで発表していた完全に黒歴史時代の妄想小説になります。かなり鬱テイストなので、エグイです。
第2話
私は、高橋さんに言われるがまま整形して美貌と巨乳を手に入れた。
私の顔は、高橋さんがずっと忘れられない元カノの顔に変えられた。
高橋さんの元カノは、交通事故で24歳の若さで亡くなった。
高橋さんが運転した、車の助手席で息を引き取ったのだ。即死だった。
高橋さんが、プロポーズしようと思って食事に誘った時の事だった。
高橋さんは、それからずっと元カノが忘れられず、独身のままだった。
勿論、綺麗なお姉さん達と沢山遊んできたそうだ。
しかし、哀しみを乗り越えようとガムシャラに仕事してきた高橋さんのお金にばかり関心を示す女達に愛情を感じる事はなかった。
そんな中、自身の腐女子時代の話をあけすけに話す私に、興味を持ったそうだ。
面白いキャラだから、何とか売り出したいと考えた。
しかし、私の本来の風貌では売れない。
だから、お直ししてデビューさせてあげたいと思ったそうだ。
私は死んだ。
そして、今日から「坂崎さゆり」として売り出す事になったのだ。
名前は、高橋さんの元カノと同じ名前だった。
高橋さんは、どこまでも元カノのクローンを作りたかったのだろうか。
私は、バージンだけど。
高橋さんの愛人になるのだろうか?
しかし、そんな不安を他所に。
高橋さんは、自分が所有するマンションの一部屋を貸してくれた。
「ここには、僕の愛人 兼 芸能人が沢山生息している。
しかし、あんたにはね。
どうも性欲が湧かなくて。
たぶん、元の顔を知ってるからかもしれないが。
なんか、汚れて欲しくないという思いもあるんだよ。
そのまま、素直に突き進んで幸せを手に入れて欲しいんだよ。
あんたを、必ず売れるようにしてやるから。」
高橋さんは、早速私の為に仕事を見つけてきてくれた。
「NEWS西島」という、深夜枠の映画討論番組である。
メインパーソナリティーが、映画大好きの西島秀俊さん。
そして、レギュラーが斎藤工、市原隼人、桃井かおりさん。
そして、時々、スペシャルゲストに織田裕二さんや、大竹しのぶさんなど大物ゲスト達が登場したりと、
実に豪華な番組なのだが、
あまりにも、討論内容が熱い上に、マニアックすぎて深夜枠でしか放送出来ないという難点があった。
私は、そんな西島さんのアシスタント要員で出演出来ることになったのだ。
「あたしさぁ。
肌の為に、睡眠時間は守ってんのよねぇ。
これ、深夜枠放送だけど収録は昼間で何とか助かってるわぁ。
20代は、いいのよねぇ。
でもさぁ、30代になるとさぁ。
肌が、こう、なに?
言うこと聞かなくなってくるみたいな?
だから、そう。ドモホルンリンク○もいいけどさぁ。
やっぱり、私はずっとコレがお気に入りなのよ。
これ、砂漠の中のロケで火照った肌に使ったらねぇ、全く日焼けにならなかったんだからぁ。
ほら、あんたも。これ、これ使ってもみ?ね?ね?」
と、今日のスペシャルゲストの桃井かおりさんからSK2のシートパック貰った。
本当に、大物なのに気さくで良い人・・。
ただちょっと、話がただでさえ気だるいのに長いけど。でも、嬉しいな。
しかし、桃井かおりさんから、シートパック貰って喜ぶのも、つかの間・・。
司会の西島さんから、楽屋へのお呼びだしがあったのだ。
「君!何をやってるんだ!
僕らの真剣な討論話を、
君は「まだまだ、そんな話やるんかよ。つまんねぇなぁ。早く終わってよ。」みたいな顔していただろう?
一人がそんな気持ちで、番組に取り組んでいたら、全てに迷惑がかかるんだぞ!
みんなで、一つの番組を作り上げる努力が必要なんだよ!
あんたの仕事は、
ただプラカードを僕が持ってこいと言ったら、言われるがまま持ってくる。
それじゃ、駄目なんだよ。
正直、それじゃ小学生でも出来る仕事だよ。正直、あんたじゃ無くてもいい。
今は、業界人の高橋さんのコネで此処にいれるのかもしれないけど。
ここから先は、自身の努力と実力が勝負だ。
運を呼ぶにしても、
努力してない人の所には来ないんだよ。
あんた?
この世界で、売れたいんだろ?
だったら、どんなに一瞬でもテレビに映った時の事を考えて、常に計算しないと駄目だ!」
産まれて初めて、男の人に怒られた衝撃だった。
いつも、先生にも親にも怒られて来なかった私。
先生は、いつも一人でいる私を面倒くさがっていた。関わろうとしなかった。
マリカ達に、ハバにされてる姿を見ても見て見ぬフリだった。
父親は、常に家に帰らない男だった。
基本、誰にも関心など持たれた事などなかったので。
怒られる事もなかった私には、とても衝撃的な事件だったのだ・・。
私の事を、人生で初めて本気で叱ってくれた男が、将来の伴侶になるなんて。
あの頃は、知る由もなかった。
まだ新人だった私は、
とにかく目の前にある仕事を、
こなさなければいけないということで一杯一杯だった。
この業界に入るまで、ずっと有名になって良い男と結婚する事だけを考えてた。
自分が有名になれば、良い男と会える。
しかし、世間一般にいう良い男という者は、非常に扱いにくい人が多い。
一緒に仕事をすることになったイケメン俳優達は、どれも個性が強すぎたのだ。
アクの強い男たちが、ガチの演技討論を繰り広げるという番組のアシスタントをしていたが、本当に収録するのが大変なのだ。
みんな、「俺が!」「俺が!」と、話をするので、まとまらない。
そんな時に、「うんうん。そうだね。」と、空気を纏める感じの役割を果たす為に、恐らくレギュラーになった斎藤工さん。
しかし、先輩俳優の前では何もいえず遠慮しがちな為、あまり意味が無かった。
先輩俳優にも、ガンガンに突っ込むのは市原隼人君位で、
「それ、違うッスよ!俺は、やっぱ。なんかこう、アレじゃないかって、思うッスよ!
あの映画の、あのキスのクダリはカットでいいと思うッス!
正直、キスになんっーか・・・
なんかこう、熱さッスよ!熱さというか!
思いというか!
もっと、ブチューっていって、女もブワァァって泣いて!俺ッ!そういう絵柄こそ真の演技だと思うッス!
あのキスシーン、マジ男も女も手ェ抜いてる感じがするっす!
ああ、なんかもう俺!途中で、俺変わりたいぜぇぇ!って思ったんすよっ!
俺自身、マジで事務所からNGかけられてるのか何かわかんねーっすけど、
基本、キスシーンが少ない俳優の一人だと思うッスよ!
俺も、若手俳優の池松(池松壮亮・・紙の月って映画で宮沢りえと共演した、若手俳優さん)みたいに、もっとセクシーな役とかも挑戦したいンスよ!本当は!
でも、なんか世間にはルーキーズの演技のイメージが強すぎるっつーか。
似たような役ばかり回ってくるんすよ・・。
おっ、俺も父になったことだし。
そろそろイメチェンも図りたいんスよ!
わかりますかねぇ?西島さん!?
僕が言いたい事?
え?何?
あんた、結局キスしたいだけなんじゃないのかって?
ち、ち、違うッスよ!だから、僕が本当に言いたいのはっ・・」
ああ。
今日のイッチーも、話が長いなぁ。
テレビで見てた頃は、私の周りはみんなイッチーのファンだったけど。
実際、憧れの存在が近くに毎週いると。
憧れだった存在でさえ、当たり前のように感じてゆく。
恰好いいとか悪いとかの前に、
「いかに、仕事しやすいか」しか考えなくなっていったのだ。
収録時間は、そんなに長くない時もあれば、一日かかる時もある。
収録がロケの時は、基本日にちがかかるのだ。
しかし、どんな時も常にストイックなナビゲーターの西島さんは、毎度私を楽屋に呼んでは、激しい叱責が繰り広げられた。
しかし、厳しい事ばかりではなく。
西島さんは、ロケの時や収録が遅くなるとご飯に誘ってくれた。
ロケの時。
ロケ弁があるってわかっていながらも、
ちょっとした手作りお菓子を作って出演者に食べて貰ったりもするようにしていた。
毎週良い男を見ては、本当に何が自分に大切なのかを見極める事にも繋がっていたけど、
勿論それだけでは、良い男は捕まえられない。良い男を捕まえる為には、自身の努力も必要だ。
まして、私のような整形で手に入れた美貌と妄想癖しか武器のない女。
この業界の、何もしなくとも煌びやかな女たちには、黙ってるだけでは太刀打ち出来ないのだ。
私は、手作りお菓子や、
深夜遅くまで収録がかかりそうな時は、
差し入れの手作りオニギリを持っていくようにしていた。
第一線で活躍している男たちが求めているもの。
それは、ふとした時の癒しだったり。
「この人になら、素を見せれる」という、信頼なのではないか・・。
最初は、まともに相手にもしてくれなかった出演者達から、私の手作りお菓子やオニギリは好評だと噂が広まった。
そして、西島さんも私のオニギリを「うまいうまい」と、嬉しそうに食べてくれた。
映画で、役作りの為に減量する時は、オニギリやお菓子ではなく、オリジナルのダイエットメニューを考案して持っていく徹底ぶりの私だった。
気がつけば、いつも怒る西島さんが「うまいうまい」って喜んでくれるギャップがたまらなかったのかもしれない。
西島さんは、ある日私をご飯に誘い
「僕の嫁になって、これからもずっとサポートしてくれないか?」
と、ハリーウインストンの指輪をプレゼントしてくれたのだ。
ハリーウインストン。
たまたま、西島さんと楽屋のテレビでワイドショーを見てて
「あ、この方。前、西島さんと共演した女優さんですよね?
最近、結婚したばかりなんですよね!
結婚、凄いお金持ちの人としたんですよね?
たしか、指輪、ハリーウインストンって所のみたいです。
いま、女子達からの憧れのブランドみたいですよー。
私は、貰えることないと思うけど、でも素敵ですよねぇー。いいなぁー!」
と、ボヤいていたのを、
西島さんは「ふうん」と言いながら、聞いてくれていたのよね。
実は、アレ。
私なりの計算トラップだったんだけどさ(=゚ω゚)ノえへへ♫
私は、東京に来て。
全身整形して、美しくなって。
そして、マリカ達も羨むような大物イケメン俳優と結婚出来るんだわ・・。
やった・・やった・・
やったどーー!
あっ、私としたら!
やだ。はしたない!
心の底で黄金伝説の、よいこの浜口出しちゃった!
なんて、心の中の実にどうでもいい葛藤は、あくまで心の中で収めておきながら・・
私はただ、「よろしくお願いします」と、彼の求愛を受け入れたのだ。
続く
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