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【詩集4】女の哲学(コズミック・オーガズム)

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詩集「コズミック・オーガズム」は霊的ワンネスを官能的な詩で表した詩です。 【詩集4】は、やがて愛が成熟しふと我に返る時、永遠に変容してしまった世界の中で、自分はいったい何者だった…
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2020年8月の記事一覧

誕生日の朝に|女の哲学

誕生日の朝に|女の哲学

  明け方突然やってきたエネルギーは
  私の身体を包み込み暖めてくれた。

  緊張しきった私の筋肉をことごとくほぐし
  冷えた体を熱くした。

  あなたを感じた。
  私と重なるあなた。

  あなたの香りは私を徐々に溶かしていく。
  まるで何もなかったかのように。
  そう、何もなかった。

  最初から何もなく
  あったのはただ
  二人が存在しているという事だけだった。

  私

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何もしなかったというのに|女の哲学

何もしなかったというのに|女の哲学

  昨夜のこと。
  わたしは何もしなかった。

  あなたに全身を組み伏せられて
  まるで人形のように放心したまま
  ただ全てを受け入れていた。

  激しい行為だったはずなのに
  まるで海の波に揺れているような
  不思議な二重性の中で心が漂っていた。

  あなたのエネルギーが
  私の底のさらに深みへ
  静かにやさしく溶けていった。

  あなたにしがみ付く身体と裏腹な私の精神は

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知らなかった世界|女の哲学

知らなかった世界|女の哲学

  目覚めたとき
  今日は昨日までとは違う予感がした。

  あなたに抱きしめられた。

  気を失うかと思った。
  何かが浸透してくる
  あまりのスピードと深さに。

  命を凝縮した球体の水槽に
  突然放り込まれ、
  溺れる間もなく
  全てが洗い流されたかのような。

  あなたの指が私の秘所に優しく触れた。

  窒息しそうだった。
  長く待ち望んでいた以上の何か。
  触れら

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迷う強さ|女の哲学

迷う強さ|女の哲学

  その扉をあけたら
  もう本当に後戻りはできないのだと覚悟せねばならない。

  本当にすべての常識や価値観や道徳や社会通念やタブーや、
  この世の秩序というものをすべて超えることになってしまう。

  私の中のあらゆることも、粉々に破壊されてしまうほどの
  力があるかもしれない。

  考えれば考えるほど不安になるけれど
  引き返すつもりは毛頭ない。

  それでも自問自答する。

 

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New Sanctuary 新しい聖地 8/6|Song of Gaia|女の哲学

New Sanctuary 新しい聖地 8/6|Song of Gaia|女の哲学

  かつて地球で
  もっとも悲惨な出来事がおきました。

  たくさんの命が
  一瞬でなくなりました。

  まるで、千年の時を
   一瞬に縮めたかのように

  人々は、いっきに年を取り
  細胞が消えました。
  
  地球上の時間軸が
  ゆがんでしまいました。

  あとにのこったのは
  ドーム屋根の建物だけでした。

  たくさんの光が
  行き先もわからずに

  永遠の失った

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女心|女の哲学

女心|女の哲学

  深夜の長電話。
  ものすごく嬉しかった。
  それなのに、時々心が痛んだ。
  あなたは女心がよくわからないのかな?

  あなたは「僕が嫌になったらいつでも離れればいい」
  と、いつも言う。
  私はいつも戸惑う。
  こんなに好きなのに。

  あなたは私を束縛しないために
  言っているのだろうと想像する。
  
  何で男はそんなことを言うのかな?
  今言わなくてもいいのに。
 

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私は何に感じたのだろう|女の哲学

私は何に感じたのだろう|女の哲学

  私は何に感じていたのだろう?
  あれほどまでに。
  身体?指?ペニス?精液?

  そんなものは今までも感じたこと。
  めずらしくもないこと。
  それとは全く次元の違う何か。

  とんでもない快楽を
  感じたこともあるし。
  ドラッグで感覚が開かれたり
  予想外の解放感で弛緩したこともある。
  それとも違う深い何か。

  私は何にあれほど感じていていたのだろう?
  連続す

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That Bridge あの橋の上で |女の哲学

That Bridge あの橋の上で |女の哲学

あるアメリカ先住民シャーマンの物語:
数年前に初めて広島を訪れた時、原爆ドームの前の相生橋を渡っていた時のこと。(相生橋は原爆投下の目標とされていた橋)
一人の老女が自分に向かって歩いてきたそうだ。お互いの顔を見てびっくりし、動けなくなった。そして駆け寄り、抱き合ったという。全くの見ず知らずの二人なのに、姉妹だったとわかった。何十年もの時を経てやっと会えた二人だった。
愛し合う魂は、巡り巡って必ず

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引き返せない未知の道|女の哲学

引き返せない未知の道|女の哲学

  私が持って生まれたこの激情は
  一人の男を一生深く愛しぬくためにあった。

  身も心も精神もすべて開ききって、
  ひとつになれる真実を生きるため。
 
  私の恐れは、自分自身の中に巣食う激情ではなく
  愛しぬける男が見つからないかも知れないという恐れだった。

  あなたが持って生まれた情熱は
  一人の女を一生深く愛する出口を求めていた。

  人の理解をはるかに超える壊滅的とも思

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遍在するあなたへ|女の哲学

遍在するあなたへ|女の哲学

  今夜は本当に大好きだった人のために祈る。
  いや、祈るのは私自身の慰めのためかもしれない。。。。

  会うのは一年に一回ぐらいだったけれど、
  魂の種類がとっても似ていて、
  会った瞬間から大好きだった。

  そのハチャメチャブリは筋金入りで、
  動物的な嗅覚は絶品だった。

  言葉を超えた感覚の世界で話せる稀有な人で、
  その存在がとても有難かった。

  そのまんま、ただそ

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川は流るるを|女の哲学

川は流るるを|女の哲学

川の声が聞こえた。
老子のような叡智の響き。
こんなことを話していた。
慌ててメモした言葉。

川は
流れて
神気を発する。

樹木は
その気を浴びて
根を表面に突き出しはびこりながら
命を育む。

蜻蛉は
神気の中を悠々と飛び回り
それぞれの命を遊ぶ。

水は
形を変えながら
本質は変わらず

水自体は
その徳を一切知らず
ただ流れるのみ。

周りに命を張りめぐらせ
神気によって世界をつくる。

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狼の物語|女の哲学

狼の物語|女の哲学

  小さな一匹狼が、大きな大狼に出会った。

  小さな狼は大狼の前では
  無防備にじゃれ合う子供に戻れた。
  生まれて初めて心を赦せる
  夢のような楽しい時間を過ごしていた。

  それなのに大狼は群れの中に返っていくのだ。

  厳しい狼の掟の中では
  一匹狼はその境界線を越えられない。
  その向こうで、たくさんの温かみに囲まれる大狼を見ながら
  小さな一匹狼は本当の孤独の色を知る

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