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記念すべきその他大勢

―The others―
他の人と同じでありたくないと、
思い続けてきたんだと思う。
自分は違うんだと言いたかったんだ。

実は同じ。
実は違う。
驚くほど。

ちくっとする知人がいる。
高校からの付き合いだけど、
思慮深くて、用心深い友達だ。

僕はせっかく人間が進化の過程で培った
この脳という器官を使わずに生きるタイプだ。
単細胞的な直感を頼りに生きてきた。

その友人は、真逆。
だからいつも違う視点がもらえる。

「しゅんやって、
綺麗事しか言わないよね」

お互いを知ってるからこそ、グサりと刺してくる。
少しは手加減してくれよ。
まぁ、こんだけ本音をぶつけてくる人間は
貴重だろうか、、、

「誰かの言葉を
自分の言葉のように喋ってるみたい。」

中身がないんだろうな、、、
格好つけたいし、上部しか見せないってことかな。

「軽いんだよね。心配するくらい」

WTF???

‐What the fuck.‐の略。ほとんどの洋画で一回は出てくる可能性がある(ないけど)「何言ってんだお前」というニュアンスの俗語。割と好き。

思わず口から出そうになった。
いやまさにこのタイミングのためにこの言葉はある。

そう思いつつ、そうかもねと返す。
あってるからだ。
ぜーんぶ、あってるのだ。

これだけだとその友人はとんでもなく
面倒くさいやつに思えるかもしれない。
それはとんでもない誤解だ。
自分というバランスを保つための
裏カウンセリングみたいなもの。
自分を冷静に見つめることができる。

そういう友は貴重だ。
P.S.この後その友人を叩きのめす妄想をしてから、バカなのりで話せる友人にすぐ電話したのはバランスを保つためだ。

後悔と挫折と苦悩と失敗の人生。
That's all i got.

朝2時のコーヒーを飲みながら、
その友人との会話を反芻する。
くそやろうめ、言いやがる。
ひとりごちる。

こういうときは、
映画マネーボールのワンシーンが頭に刺さる。

I'm just a little bit caught in the middle
(板挟みで、いまちょっぴり落ち込んでる)
Life is a maze and love is a riddle
(人生は迷路で愛は解けないパズルみたい)
I don't know where to go, can't do it alone
(どこへ行ったらいい 一人じゃできないもの)
I've tried and I don't know why
(試してみたけど どうしてなのかわかんない)

娘が歌うThe showをひとり聞きながら、
父親役のブラッド・ピットの目が潤む。

ああやって泣きたい。
ひとり静かに、
想いに囲まれて泣きたい。

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