思い出と
使い古した
合鍵と
キミを残して
閉じた玄関

「手、つなごっ」
その一言が
ボクたちを
『トモダチ』じゃない
『トクベツ』にした

「好きだよ」と
声で聞けたら
それだけで
1週間は
生きていけるな

いつ会える？
一度は文字に
してみても
そこから先は
指がフリーズ

悦びが
肌を火照らす
初めての
夜に重なる
燃える心臓

「また明日」
笑顔で見送る
キミの背に
呟く「好き」は
届かないけど

意地悪な
私の胸のセンサーは
実らぬ恋に
反応したがる

あとちょっと
もう少しだけ
あと5分
離れたくない
離したくない

消しゴムを
貸し借りしてる
それだけで
幸せだった
遠いあの頃

あれ、私
こんなに笑う
人なのか
あなたに会って
初めて知った

こらえなきゃ
涙が溢れて
くる前に
抱きしめ続けた
『好き』を言うんだ

少しだけ
冷たい肌が
懐かしい
離れて知った
その温もりを