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展覧会づくりの舞台裏で、お客様の声をきく。

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コロナ禍どさくさ企画「器と絵筆ー魯山人、ルソー、ボーシャンほか」展(2021年1月〜2月)が開いて閉じるまで。そしてお客様の声が届いた時のことも。
運営しているクリエイター

#習慣にしていること

「休館中」ではなく「オンライン開館中」と表現できるヴィジョンの清々しさを知った日。

「休館中」ではなく「オンライン開館中」と表現できるヴィジョンの清々しさを知った日。

2回目の緊急事態宣言から1週間。世田谷美術館は、今のところ開館中。平日は「貸切」に近い、2021年1月半ば現在。

近隣で無理なく来れる方には、いらしていただきたい。が、近隣だろうが何だろうが、行きたくても行けない、という方々がたくさんいらっしゃることも、リアルに理解している。

こういう状態がもはやデフォルトである。この1年で学んだ。としたら、あらためて、美術館はどういうスタンスでメッセージを発

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展示室を独り掃除する。2020年、仕事納め。

展示室を独り掃除する。2020年、仕事納め。

年明け1月5日開幕の企画展「器と絵筆―魯山人、ルソー、ボーシャンほか」、12月26日に展示が仕上がった。

12月27日、年内最後の出勤日は会場撮影。カメラマンが到着し、会場の扉を開けてから気づく。

・・・仕上がってない。

掃除が。できてない。

展示作業終了の翌日に内覧会&開幕、という通常パターンだと、清掃チームがオープンの朝から念入りに会場を掃除してくれる。が、今回はコロナ非常時パターンな

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明日には看板が出る。「器と絵筆」展。

明日には看板が出る。「器と絵筆」展。

そして首肩ゴリゴリ眼しょぼしょぼの私。頼まれてもいない宿題をさっきやっと終えたのだ。展覧会場に出す解説、素朴派のパート、800字×3本。

ひとつは章解説で、前回の投稿で「書けない」とぶつぶつ呟いたやつだ。あのあと1週間かかってクリア。

目を通した古株の広報担当者、「なんか、今までにない感じの素朴派解説だよね。プレスリリース読んだときは、もっと”ふつう”になるのかと思ってた」。

いやぜんぜん”

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今頃ポスターの色校正。額縁をちょっとだけカスタマイズ。解説がいまだに書けない。

今頃ポスターの色校正。額縁をちょっとだけカスタマイズ。解説がいまだに書けない。

しかしもう12月。担当する「器と絵筆ー魯山人、ルソー、ボーシャンほか」展の開幕まであと1ヶ月ちょっと、の、つらつら徒然メモ。

広報印刷物が、諸事情で遅れている。納品は12月なかば。年内に郵送しても封を開けてもらえるのは年明けか。まあいいよ、しょうがない。それにしても、コロナ前から思ってたけど、ポスターとかチラシというブツは、今後いつまで世の中に流通し続けるだろう?いつかなくなる日が来るのではない

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「器と絵筆ー魯山人、ルソー、ボーシャンほか」展のプレスリリースがかたちになってきた。

「器と絵筆ー魯山人、ルソー、ボーシャンほか」展のプレスリリースがかたちになってきた。

ここに至るまでのあれやこれやを今一度。

この年明けの企画を私が担当するのは「非常時」だからである。自分の元々の企画が無期延期になり、他の学芸スタッフは忙しく、冬に暇っぽいのがたまたま私だった。守備範囲でできる写真展を提案したが却下され、魯山人と素朴派を出すようにという上からの指示。工芸の展覧会はやったことがないし、素朴派にまつわるフランス語の文献も読めない。でもなんとかするしかない。担当の決め方

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