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萩暮らし2日目【萩市三見の朝】漁港で買った天然鯛で鯛茶!(4月20日)

山口県萩市の、漁港に近い、古く小さな駅舎で始めた「お試し移住」。2日目となる4月20日(土)は、まずは近隣の“偵察”という名の散歩から始まりました。(事前の準備編①〜⑤は、こちらのマガジンから読めます)

目覚めは自然の中で

萩暮らしが始まって最初の朝、目覚めて最初に気づいたのは鳥の鳴き声でした。

「代表・Mが大音量でインスタ動画でも観てる…?」
と思ったのですが、リアルの鳥です。

何種類もの違う鳥が、それぞれ思い思いに歌っていて、にぎやかなのですがとても心地良い。鳥の声で目が覚めるなんて、一体いつぶりでしょうか。なんだかじっとしていられなくなり、朝食の前に散歩に出ることにしました。

「さんちゃんち」は海まで近く、歩いて5分ほどの距離です。静かでひと気のない道を歩いていると、時々トンビが頭上を旋回します。

まずは駅舎からホーム(下り側)に出て、黄色いペンキで塗られた跨線橋こせんきょうを渡って反対側のホーム(上り側)から外に出ると、三見の「浦」と呼ばれる地域に並ぶ家屋の路地を抜けて、三見漁港に出られます。

「魚屋さんってこのあたりだよね?」

この三見漁港の近くをGoogleマップで見ると、駅舎「さんちゃんち」と海のちょうど中間あたりに魚屋があると書かれており、私たちはその店が開いているのかどうか、ずいぶん前から気をもんでいました。

何度も書きますが、ウチの代表・Mは肉を食べないので(理由は本人もあまり説明しないのですが、アレルギーとか特別な主義主張ではなく、ある日パッタリと肉を食べるのをやめた)、昼も夕飯も毎日、魚やエビなどのシーフードのみです。

レンタカーをずっと借りている訳にもいかないので、日曜日の夜から1週間は車なしの生活。どう1週間買い物をせずに生活するか、脳内でシミュレーションしてはきましたが、近所で魚が買えればそれが一番です。

マップを見ながら進みますが、どう考えても魚屋らしいものは見当たりません。マップのピンがあった場所は駐車場。すぐ近くにあるうどん屋(であるはず)の場所には、半分崩れた廃屋がありました。


「やっぱり店はないのかなあ…」
半ばガックリしながら海へと向かっていくと、海沿いの道路にトラックが止まり、発泡スチロールの箱がいくつも並んでいます。

新鮮な魚が売ってる…!

「もしかして…!」
大きな鯛、箱いっぱいの甘えび、ふぐ、イトヨリ、アジなどが並んでいます。ちゃんと値札もついています。

Mが「あの、池田英雄鮮魚店さんですか?」と尋ねると、
「そうですー!」
明るいご主人と奥様は、並べている大きなブリをさばいたり、買い物に来た近所の方々の対応もしながら、いろいろ話してくれました。

水曜日と日曜祝日以外は店を開けていること。大きい魚は半身での販売などもOK。売っている魚は、萩市の観光拠点として人気を集める「道の駅・萩しーまーと」の近くにある魚市場(JFやまぐち萩地方卸売市場)仕入れていること。

釣りもできるのでは…!

「あとで、また寄りますね」とお伝えして、私たちは大きな防波堤に向かって散歩を続けました。

三見漁港の防波堤から北を望む

防波堤の上にはいくつか大きな影が見えます。
近づいてみると、何人かの釣り人がいました。

「何が釣れるのかな?」
海沿いの街で育ち、子どものころは魚釣りが趣味だったMは無邪気にウキウキしています。
「もしかして『きのう釣り道具買えばよかった』って思ってる?」
「きのうダイソーに寄った時から考えてる」
わかりやすい釣りスポットを見てMはすっかりその気になっています。

少し曇っていたが風もなく穏やかな朝で、漁港内は“明鏡止水”の趣き

夕飯は鯛茶に決定です!

この時期はアオリイカやヤリイカが釣れるとのこと。ただし、最近は数が減ったのか、なかなか釣れないそうです。そういえば、私たちが防波堤を散歩している間には、誰も釣り上げてなかった…。

池田英雄鮮魚店で2000円の体長25センチほどの大きな鯛を、刺身のサクと塩焼き用の切り身にさばいてもらい、頭や骨(アラ)もいただいて私たちは駅舎に戻りました。

刺身はそのまま食べるのではなく、ダシ汁をかけてゴマなどと一緒に「鯛茶漬け」にしよう。アラは早速、うしお汁を仕込んで、切り身は明日焼くか蒸すか――。すぐに食べきれそうです。

さあ、朝ごはんを食べて買い出しに行かなければ。山口宇部空港で借りたレンタカーは、あす21日まで。夕方には萩市内で返却するので、それまでに買い物などで走り回ります。

【コメント by M 《2024/4/20》】

 三見漁港は、カモメなのかウミネコなのか(鳴き声は青森県八戸市の蕪島にいるウミネコに近い)が多数いて、トンビも飛び回り、鳥の声が賑やかな港である(人はいないのですが)。日本全国の海浜部にある数多くの漁港と同じようなたたずまいながら、その“ウミネコ感”に親近感を覚え、港内は風の強い日でもいでいて、のんびりした雰囲気がいい感じ。

防波堤から眺めた三見漁港の景観

 魚屋(池田英雄鮮魚店)で鯛をマルで買った後は、車もある今のうちにということで「道の駅 萩しーまーと」も立ち寄ってみる。萩中心部から北東方面へ。近くには「萩焼会館」や、世界遺産(「明治日本の産業革命遺産」)となった萩反射炉(幕末期の安政3年=1856年に西洋式の鉄製大砲鋳造を目指した萩藩が試作的に築いた溶鉄反射炉の遺跡)などがある。

 昼どきだったので、まずは腹ごしらえ(こればっか)。

「萩しらす丼」

 萩は「シラス」も豊富に獲れるそうで、生シラス丼を注文。Yは海鮮天ぷら丼(だったか、ネーミングは不正確かも)をオーダーした。うまい。平日の昼とあってレストランにもスムーズに入れた(休日は混み合っているそうで、行列もできているとか)。

 街を歩き回り、走り回っていくうちに、だんだんと位置関係や地元の事情を把握できていく。この感覚が好きなのである。

※扉の写真は山陰線の下り側ホームからみたJR三見駅。黄色い跨線橋は階段部分が赤く塗られていますが、年季が入っていてけっこう古めです。

◆次回は「山陰線で電車デビュー」についてです。


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