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「地球人」を目指す

先日、出張の際、飛行機利用でJALに乗った。機内誌をペラペラとめくっているとJALのSDGsの取組として「地球人講座」というものをやっていることを知った。

「地球人講座」というのは、地球規模で考え、行動できる次世代の「地球人」を育成するための「地球人育成プログラム」らしい。

多くの子どもたちに国や地域を超え、人々と共に大きな目的を実現することの意義を考え、「地球人」を目指していただきたいーそんな思いをもって,
2003年度より国内外各地で「地球人講座」を開催してきました。

JALグループ機内誌「SKYWARD」2022.05

今月号では、JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんが講師となって、オンライン講義の話が紹介されていた。講義では国際宇宙ステーションの話や、宇宙から見た地球の美しさや、太陽や月や金星が昇ってくるときの美しさの話があったという。ISSから撮影された美しい地球の写真も掲載されている。

日々の日常生活を送っていると、どうしても目のまえのことにしか視野に入ってこない。視野を広げたとしても、世界のニュースとか、外国のことで、地球の上で生きていることを忘れてしまう。とても近視眼的だ。

しかし、ここで紹介されているような宇宙からみた美しい地球の写真をみた時、自分たちが宇宙に浮かぶ、青く輝く地球に生かされていることをあらためて知らされる。日々の日常生活であくせくしている自分がとてもちっぽけにも思えてくる。

「地球人」という言葉が私は好きだ。
国や、人種、言語、民族、宗教は違えども、私たち地球に生きる人間は、ともに同じ一つの太陽からエネルギーを受け、そして同じ地球で生命を育まれている「地球人」であることは紛れもない事実だから。

簡単にいうと、『同じ「地球人」なんだから、仲良くやっていこうよ』ということだ。

日本もかつては、同じ日本人同士なのに、全国の各藩でいがみ合っていた。「日本人」という概念がなかった。それだけ近視眼的だった、ということ。

しかし、今、「藩」は無くなり、同じ日本人同士が「藩」の違いで争うことはない。
むしろ、オリンピックやワールドカップなどスポーツの世界で日本人の活躍をみて同じ日本人として誇りに思ったり、あるいはノーベル賞を日本人がとったら、同じ日本人として誇らしげに思う。外国との争いでも日本人として、「日本人」意識が先立ち、日本人として愛国心もわいてくる。「日本人」意識が当たり前になっている。

外国との違い、同じ言語を話し、同じ政府のもとにあり、同じ文化のもとに育ち、同じ(広い意味で)価値観をもち、(広い意味で)同じような教育を受け、説明しなくてもわかりあえる阿吽の呼吸のようなものもある、そのような同朋意識が明治以降育まれたため、「日本人」意識が根付いたのであろう。明治維新が1867年であるから、ほんの150年前の話のことである。

では、これから150年後の世界はどうなっているのであろうか。おそらく今よりもさらなるスピードで科学技術が発展し、私たちの生活も確実に変化していることであろう。地球各地への移動は今よりももっと気軽になり、宇宙旅行も日常になっているかもしれない。その時にもまだ、国や、人種、言語、民族、宗教の違いによって争っているのだろうか。

今の日本人が、かつて日本人同士争っていたことがとても無益に思えるように、150年後の地球に住む人類が、今の地球をみて、無益な争いをしている、と思えるようになっていてほしい。
地球上でこれまで起きた、そして今起きている争いから私たち人類は学び、国や、人種、民族、宗教の違いで対立するのではなく、違いを認め合い、話し合い、尊重し、生かし合うにはどうすればいいか。

そのキーワードの一つが同じ地球に生きる「地球人」という意識ではないだろうか。

太陽に生かされ、地球に生かされている私たち。

国や民族を超えて、私たちは同じ地球に住む「地球人」という意識がこれからは必要だと思う。地球に生きる「地球人」みんなが手をつなぎあい、平和で、仲良く暮らせる世界を私は夢見ている。


豊かな地球を次世代に引き継ぐ責任を果たすため、未来に続く豊かさを地球規模で考え自ら行動できる「地球人」の育成につながる事業を展開してまいります。

JALグループ機内誌「SKYWARD」2022.05

「地球人」の育成に取り組むJALのこの事業を応援したい。そして、私自身も「地球人」として生きていこう。

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