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更年期から始まるこころの旅


#未来のためにできること

数年前、ケアマネジャーとして在宅介護を支援していた私は、高齢者の支援というよりその家族、特に娘さんやお嫁さんの話を聴くことにに注力していました。なぜなら、高齢者の問題というより介護者である女性の問題意識の方が優先されると思ったからです。
更年期の女性にとって「やらされている介護」は自分の方向性を歪めます。他にも「やりたいことがあるのに!」「何で私だけ!」
このような否定的な感情は、緊張状態を持続させて、いずれ大爆発を起こしてしまいます。せっかくの女性の性質である感覚も鈍り、直感をキャッチすることが出来ません。
目の前に介護があるということは、介護を通して嫁姑という横のつながりと母と娘という縦のつながりから課題を見出すことであり、何のための介護なのかを知ることです。
在宅支援で訪問すると、玄関先で違和感を感じるのはたいてい嫁姑、母と娘の歪んだ関係性がある時。依存した関係と切り離された関係は不安と恐怖のエネルギーが家の中を循環しているのがわかります。
しかし、この不安や恐怖の感情は生物の命を守るために体に記憶された重要な感覚。代々受け継がれてきたこの能力を、賢く成長させる時期が更年期であり、自分の中心を知るこころの旅の始まりの時です。

〇こころの奥にある自己否定


昔、餓死や感染症などの病気で亡くなる子供も多く、成人まで育てることが難しい時代がありました。そんな中でも子供を大切に養育することは母の愛情表現だけではなく子供に介護を求める理由でもあったそうです。
母の親権は財産と子供の支配権であるから、女性の老後は保証され、子供が親の介護を担うことが当たり前の世の中だったのです。
その一方で、お金がないのに世話を強要される子供や、子供がいない高齢者もいた訳ですから見捨てられる不安や恐怖の念が伝承されても不思議ではありません。時代が進むにつれて、女性の在り方は良妻賢母と認識され、女性は家庭に入ることが当たり前の世の中になりました。
その結果、性別的な役割は女性の心の奥底で活動意欲を制限させ、笑いまで奪っていったのです。

〇高次の意図を見出す

自分の中心を見出すには、感情や情動の意図に気づく必要があります。介護しているから出来なくて当たり前…けれどもイライラしてしまう。「助けて」って言えずに孤独に陥り、劣等感いっぱい、そんな自分を受け入れていくことが、最初の一歩です。良いとか悪いとかはなくて、そんな側面もあるのだと受け入れて認めること。
全て物事の原因は自分にあり自分が引き受けるという在り方は、縦と横の関係性を変化させます。自分を受け入れた時からこころという中心からの旅が始まります。

〇こころの旅の入り口


今、人生100年時代を生きる私たちは更年期世代は、日本の平均年齢であり時代の中心を生きています。過去を受けいれ未来に笑いを繋げるには、今この瞬間の感覚が大切になります。
50歳を過ぎてもなお、健康で活き活きしている人はすべてを受け入れ笑顔の似合う女性です。現代はネガティブな情報に洗脳されて笑いを失った女性がたくさんおられますから、心が思い込みや感情に支配されないように、ぶれない中心軸が必要です。
こころの旅の途中で辛く感じるのは、女性として生まれた意味を見出せないから…。その意味を見出すには、素直になって笑いながら記憶の中に戻ることが先決です。
女性の性質はみんなでワイワイしながら協力することを求めています。
介護も仕事も肩肘張らずに行うのが、長続きの秘訣です!



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